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青年「オレが…明日死ぬ…?」

作者: 一星新太

初登校です。

 死神「こんちは。君、明日の午前9時、死ぬ予定だからよろしく。」

 青年「…え?」

 青年「いやいやいやいやいやいや、何、いきなり人の部屋に入ってきて、なんなの、誰君。出ていって」

 死神「そりゃもう、死神ですよ」

 青年「…えぇ?」

 死神「死神です。」

 青年「嘘つけ。死神なんている訳ないだろう。じゃあ死神らしい事してみろよ。できないだろ」

 死神「現に勝手に部屋入ってきて余命宣告しに来たじゃないですか。こんなこと出来るの、犯罪者か死神しかいませんよ。」

 青年「……」

 死神「まあとにかく君明日死ぬから。ほなまた。」

 青年「おい!勝手に話進めんn…あれ?」


  『死神と名乗る男は青年が言い終わる前に消えてしまいました。彼の言う事は本当なのでしょうか。』


 青年 (嘘か本当かは分からないが、もし本当だった場合相当後悔することになるぞ…今のうちに明日の朝までにやることをリストアップしておくか…)


 明日の朝9時までにやりたいこと

 ・彼女作る

 ・親に感謝

 ・進めかけのゲームを終わらせる

 ・うまい棒一気食い


 青年「…我ながらやること全てがしょうもないな…まずはやっぱり親が先か…実家遠いし田舎だから今から行っても間に合わんな…電話か…」

 プルルプルル

 マッマ「おおあんたか。元気しとった?」

 青年「母さん…今までありがとう…」

 マッマ「なんやその言い方笑。なんかあった?」

 青年「女手1つでここまで育ててくれてありがとう…ろくでもない人間になって…本当に……ごめんなさい…」

 マッマ「ほんまにどしたん。悪いもんでも食べたん?」

 青年「じゃあ…」

 マッマ「どしたn

 プツップーップーッ

 青年「母さん…」

 青年「もっと生きたいよ……もっと親孝行すればよかった…クソっ…」


 『親のありがたみに触れた青年。人生で初めて自分の気持ちを伝えることが出来ました。』


 青年「よし、次は彼女だな!切り替え切り替え」


 『えぇ…』


 青年「もう女友達片っ端から告白していくか〜。どうせ死ぬんだし何言われようと気にすることないし。」

 プルルプルル

 青年「もしもし?あのさ、付き合ってくんね?」


『こんな告白の仕方でOKを出す人間なんてそうそういません。青年は女経験が皆無だったのです。』


 数時間後…


 青年「やっとOK貰えた…あんま可愛い子じゃないけどこの際関係ない。」


『この時点でもう時計は23時を過ぎたところでした。暇なのか。もっとやる事あるだろ。』


 青年「あと10時間か…うまい棒は沢山あるし、食いながらゲームするか。…お母さんも電話かけてくれるかもって思ったけど全然かかってくる様子もないし…絶対冗談だと思ってるよな…あぁ…」

 青年「思えばつまらない人生だったな…特技も何も無い、なんとなくで大学に入ったものの何も楽しくなかったし…もっと前から将来を考えておけばよかった…」

 青年「…いいや、ここで悲観的になってどうする!残りの時間楽しく過ごして悔いなく死のう!おらー!うまい棒10本一気食いだーっ!」


『青年はもうやけになっていました。自分の人生を振り返り、どれだけ生産性の無い日々を送ってきたのかが分かったからです。いわば現実逃避です。』


 そして次の日の朝8:30…運命の日


 死神「おはようございます。死にますよ〜起きてください〜」

 青年「後ちょっと…後ちょっとでラスボスが倒せるんだ…」

 死神「そんな物置いて、さっさと起きてください。さあ外に行きますよ」

 青年「いやだ…死にたくない…」

 死神「何言ってるんです今更。さあドアを開けて。」

 青年「あぁ………」


 ガチャ


 ドアを開けると…そこには無数のカメラが。

 死神?「ドッキリ大成功〜!!!!!」


 青年「…え?」

 死神?「いや〜素晴らしいもの撮れましたよ。いきなり明日死ぬと告げられた人間の行動!人生の儚さを感じさせますねぇ…」シミジミ

 青年「いやいやいやいやいやいやいやいやいや」

 青年「え?ドッキリ?テレビ?だとしたらなんの番組?」

 死神?「ドッキリChampionです。」

 青年(あぁ…どこかで聞いたことあるぞ…過激なドッキリで有名な番組…)

 青年「いやドッキリで済まされないよ!女友達みんなに告白しちゃったし!親に変な電話しちゃったし!どうしてくれんの!」

 死神?「まあまあ、言いたい事は後日また撮りますんで、今日はお帰りください」

 青年「いやここ家の前だよ!帰るもなにm…あれ?」

 青年「…逃げ足早すぎるだろ」


 青年(言いたいことは沢山あるが、このドッキリで今までの俺の価値の無さがよく分かったな…働かずに親の仕送りで毎日生きていくだけで…俺は…どんなクズなんだ…)

 青年「就職活動…するか…」


 青年「今までは親に頼ってばっかだったけど、今度は俺が自立して、少しでも楽をさせてあげよう。そうと決まれば早速スーツ買いに行くぞ!面接にも行って、資格もとって、それから…それから…………」


 青年は気がつくと駆け出していました。青年の第2の人生が、今始まったのです。



 運転手「ふんふふ〜ん。ふふんふ〜ん。9時か。そろそろ戻らなくちゃ…ん?」

 赤信号から青信号に変わり、アクセルを踏んだその瞬間、右から人影が。

 運転手(おい!信号無視じゃねーか!ブレーキも間に合わん!)

 運転手「う、うわーっ!!!!」


 青年「え?」

 グチャ!



 青年の部屋では、まだ付けたままのゲームが。そして画面に映し出されていたものは…




 GAME OVER




『本当に9時に死んじゃうとは…やっぱり人生って、儚いものですね!』

みんなは死んでも後悔しないように生きようね!

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