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第16話 続続々 初めてのバイト初日っ いざ俺出陣

『おのれ獣神者めぇ、我がやられようとも 人々の欲望のパワーはまた第2第3の…』



ステージ裏控え室よりお疲れ様です阿久津ヒロムです、そろそろやられ怪人がトドメをさされて帰ってきます。


ショー中はひたすら出入り時にやられ怪人の角が引っ掛からない様にテント幕をあげたりさげたり…、でもそれも次で終わりでいよいよ俺が本格的に働くサイン会&撮影会です。


えーと、やられ怪人帰ってきたら後ろのチャック開けて衣装を頭部から肩口まで出してあげる…と。


着替えの時に怪人衣装も見たケド、あんだけゴツい衣装だとそこまでやってあげないと自分で脱げないのは納得。しかもブーツとか手袋とか無い全身一体型だったし。


怪人はこの一体型タイプが主らしい。コレ着て5人と戦うって大変だなぁとしみじみ見てたら、やっぱり新人とかデビューの子はあまりキャスティングされないんだそうだ。うぬ、俺に演れって言われたら笑顔で逃げる自信があるねっ☆


あ!帰ってきた。


タイミング良く幕をガバッと上げた所を、怪人がやられながら走り抜けてテント内へ。


「テントに捌けて、お客さんの視界から消えるまでが演技だから出捌けの邪魔になる動線上には居ないようにね。怪我するよ。」

ってショー前に新見さんから注意受けてたけど…うん、みんなテント壊すかの様な勢いで駆け込んでくるから超怖いでっす。


山口さんお疲れ様です!と声を掛けながら普通の服の3倍はでっかいチャックをにょーんと下げて、ポテチの袋をパーティー開けするみたいに衣装を開くとTシャツぐっちょり真っ赤な顔した山口さんが「ぶはぁああっ」と顔を出す。


山口さんは、着替えた後はスタッフ参戦するそうだ。でも脱がした瞬間に衣装から噴き出した汗の蒸気に超ビビる。蒸気見えるなんてお風呂でもないと見えないのに…。

「水分取らせてねー」と笑ってるけど無理させないように俺が頑張らなきゃ。



最後の決めポーズ終わってヒーローの5人帰ってきた!こちらはサイン会の準備が整う僅かな間に面を外して水分補給して小休止、早く休ませてあげたいからサイン会撮影会を手際よく進行させるのがスタッフの腕の見せ場なんだって。


俺は先ずステージ前に敷いてたブルーシートをひっぺがす為にお客さんに移動をお願いする係。


はーーい皆靴あるー?忘れ物無いー?あ、ハンカチの忘れ物…MCのお姉さーんコレお願いしまーす。


ステージ上に長机&パイプ椅子セットで赤獣神はサイン会。同時進行で、グッズ販売色紙バッチお釣り銭に販売スタッフ山崎さん準備オッケーっと。サイン会の間残りの4人はステージ下で握手したり撮影したりフリー行動、周りを囲まれちゃうから近藤さんのくれたアドバイスを忘れない様にしなきゃ…あとあとえーーっと?


ちょっと不安で足元おぼつかない感覚でクラクラしてる俺に、まるで「気合い入れんかぃ」ってカツを入れてくれる様なMCさんの声が響いた。



「じゃあみんなの大きな声でステージに出てきて貰おう!いくよっせーのっ☆」




「「「「獣神者ァー!!!」」」」




よしっ!阿久津ヒロム頑張りますっ!







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