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『精霊の舎(いえ)』  作者: 弘せりえ
51/55

精霊の舎-51

 しかし、ホンナには、バーにいる

人々の魂が架空でないこと、つまり

いずれのパラレル・ワールドであるにしろ、

人々の魂がまぎれもない本物で

あることがわかった。

そして、アークの魂は、かすかにだが

ガイヤの形がある。

 

 ホンナは、マギの手を取ると、アークの

そばへ近づいて行った。


「ガイヤ」


 全然こちらが見えていない様子のアークは、

しかし、ホンナにそう呼ばれて、

かすかに反応した。

手にしていたグラスをカウンターに置き、

ちょっと不思議そうに首をかしげた

アークに、マギが、カイ、と声をかけると、

またしても、あの祭りの時同様、

辺りの喧騒がすっと消え、バーの中での

時間が止まったように思えた。


 今、この世界にいるのは、

ホンナ、マギ、カイ、の三人だけである。

アークはしばらく、何が起こったのか

把握できず、ぼんやりとしていたが、

徐々に、意識をはっきりとさせていった。

「・・・やっぱり、ガイヤ本人なんだね?」


 ホンナの声に、ガイヤは

少年っぽくおどけてみせる。


「もう見つかっちまったか。

せっかく新しい世界に潜り込んだのに」


                続 



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