制服!!
「朱里〜!!光希〜!!制服、取りに行くわよ〜。」
ひたすら家でぐーたらしていた折に、莉子さんが言った。中学校の制服って、確かスカートだよね?
…嫌だなぁ。
着なきゃいけない、って言うのは事実だ。それに、どうせ一年間あればいつかはスカートを履いていただろうから、早いか遅いかの違いだ。うん、仕方ない。
僕は自身を納得させながら、僕は、持ってる服の、なんとなく女子っぽい感じの服装に着替えた。そう言っても普通の服なんだけどね。
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「いらっしゃいませ〜。」
莉子さんの運転する車で、制服屋さんまで来た。なんというか独特の匂いがする。ちょっと好きかもしれない。
「それじゃ、受け取ってくるからちょっと待っててね〜。」
「「はーい!!」」
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別にスカートを履かされるようなことはなく、本当に受け取っただけだった。朝、履かなきゃ、ってなった僕の覚悟を返せ!!って正直思った。でも、先延ばしになってホッとするのは、別にいいよね?
……よくないね。先延ばし、ダメ、絶対。四年生の夏休みの最後の日を思い出せ。宿題地獄だったじゃないか。
……今思い返しても辛い、やめよう。
とにかく先延ばしはダメ!!
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というわけで、僕の部屋で制服に着替えてみる。扉は何回も確認したから大丈夫!!
「う〜ん?」
ブレザーを着るのが、というよりボタンを止めるのが難しい。いつもなら、すんなりと通るのに……ってボタンの向きが違うのか。慣れるまで、大変そうだなぁ。
着替えてみると、なんだか拍子抜け。案外あっさり履けてしまった。とりあえず思ったのは、やっぱりスースーする。パンツしか履いてないみたいで落ち着かない。
今、僕ってどんな風に見られるんだろう。洗面所の鏡で見てこよう。そう考えて、ドアを開けると、外にいたのは、スマホを構えた朱里だった。
……もしかして見られてた?そう思うと、顔が赤くなる。ドアを閉めようとするが、朱里に邪魔される。それどころか、いつものように力負けして、朱里の部屋に入れられてしまった。
朱里の部屋には、大きな鏡があった。そこに写っているのは、茶色っぽい髪の毛の、制服を着たかわいい女子だ。
「これが……僕……?」
つい声に出てしまう。
制服もダボついている。仕草も、意識して変えてはいない。それなのに、鏡の中にいるのは、男子だと言われても、絶対にそうは思えないようなかわいい子だ。
……身長のせいで、背伸びして中学生のコスプレをした小学生にしか見えないけど。
それにしても、朱里にそっくりだ。僕の面影があるかと言われたら微妙なところだなぁ。兄妹だったから全く似てないことはなかったんだけどね。
ふと思いついて、ひらりと回ってみる。スカートが浮く。新鮮な感じ。ちょっと面白いかも。
「パンツ見えちゃってるよっ!?」
「えっ!?」
回るのをやめようとして、バランスを崩す。朱里の部屋のベッドに倒れ込んでしまった。
「光希……後で下着買いに行こうね?女子用の。」
うぐぐ……