第34話 お正月だよどえらえもん 急に表れたお客様は
明けましておめでとうございます。
どえらえもんは~(以下略)後、数日更新出来ませんm(__)mオイラの正月休みまでは(泣)では、出勤してきまーす(午前4時)
あれから先輩を心行くまで八つ当た…人体じっけ…技の昇華に付き合って頂きました阿久津ヒロムでーす、先輩は無事逝かれました合掌。
日付変わって今日は練習もリハーサルも無い日だけど、練習場は事務所に人が居れば何時でも解放してくれるので独り基礎練習に向かってます。練習場は壁面1面鏡張りなので、体勢の確認するのにもってこいなのですよ。
おはよーございまーす、…事務所に誰も居ないなんて不用心な。練習場に居る?それとも倉庫で作業?お客様用の出入口は開ければ音がなる仕組みになってるから多少席を外しても大丈夫だからかな?でも従業員用出入口の鍵開いてるから無用心っちゃ無用心。
まぁ、取りあえず奥を覗いて…
山崎さーん土方さーん?練習場使わせて頂きた…
練習場にマスクドライダー野郎が居る(鼻水)
いや正しくはマスクドライダー野郎3代目の変身前、宮外洋さんが居るでござる(鼻血)
出入口から半身を出したポーズで固まってる俺に宮外さんが「を、お疲れ様」と軽く会釈で挨拶してくれる。うわうわうわおおおお疲れ様ですイキナリ失礼しましたぁぁっ阿久津ヒロムと申しますです、最近入ったばかりですぅぅう生まれてきてスミマセンンンン
土下座せんばかりに挨拶する俺の後ろから山崎さんの声がした
「ただいまぁつまみ買ってきたよーン…あれぇヒロム君が居る?お疲れ様ー。あ、ビックリした?」
振り向けば、両手にパンパンに膨らんだ買い物袋を持ってる山崎さんにお酒の一升瓶4本も抱えてる土方さん。
ビックリなんてもんじゃないですぅぅぅ。何故にっ何故に宮外さんが此処に居るんですかぁぁあ!?
「個人的旅行のついでに暇潰しと陣中見舞いに」
「良い酒は修羅の国に限るねー」とにっこり笑う宮外さん、聞くと無類の酒好きだそうで…そのまま練習場で酒盛りやるって事で俺もジュースで参加です。練習場にブルーシートひいて、おつまみ袋からひっくり返して紙コップにお酒注いで…「夏は冷酒も良いけどロックで飲むのも良いよ、覚えておきなさい。」なんて笑顔で真正面に伝説級が居るぅ、正座が解けない絶対解けない。
「確かに美味しいけど薄まる分大量に飲めるからでしょー?ほらアイスペール置いとくから各自手酌で。」「いい年齢なんですから程度と限度をそろそろ覚えて下さい。はい、チェイサーの水も。」
「んじゃ乾杯ー」と何だかよくわからない酒盛りが始まった。一頻り近況報告と身体の不調自慢?中山家のネタの飲んでる薬見せて「もう殺してくれぃ」みたいな話。その間カッパカッパ飲んでる大人3人、この人達の程度と限度ってどの位なんだろ…。
「そうだ、ヒロム君は、色んな逸話とか伝説とかで神格化されてる宮外さんしか知らないでしょう?言っときますケド只の飲んべえですからね、この人。」
ジト目で宮外さんを睨みながら土方さん。
えー?宮外さんの伝説って言ったら『マスクドライダー野郎3代目』だか『五連者』のオーディションだかで「宮外洋だ」って名乗っただけで文句なしに抜擢されたりとか、ライダー野郎の撮影してる時に『解決スパーんと』の写真集持ってサインをねだってきたファンに『今俺は風見鶏四郎なんで。』って断ったりとかってカッコいいヤツ…。飲んべえって…何されたんですか宮外さんたら。
「あーアレは酷かったよねぇ」と遠い目をする山崎さん。何したんだろうと首を傾げると、2人は顔を見合わせ苦虫を噛み潰した顔で異口同音に答える。
『現場に行く途中で急に離れてって迷子騒動、酒買って笑顔で戻って来た』
「さすがにブローニイバンに乗ってもらう訳にもいかないから別の車でマネージャーさんに運転頼んで随行してもらってたらさぁ、急に曲がって居なくなんの。昔々の話なんでケータイもPHSも無い。
コッチが何処行ったーって焦ってウロウロ探してたらしれーっと戻って来て、見たら一升瓶2本抱えてニコニコしてんの。「いい門構えの店見付けたら良い発見♪」じゃないっての、もうっ。」
苦々しげにお酒を煽る山崎さんに続く土方さん。
「その日は前乗りだったんです、飲んべえですからそこは当然ホテルで酒盛りになるでしょう?
ですけど明日は仕事なんですから流石に抑えて飲んで下さいって言ったんですよ「うん、わかった」って返事してたのに、この人運転手以外全員潰して二日酔いのままでショーする破目になりました…。不徳のいたす所ですが私も…。」
「潰れる度にマネージャーがベッドに転がして寝かす様が…いやぁ面白くてねー♪」とクックッと笑う宮外さん。ををぅ何だかイメージが…
「それで聞いてよヒロム君!!ショーだけどさ!僕のつけた立ち回りが気に入らないって言い出してさぁ!」
「アイツ長官役で関係ないのにー!!」と俺に抱きついて嘆く山崎さんと飲むペースを崩さずジト目で睨む宮外さん。
「お前の立ち回りはレッドが弱く見える、ヒーローが弱くてどうする」「弱いんじゃないの!ピンチに陥ったダケなの!」「レッドは絶対だ。」「ヒーロー=完璧超人の時代じゃないんだよっ!」…俺挟んで喧嘩しないで下さーい、あ チータラ美味ーい。トースターで炙るとカリカリになって美味しいんだよなー、チーズが溶けて変化する時ちょっと焦るけど。
「大体っ!人質になる長官役だったのにさぁ、立ち回り変えて何でレッド差し置いて長官が銃でトドメさすって何!?駄目じゃん主役レッドじゃん銃でやられちゃう怪人なら人質になる前に長官だけでショー成立するわぁぁぁぁ!!!!」「長官の衣装モノホン持って来てやった俺にお礼も無しか!」「あぁぁあの時はホントにありがとうだったよこんちくしょうぅぅううう!!」
あ、飛び掛かって行った。笑顔で対応してんなー宮外さん、明日はどっちも二日酔いかなー。
「いいえ、宮外さんはケロリとしてますよ絶対」と、土方さん。まだ目が据わってるから潰されたの根に持ってるんだろなー、そう言えば宮外さんと山崎さんってどんな関係なんですか?
「あー、知りませんでしたっけ?
山崎さんはマスクドライダー野郎3代目時代に、テレビによく怪人役で一緒に仕事してて友達同士なんですよ。友達ってコネ最大限に使わせて頂いて、仕事依頼する時もあります。
酒寄越したらなって応対して頂けるレベルの悪友?的な関係なんです。」
響きは素敵なんだけどなぁ、目の前は酔っ払いのオッサン2人がじゃれあって酒かっ食らってるんだよなぁー。
「ヒロム君はあんな風になっちゃ駄目ですよー」と頭撫でる土方さんに気付いた2人が俺達を巻き込んでわちゃくちゃになったのは言うまでもない。うぇぇぇええ全員酒くしゃーい。
「ヒロム君、東京に遊びに来た時は我が家においでねー☆」
…修羅の国の住民にリップサービス通用しませんからね!言質とりましたからねっ!