第20話 棒に振ってみないか。
他の班も続々帰って来て片付けでごったがえしている中、倉庫でひたすら衣装に消臭剤噴ってます阿久津ヒロムでーす。
コレをしっかりやらないと洗えない衣装は内側が……。
「[ビーンジャムブレッドン]なんか昔からあるから[ウィルスン]はリアルウィルスンなんだぜぇ。
元は真っ白な裏地が、黒の点々がみっっちりと主に股間部分に(泣)後は衣嚢怪物のピッカリチュウも、黄色のモフモフズボンの裏はとんでもない事に…。」
「だからこそ下に着るのは長袖十分丈スパッツなんだぞ阿久津、嫌だろう?いくら消臭除菌されてるとはいえ××年洗ってない衣装着るの。」
と、顰めっ面な芹澤さんと斎藤先輩がブーツがびっちゃびちゃになるまで消臭ってます。逆にカビるんじゃないかなーソレ。
洗える衣装のスーツと内面は洗濯機へ、色分けてして洗わないととんでもない事になるらしい。
「桃とか黄色は色分けでどっちなのか迷うよねー、毎年連者モノ始まると何色か気にしちゃうー。」と、近藤さん。
色落ちとか色移りした衣装ってどうなるのか聞いたら、「土方さんが……」とガクブルしてた。
「んふーお疲れ様でした、阿久津君。」
ををぅ噂をすればご本人、近藤さんが挙動不審でちょっと可愛い。あ 芹澤さんが距離を取った。やっぱりトラウマなんだろな…。
「明日の現場の話なんですけど…」
…
……
………ぱーどぅん?
えーと、俺3日間だけって話してましたよねぇ、え?オカンにスケジュール聞いて許可は得てるんですかーそりゃあ保護者がオッケーならオッケー…☆
な訳あるかぁぁぁあ!!!!
俺の!本人の許ー可っ!基本的人権とか大事な物が足りてないでしょうがぁぁぁ!!山崎さぁぁんっ!!言ってましたよね!?ゆっくり考えてみてよって!
「あれから時間たったじゃーん☆」って、たかだか1時間じゃぁぁぁぁこのおとぼけ狸親父ぃぃぃい!!!!
「え?今から探すのも中々難しいですし、「息子はどーせごろ寝して過ごすだろうから、存分にどーぞこきつかってやって下さいまし☆」ってお母さんが仰ってましたが。」
おのれマダムキラー土方さんめ、オカンを味方にしやがった!!いや探してくださいこんなに大人数なら必ず空いてる奴は居ます、俺は残りのゴールデンウィーク怠惰に過ごすと決めてるんです。
「んー。じゃあ探しましょうか、居なかったら阿久津君なので諦めて下さいね。明日スケジュール空いてる人は挙手をー。」
倉庫内全員示し合わせたかの様に明後日の方向向いたでござる、コンチクショウめイジメかコレがイジメってヤツか。
「と言うかですね、ゴールデンウィークは全員マックスにスケジュール押さえられてるもんなんですよ。
リアルに阿久津君しか居ないので協力してくれませんか?安心して下さい、私と一緒の現場ですからね。」
むしろ不安と嫌な予感しかしませんが。
「んふふ、明日は着ぐるみ着て頂きますんでよろしくお願いします。」
…拒否権、俺に拒否権と言うモノを下さい…。
事務所裏で先輩を散々踏みつけてやりましたが終始先輩は笑顔でした。
「阿久津は押しに弱いからこうなるとは思ってたんだよねぇ、ま、無線部に入った時点でもう遅かったのさっ☆どーんまいっ☆」
ちっくしょおおおおおおおぅぅ俺のコンビニバイトでリア充計画がぁぁぁあああ
平穏な人生がぁぁぁあああ(泣)
あっれぇ、ゴールデンウィーク編終わったハズが…。えーとゴールデンウィーク前半3日間編終了って事にしといて下さい。てへぺろりん☆




