第四話 文系VS理系?
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
地響きが聞こえる。
「地震かな?」
「いや違うな…… スカイツリーを見てみろ」
葉月は遠くの方を指差していった。
「スカイツリーは揺れていない……」
まさか俺達の周りだけ揺れているというのか……
「なっ何だあれは」
超巨大な怪物のようなものがこちらを見つめていた。
「20メートルはあるな」
葉月が驚愕の表情を浮かべる。
超巨大な怪物は煙のようなものに覆われていて姿が良く見えない。
ただ巨大ということのみが分かる。
「これでも食らえ」
葉月は拳銃を構え、発砲する。
弾は確かに命中するが、煙の中に飲み込まれやがて消えた。
「何なんだよこれ、殺人学部の奴らのか」
「いや違う、こんなの聞いたことない」
怪物は我関せずと接近していき、そして煙に取り込まれてしまった。
煙の中に入って初めて分かった。この化物は……
「竜か」
竜にしても異形だ。羽は四つ生えており、また全身には人間の目のようなものが無数に付いておりギョロギョロとこちらを見つめている。
「こんな生き物見たことないぞ」
「とりあえず煙から出るぞ」
俺と葉月はひたすら煙から出ようと走るが一向に外にたどり着かない。
イライラばかりが積もっていく。
葉月を見ると大量の重火器を取り出してる。
「こうなったら最後の特攻だ、僕が死んだら犯人探しは頼んだ」
「ちょっとやめてくれよ」
必死に葉月を宥めすかす。
しばらくすると竜の目が全て一気にじっとこちらを見つめ始めた。
ケタケタケタケタ笑い声が聞こえる。
「くっ来るのか……」
「来るなら来い」
死を覚悟したその時竜が爆散した。
爆音が響き渡る。
「えっ……」
爆炎の中からは2人の人間が出てきた。
一人はシスターのような格好をしている、そしてもう1人は僧……!?
「はぁまた迷い込んだ一般人か」
「今日で何回目でしょうか」
2人は竜を見てゲンナリとした表情を浮かべている。
「えっと自己紹介しましょう、私は東京大学文科十三類祓魔学部バチカン仕込みのエクソシストのアシマリル・ドントコイヤです」
えっへんとこちらを見て誇らしげに自己紹介する。
って待て文科十三類?そんなトンチキな学部が殺人学部以外にもあるのか?
「私は推理僧正、エクソシストとは違うが故あって文科十三類で学んでいる」
「文科十三類とは何なんだ、そして君たちはあの竜の正体を知っているのか?」
葉月が質問を飛ばす。俺も同じことを思っていた。
「あの竜も東京大学の生徒だ」
「なっ……」
「文科666類、単体で人類種全体に脅威を与える黙示録の悪魔のみが集う最凶最悪の学部。 悪魔学部」
666類だと…… いったいこの大学はいくつまで学部があるのか。
「最近になって急に活動が活発化していてな、私達エクソシストの出番というわけだ」
僧正が答える。
ギョエエエエエエエ、竜が雄叫びを上げる。
「さあ始めましょう。あなたの重火器にも聖水をかけたので攻撃が通じるはずです」
戦闘が始まった。