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精霊の舎-32
嫉妬に気を悪くするかと思った
ホンナが、全然気に留めることもなく、
その上、自分の知らない意味深なことを
言い出したことに、ガイヤは
眉をひそめる。
「・・・どういうこと?」
「ははーん、やっぱり、何も
知らないんだね。
ところで、ガイヤ、ひとつ聞きたいことが
あるんだけれど、君はなぜマギの気持ちを
知っていて、何の関わりも持とうと
しなかったんだい?」
ホンナの質問に、ガイヤは再び
肩をすくめる。
「それは、私こそ知りたい。
惚れていたのは、むこうの方なのに、
どうして何も行動を起こそうと
しなかったんだ?
ただ、じっと見つめて・・・」
「それだけでも、かつての君たちなら
十分関係が始まったはずだ。
少なくても、どちらかが相手の
好意に気付いた瞬間に」
ガイヤは、ソファに身を投げ出すように
もたれると、深くため息をついた。
「そこらへんは、精霊になってから
ちょっと考えてみた。
・・・つまり、あなたがいなかったから
だよ、ホンナ」
やっぱりそうか、とホンナは思った。
ガイヤさえ気付いていたことを
今まで見落としていたなんて。
続




