第24話 ゴールデンウィークお疲れぇっ!宴じゃぁぁぁ
そんな山崎さんの絶叫で乾杯です、コンバンハ阿久津ヒロムですシティホテルの立食パーティーな大宴会場から御送りしております。
怒濤の5日間が過ぎ…皆平穏な日々に一息ついた…矢先に呼び出された所は
「ゴールデンウィークお疲れちゃーん会」なる宴、働いたバイト全員ご招待&会費0で驚いたら
「これでも修羅の国ならトップクラスな会社だからね」
と、どや顔の山崎さんと
「毎年予算ギリギリデスケドネ、主ニアナタノ呑ミ代デ」
と目の据わった土方さんが居ました…キョワーイ。
え、と…総勢は確か20班位居たから180人!?あ、俺達みたいに途中で別の班に別れたり2人だけの班もあったから…、それでも軽く100人は居るんだね…。
地元の祭りかーって位の人数に目を白黒させていると、「それでも新人は毎年数人しか残らないんだよねぇー、イイコいっぱいいるんだけどなぁー」と苦笑いする山崎さん。
「だからヒロムくん、今日頑張ってよねぇー☆」
うんうん頷いて2人は他の班の元へ去って行った…今日?頑張ってよね?昔…オカンが言っていた、タダより高いものはないと…。
心臓に亀の子束子金属版位の毛が生えてないなら、タダで何かしら貰ったりした時点でもぅお前はライオンに首元アグアグされて涙目でプルプルしてるカピパラさんなのだとー。
ねぇ先輩っ!嫌な予感にオカンが悪寒なのでもう帰るーーー
バチョンッ☆
時は遅しと何か間抜けな照明を落とす音と、また厄介事に巻き込まれたんだろうなと俺の膝を付く音が重なったのであった…。
いつの間にか出来てたステージに眩いスポットライトライトがスパーン、その先には鎧武者姿の山崎さんがドーン、満面の笑みでドーン。
わぁー6文銭の大河ドラマですかねぇあの赤いヤツー、うふふー思わず敵に塩送った方に初めて対面した時のあの人の幼少時代の名台詞が脳裏をよぎりますー。知ってる?じゃあみんなで言ってみようか、せーのっ☆
わしはこんなトコ来とうはなかったーーーーー(絶叫)
脳内大河ドラマで幕府開こうかって間に、我が身はステージ上へ運ばれてました。
どうやらゴールデンウィークで仕事デビューした人達の紹介とインタビューだそうで…。
「[電子怪物大冒険]班の大野くーん、どうだった?やってみて。」
「えっと…出捌けで蹴躓いちゃって…笑われました。」
「[チーム人魚姫ソングバトル]班の山南さんはー?」
「ダンス覚えるの大変で…、でも間違い無く踊れてたので良かったですぅ。」
次々と照れ臭そうに、でもどこか誇らしげに感想を述べる新人さん達。
「でーは最後に[空手戦隊獣神者]班の阿久津ヒロム君ー☆どうだった?」
俺は…スタッフで、皆のサポートで…ちゃんと出来たか自分ではよくわかりませんでした。
「その後[ペーターラビッツ]入ったケド感想ドゾー」
あ、…初めて着ぐるみ入ってなんだかんだでテンパって無我夢中で、獣神者で見た先輩達の演技には足元にも及ばなかったと思います。
…でも、凄く。
凄くドキドキしてワクワクして楽しかったっ。もっと、もっとアレやれば良かったとかこんなのやってみたいとかが後から後から浮かぶんです。
俺の言葉に同調してくれる新人さん達、そんな俺等を見て山崎さんは満足げに話始める。
「その経験は頑張りは… いつか目に見えた役にはたたなかったとしても、心の、人生の、何かしらのプラスにきっとなります。頑張った自分を誉めて下さい、誇って下さい。
ゴールデンウィークどうも有り難う、お疲れ様でした。」
会場全員から拍手。先輩達から新人へ労りのー、新人達から先輩へ感謝のー。
全員への有り難うの拍手。
俺やって良かったって心から思った、視界が滲んでって山崎さんがボンヤリに見える。
「ー…てな訳でもっとこんな経験したい人ー☆夏休みの現場がみんなを待ってるぜぇー!来月6月は夏期体力強化月間としまーーす、みんな来てねーン☆待ってるわ☆」
…涙引っ込んだ。
難産&小っ恥ずかしい回でした…何言わせたいのか言いたいのか…ニュアンスでもツタワレー☆ウフフー(逃走)




