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堕落の民の戦い  作者: ぎーもろ
1/1

その1


この世界は、3勢力の国が魔法や戦略を駆使しながら戦争を行っている。

その3カ国夜の無い国テツヤー帝国、年中無休の国シャチク皇国そして、我々が居る夢へ堕ちる国カイミーンである。

各国に在籍した人々は15歳成人を迎えたものは各国の神から恩寵を得る

恩寵は魔法的なものやらスキルを得られる。さらに階級を授けられる決まりになっている。

私はカイミーン国所属ショウミン少佐だ。

フルネームで言うとドリーム=L=ショウミンだ。だがショウミン以外はカイミーン国在籍のものは名乗っている為重要なのはショウミンの部分だけだがな。


実を言うと今も戦時中だ。

カイミーン国は、テツヤーとシャチクの間に挟まれていてその上その2カ国の仲が凄く悪いその上我が祖国は邪魔だと言う理由だけで戦争に巻き込まれている。

ダダダダダ…

「ぐぅおぉぉぉぉ!衛生兵〜」

「どうした?!何事だ!」

銃声が鳴り響いていた事だし、被弾でもしたか?

「しょ、少佐足首をくじきました〜」

「っ!バカもの!!そんなことで衛生兵を呼ぶんじゃない!とっとと安全な詰所に運び込め!」

「「「はっ!」」」

「で?敵の動向はどうなっている?」

「特に大きな動きは無いようですね。テツヤー側からすると我々は天敵の様な存在ですからね?警戒レベルを引き上げて居るのでしょう?先程から小部隊を小出しに陽動やらで注意を引き付けて居る間に差し向けて来る等の行動はしておりますが、それら全て我が軍が迎撃できております。」

「そうか。分かった下がっていいぞ」

「はっ!」

そう我々はテツヤー帝国とシャチク皇国の天敵と言ってもいい立場だ。

2つの国に挟まれて進軍されているのだ。当然挟撃に会うこともある。

だが我が国が今の今まで生き残って来たのにも当然理由がある。

それが恩寵の力だ…と言いたいところだが恩寵の力と言えば力なのだが、そうでも無いとも言える。

テツヤー帝国とシャチク皇国の恩寵の力は魔法とそれから物理的死の阻害つまり射殺や刺殺これらで殺す事はまず厳しい。そして相手の警戒すべきは魔法になるがその欠点を補いさえすれば不死とまでは行かずもそれに準じたレベルで厄介な兵隊が出来上がる。

テツヤー帝国とシャチク皇国の戦いであれば相手の魔法的障害を如何に取り除くかの勝負になるのだが、では我々と対峙した場合はどうなるのか?それは相手の恩寵の規定もちろん我々にもその規定は存在するのだが我々のは後で説明しよう。

テツヤーとシャチクの恩寵の規定は少しの違いはあれど結構似ていると言うのも、テツヤー側は一定時間以上寝てはいけない。そして、シャチク側は一定時間以上の休みをとってはならないと言うもの。

この規定を破った者は、爆散する。なぜ知っているかは我々がそうして倒しているからだ。

我々の恩寵は眠り魔法に魔法的死の阻害に精神的苦痛の緩和。規定は、一定時間寝る事である。ただしこの一定時間は個人差があり酷い人では24時間眠らなければならないと言う制約もある。

1日の時間は24時間であり1年間は366日だ。つまり酷い人は一生寝ている。だが、安心して欲しい…スキルがある。

恩寵を得たものは誰しも何かしらのスキルを獲得する。

毒無効や麻痺無効等のよくある一般的なスキルから分身作成と言う結構狡いスキルまで幅広い。

ちなみに私の幼なじみで今や大将であるエイミンの例で話そう。

彼は恩寵により24時間寝なくてはならないまさに永眠してるわけなのだが、スキルが分身作成の為に本体の代わりに分身が仕事をしている。

分身の思考能力は本体の思考能力を元にしている為に、本人がバカなら分身もバカだ。

まあ私の幼なじみは頭は悪くなかったが、バカではあった…

バキッ!

しまった…怒りで力みすぎてペンを折ってしまった。

ゴホン!まあ気を取り直して彼は恩寵の分身作成で作成できる分身の人数は20人だ。この為20の部隊の指揮を1人で取ることが可能な為、彼を戦場で見ない事はない。

ここまでの説明で、テツヤーとシャチクの天敵になり得るのか?疑問に思う者も居るとは思う。だが我々が使っている武器が戦争の概念からすると異質かもしれない。

我々が使う兵器は基本催眠ガスや麻酔銃である。これで倒し方が見えてきたものも居るかと思うがそのまま説明しよう。

そう我々は敵を眠らせて居る。それにより相手は規定違反になり爆散と言うきっと他者から見たらそれでいいのか?と言わざるを得ない状況だろう。だがこれが我々の戦い方だ!



「ショウミン少佐!伝令がございます」

「どうした?」

「テツヤー軍が撤退を開始しました。今回の防衛戦も成功です。」

「よし分かった!私の奢りで皆を労ってやってくれ」

「はっ!ですがそれともうひとつ…そのシャチク軍が攻めて来たから今すぐこちらに来いとエイミン大将から」

ダァン!!!!

「あいつは私をなんだと思っているんだ!私はあいつの幼なじみであって専属パシリでは無い!!!!」

「お怒りは分かりますが…ですが少佐を必要としてると言うのは状況的に芳しくないのでは?」

いかんいかんつい怒りで我を忘れて手摺を力の限り殴りつけてしまった

一旦落ち着かなければ…

「す〜は〜す〜は〜…すまない取り乱したな…だがあいつが出張って居るんだ状況的に芳しくないと言うのは残念ながら無いだろうな」

「……まあ確かにそうですね」

「あいつはバカだが軍略には長けている。まあバカな部分は女性の扱いだけだからな…そこさえまともならもっとモテるだろうに」

「………否定できませんね流石は幼なじみ」

「まあ仕方ない西に行けばいいのか?それとも祖国の作戦本部に行けばいいのか?」

「そうですね。西の軍部に行って頂ければと思います。」

「分かった。では早速行こう」

はぁ…今回は兵士達の慰労をしてやろうとしたのになぁ


この世界にはテレポートの呪文や瞬間移動施設の様なものは無い

まあそんなものあったらわざわざ敵陣に行軍等せず、敵の背後にテレポートして殲滅兵器やらぶち噛ませばそれで終わりなのだからそうはなっていないと言う事は無いのだろうな

ではどうやって移動するのかは眠り魔法にある。

いやいやちょっと待て?!眠り魔法に移動手段があるわけないだろうって言うそこの君?実はあるのだよ。

その名も『ヒコウキ』正式名称は非行動浮き移動呪文だ。


『ヒコウキ』

(非行動浮き移動呪文)

この呪文はあらゆる障害からあなたをお守りする障壁付き飛行呪文です。あなたは動く必要はありません。

私の力でお空の快適な旅をお届け致しますわ byカイミーン


とまあこんな感じの呪文なのだ。

この呪文かなり便利なものでな目的地をイメージすればそこまで自動的に飛んでくれるのだ。

飛んでる間景色を眺めるもよし寝るもよしだ。

私は少し眠らせていただくがな。

起きた頃には西方面の駐屯所に着いているだろうではさらばだ…


「………………………」


ショウミン少佐が飛んで行った後の東の駐屯所では?

「ショウミン少佐も大変だよなぁ?」

「ああ違ぇねぇ」

「エイミン大将ももう少し相手の気持ちを慮ってやれてれば今頃ショウミン少佐のハートは鷲掴みだったろうに…」

「ああ違ぇねぇ。だがもう拗れに拗れちまってるからショウミン少佐がエイミン大将に恋心抱く時はもう無いのかもしれんな」

「いやぁ全くエイミン大将は惜しいことしたぜ、あんないい人ほっとく男なんざまず居ねぇぜ」

「少佐の気を引きたくてバカやってる連中が少なからず居るってよりは大多数に登ってるからな。ひとたび戦場に姿を見せれば士気は高まる一方だ。ここがそうだった様にな」

「エイミン大将もそれを狙っての派兵だろうよ?まあ行かなかったら行かなかったらで、なんか死んだ魚の目してトボトボ向かっていく少佐はもう見たくねぇからなぁ〜もう経緯を見守るか指揮権を取れる程功績を挙げて少佐をお助けするしかあるまい」

「「「「だよなぁ」」」」

「「「「「はっはっはっはっはっは」」」」」

ショウミン少佐の預かり知らぬ所でこんな談義が行われて居るとは勿論知るはずもなくショウミンは西へと辿り着いたのだった。

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