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第3話:俺ヘタレでした。

あーうーうーーでもなーだってなーやっぱさー。


    

…あー部室からこんちは阿久津ヒロムですー、只今無料バイト情報誌片手にスマホ握りしめて机に突っ伏しておりまするー。


えっとさ、皆さんバイト先に面接予約の電話ってスパッと出来ます?…俺出来ないみたいっす。


だって向こうが多忙時だったりーとか、既に募集なんてしてねーよ何言ってんのハハンッとか、男じゃねーよ女の子欲しいんだよこっちはとかって対応されたらーって考えたりしない?


イヤイヤイヤイヤ確かに法律でその類いの募集方法って禁止にはなってるケドさぁ、B軍所属の人間って人のマイナスな感情読み取るのワンコの嗅覚並みに得意じゃん。


「バイト募集と聞きまして」


「あー…そうですねぇ、では…」


ココ!この「あー…」の「…」の部分!この部分に色々な感情が見え隠れしてるのを見逃さないのですよ!もー、逆に困るんだよねー!『女性が活躍している職場です』とかの表現も!野郎は駄目なの!?いいの!?


尚且!万が一採用されたとして!ガラスな商品割っちゃうとか、消毒の仕方が足りなくて食中毒出しちゃうとか、発注ミスってとんでもない量のうまか棒届くとかぁぁぁぁうわぁぁぁぁーーーー



…な放課後をここ最近過ごしております。もうすぐゴールデンウィークだから稼ぎ時なんだよなー、でもやっぱり企業側としては即戦力の使える奴欲しいんだろうなー。


頑張って頑張って勇気出してやっと応募したティッシュ配りのバイトは会員制の大人なあっはんうっふん電話倶楽部のダミーだったし…、名乗ったじゃんよヒロムって男名じゃんよ高校生だって言ったじゃんようぅぅ(泣)


集団面接で大学生のお姉さん達が時給の高さに食らいついてたのはビビった…女の人って強いぜ、なんか無理矢理大人の階段1歩上がらされた気分でっす…。


くっそぅあの怪しい会社警察に踏み込まれてしまへのお呪いかけながら、結局電話を掛ける事も出来ずウダウダと今日と言う日は終わっていくのです。あー夕日が目に染みるーそろそろ帰ろっと。


…そう言えば斎藤先輩最近部活来ないなー、何してるんだろう?バイトとかしてんのかなぁ。紹介とか友達と応募とか付き合ってくれないかなぁ。


…明日発行される求人誌には何かいいのあるかな、今度こそ頑張って電話しよっと。


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