四方山話 クリスマスイブだぜ特別編
イブなので番外編って事で☆みんな幸せになぁーれ( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆ちなみにうちの今晩のメニューは「皿うどん」です。
じんぐっべーじんぐっべー鈴がぁー鳴るぅーここはー日本だー風ー呂入って寝ーろっ♪
全国の「今夜はクリスマスディナーを予約したよ…君の瞳に乾杯」なリア充カップルどもめ、箪笥の角に足の小指ぶつけてしまえ☆な、阿久津ヒロムでぇっす☆
クリスマスイブですよ、こちとら冬休みなんでショー三昧ですよ。アハー。いいんだ、子供達の笑顔があれば俺には何も………。
嘘んこです、彼女が…彼女が欲しいとですぅっ…。
めうめう泣きながら倉庫で独り寂しく衣装を干す俺…何せ今日は「マスクドライダー野郎車と遊ぼう」の現場、玩具売場で超DX変身ベルトセット(抱き合わせ販売なので超高額)を予約して受け取りに来たお友達と記念撮影大会。場所も玩具売場なので音響も無いし、スタッフは店員さん。なので本当に独り現場。…玩具買ってもらってヒャッハーなお友達とニコニコな財布係……寂しくなんか無いやい。来年は幸せになろう、きっとなろう……てかなれねぇと割りに合わねぇ。
そんなブツブツやさぐれてる俺に、事務所の通用口からヒョイと顔をだしたのは近藤さん。おーつかーれさーまでーす、近藤さん今日は電話番でしたっけ？
「ヒロム君ちょっといい？現場お疲れ様、あのね…今夜…て言うか今から暇…なのかなぁ？」
思わず「マスクドライダー野郎車」の面を落としてしまった俺は悪くない、きっと悪くない。
こっ 近藤さんが俺をナニカに誘ってる!?えーとえーと…上気した頬、潤んだ瞳、時折モジモジしながらの上目遣い…歳上の女性、かわいい、可愛い、超可愛い、先輩達が女性扱いしないのが解せぬ位に可愛い。
えっと…とっ…特に予定は無いですけどっっ？
声が上ずりながらも返答する俺に「えっ…と、お願いがあるの…」なんて言いながら近付いてくる近藤さん。おおお俺に出来る事なら何だってさせて頂く所存、何なりと申し付けて下さい。
女性に恥をかかしちゃなんねぇぜと紳士モードチェーンジな俺、そんな俺に勇気付けられたのか、近藤さんが俺の手にT字カミソリをきゅっっとっ！
……T字カミソリ？
「急遽現場に入って欲しいの、今すぐ全身のムダ毛剃ってきて☆」
デスヨネー☆でもムダ毛剃れって…何の仕事で…。
「この場で私に剃られたい？」
ハーイ、イッテキマース☆ダッシュでその場を逃げ出し浴室へ。
脱衣場には虚ろな目をして全身ツルツルな斎藤先輩がいました、先輩お前もかっ(涙)
にしても何故にムダ毛…？兎にも角くにも全身トゥルトルピッカピカになって事務所に戻ると…あ、土方さんに山崎さん。まさかお２人もトゥルトル？
「トゥルトルはヒロム君と斎藤だけよ。
現場先はデパート小丸の吹き抜け広場特設会場でブライダルファッションショー。
頼んでたモデルさん達が急遽来られなくなっちゃった穴埋めに[月光セーラー姫戦士]のメイン２人でカクテルドレス等々数点着て貰うのでヨロシク☆」
………へ？ブライダルファッションショー
えーとえーとつまり、ドレス着て面だけ被ってランウェイを歩いて来いと？プロのモデルさんに混じって？「大丈夫、全身タイツも着るわよ。コスチュームと手袋が変わるだけと思ってくれてOKよ。」
いっ…嫌じゃあああぁぁぁああああああ!!何故に俺と先輩なんですかっ!?「んふー、私もエスコート役で出ますから安心して下さい。」じゃないですよ土方さんっ!!てか男役かくっそう安定のイケメン位置だな!!「僕も音響スタッフで行くからさぁ」じゃねぇよ山崎さんっ、あんたにゃ聞いてないっっ！そもそも近藤さんが入れば後は先輩で充分な訳でぇぇええー！
「仕事でウェディングドレス着ると婚期遅れるじゃない」
…ハーイガンバッテイッテキマース。頭蓋をにっこり掴まれれば成す術が無いですぅ。
「ヒロム、頑張ろうぜ…漫画とかでファッションショーの裏側ってモデルさんが次の服着るのにガバッと脱っー」
あはははははーいらん事言う先輩の頭を大魔王様が笑顔で掴んでるでござるぅううう「馬鹿ですか阿呆ですかすみっこで壁側向いて着替えるに決まってるでしょうが」
うふふふふーそんな訳で「とっとと行って来いや」と事務所から叩き出されて４人でデパート小丸に来てまーす☆
小丸の吹き抜け広場にはクリスマスツリーがキラッキラ、夢心地カップルがアッツアツ、俺等寒くてガックガク☆いや、俺と斎藤先輩だけがガックガク。
ちくしょうその上着寄越しやがれなさい独りモッコモコで暖かそうな山崎さんめぇぇええ。
うををををぅ、吹き抜けがっ吹き抜け構造が憎いッ☆ビル風がぐぉんぐぉん通ってて体温削られまくりなのに、二の腕誤魔化しのショールのみが防寒具代わりって無茶ぁぁぁ(泣)
そしてドレスが高額っぽくて違う意味でもガクブルでござるぅー。
寒いんじゃい土方さんで暖を取らせろコンチクショウ、と目線を送ってガッツリくっついてランウェイを歩いたら、カップル達には「初々しい花嫁さんな姫戦士」に写ったらしく好評だったと後日小丸クライアントに喜ばれた。
「んふふー、ヒロム君。何だかんだ言いつつも、ちゃんとキャラクター目線だったのは誉めてあげましょう。しっかりと教育が体に染み込んでますねぇ。」
ちっくしょう何かちっくしょうorz
