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第39話 人生勢いと居直りと開き直りが大事

うー ぅー うぅぅぇえええぅーー(唸り)


あれから閉館のお見送りまで何ですかねぇ…人1人背負ってる様に心と体が重ーい阿久津ヒロムですぅ…、え?刀剣展示会?言葉の端にも出ませんでしたよ…ははーん(泣)


はー…そんな訳で今日の出来事を山崎さんに報告する為に先輩に手を引かれ派遣会社へ向かっております、あー足が重い…。怒られる訳では無いって分かってはいるんだけどねー、なんかなー俺が不甲斐ないばっかりにー。



おーはよーございまーーす、お疲れ様でーす山崎さん居ます…か…?


夏休み中は自主練習かリハーサルのみなので久々に来た事務所。

今はまだ17時台で現場班が戻って来るには早く、閑散としてる事務所…の…筈が。


「土方君ンンンンンン!!!!(ほう)けるのは後にしてぇぇえ」


受話器持ったまま机に突っ伏してる土方さんと「実際の所書類どこなのぉおお!?」なんて探してるんだか散らかしてるんだかわちゃわちゃしてる山崎さんが居ました、珍しい土方さんが…何このカオス…。

を、土方さんがコッチ見た。椅子から立ち上がって無言でこっち来る…超怖い、尋常じゃ無いくらい目ぇ据わってて動くときっとメヂカラビームとかで根源から抹消される。


おっおおおお疲れ様です土方さん、どうかしたんで…え…


「お願いします、力を貸して下さい」


土方さんが俺達に頭下げてる、いつもホワーっとした笑顔で実際は隠しきれない天然黒(ピュアブラック)ドS金髪イケメンの俺様何様大魔王様な土方さんが…深々と頭下げてます。どっどどどどどうしちゃったんですか天変地異ですか明日世界を終わらせる気ですね。



「現場忘れてました。」


へ?


「…………現場1つ忘れてました。

私等も今帰社して留守電聞いて分かったトコなんです。」


へ?


「今からその現場に行くのですが、人手足りないので力を貸して下さいお願いします。」


へええええええええー!?!?!?!


「ヒロム君ンンンお願い!!話は後ぉぉおおおお!!今日は人材ほぼほぼ出払ってるから誰も捕まらないの!ギャラちゃんと追加で出すからごめん2人共付いてきて!業務命令!

斎藤君と準備よろしく!倉庫の喋りショーの衣装のヤツ、戦闘員(といん)2、ヒーローはビットマンで!土方君は沖田君に連絡、アイツ車奉公終わって帰ってきてる筈だから行きに拾う!


40秒で支度しなぁぁぁああああああ!!!!」

「了解、来いヒロム!」

ソレどこぞの某空中海賊の頭領の台詞ぅぅぅう!?

突っ込む間も無く先輩に首根っこ掴まれ倉庫奥へ、やや埃被ったでっかい段ボールを引きずり出してくる。

…先輩何コレ?

へ?前年の連者モノとかは裏で売り飛ばされない様に毎年他の人材派遣会社も集まって破壊する?

その時に要るモノを各社ドラフトして確保しているヤツ?へー、そんな事するんですか…。


説明を受けながらも衣装の用意、えーと…


戦闘員(略して斗員(といん))2体

喋りショー用に改造された今週のやられ怪人1体

電子戦隊ビットマン・赤1体


何時もはコレに戦隊4人分があるから、何か衣装忘れた気になって気持ち悪い。段ボールに詰直して車内へ、追加で言われた缶バッチ300個も用意。…300も必要な現場なんだろうか、ソレを忘れるって怖…。


「用意出来た?1人行き掛けに拾って行くから乗って!」


山崎さんが何か怪しげな機械を積み込んで声を掛けられる、土方さんは…道具箱抱えてた。まだ微妙に動きが鈍い…何か今日の俺みたいだ。大丈夫かな…。






「げーっひゃっひゃっひゃっひゃっ☆ひー♪馬っ鹿でーぃ、土方のばーかばーか現場忘れるとか何ソレ何処に忘れたのかなー?シュレッダーにかけちゃったのかなぁー?普段が普段だけに愉快痛快、車奉公から帰って早々笑かしてくれますなー土方くぅーーん☆」


土方さんの米神に手をキツネにしてゴンゴン攻撃してる人が目の前に居ます怖ぇ。

迎えに行った沖田さんは飄々とした無敵オッサンでした、運転席から「あんまり苛めないでよー」なんて山崎さんがやんわり止めてますケド攻撃の手は止まらず…あ、土方さんの両頬引き伸ばされてる…見ちゃいけないモンを見た様な気分になるでござる。


「ーで、何やンのよ?全員揃ってるみたいだし説明してくンない?」


満足するまで弄ったのか漸く解放した土方さんに沖田さんが問う、そうだ俺等もよくは聞いてなかった。


「現場は地域の中規模程度の夏祭り会場、1回ショーで「赤獣神者と遊ぼう」の現場…でした。舞台は他の催しを前倒して貰ってるそうなので、到着次第割り込みます。

獣神者の衣装は今日は全て現場で出払ってて他社にも有りませんでしたので「電子戦隊ビットマン」持って来てます、時間的にも喋りショーが妥当かと。」


「をー、ビットマン懐かしーい♪黒ビットの個人武器の(アックス)作ったなー、事務所にまだある?持ち手木製にしたら重すぎてさー、ショーが進むにつれ腕が上がらなくなってくのが端から見てて丸わかりでさー☆」


みんな腕プルプルしてんのってゲラゲラ笑う沖田さん…うん、楽しそうなのは良いですが…『喋りショー』って何ですかね?


「えー?ヒロムとやらは初めてやんの?その名の通り「喋りながらのショー」。山崎さーん、アンタやんの?久々じゃねぇ?

あー、だからキャスティングは山崎さん喋り怪人、阿呆土方赤ビットマン、ヒロムと斎藤が斗員で俺音響?合ってる?…だそうだ。内容?内容は無いよーぅ☆悪者でお客弄って赤ビットマン来てチョイと立ち回る、リハも場当たりも無しだけど頑張れー☆大丈夫山崎さん昔の人で形式美なヤツしか出来ないから。」


あ…そうだよ戦隊モノだから立ち回り…リハ無しだと…。顔色悪くなる俺に「どーしたー?酔ったかー」なんて沖田さんが絡んでくるけど知ったこっちゃない(酷)先輩ぃっ…!!


「全部引っ括めての土方さんの「お願い」だろ、腹括れ、覚えやすいのにしといてやるから。」


山崎さん「昔を思い出すよねぇー☆」じゃないぃぃ!あぁぁあ土方さん地面にのめり込む位のどよーん感で謝らないで下さいだいじょ…ばないですけど…沖田さんんん!!傷口に塩擦るかの様な口撃止めなさいぃぃもっと堕ち込んじゃうから!埋もれて地上に帰って来なくなっちゃうからぁああ!!


俺の立ち回り問題の方が今は大事だからぁぁぁあ!!!!(本音)










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