第2話:4月某日
進め大空地の果てまでもー俺の拳にたぎるぜ野生ー♪解き放て勇気を力に変えてー今こそ目覚めの刻ーーーぃ♪
『空手戦隊獣神者』OPをBGMにコンニチハ阿久津ヒロムでっす、只今部活動中でございます。
あれから無難に入学式・オリエンテーリング・歓迎遠足をこなし、高校デビューなんて考えも無くクラスのモブとして過ごしております。
はっはっは、クラスのA軍は御多分に漏れず野球部員な短髪日焼けの眩しい野郎達だぜぃ。…しっかしA軍の女子って、何であんなに見た目ちょっと崩れ目のナンチャッテ不良1歩前みたいな感じの人達なんだろ…。
前髪ぱっつんおさげ&眼鏡のツンデレ委員長とか初代『どっきどきメモリアル』のヒロインみたいな完璧超人志織たんみたいな人とか居ないもんだなぁ…。
「部活動はやっとくと履歴書に書けるから有利だぞーぃ」と担任が言うので、部活参加が義務付けられて無くて楽そうなヤツーーー『無線部』に入部。当然の事ながら運動部とか欠片も見学に行かなかったぜ☆高校になると全国大会に命削りまくりで目指すからブラック企業にしか見えないんだよなー野球部とか野球部とか特に野球部とか。
さてさて、無線部に話は戻して…気楽☆先輩1人しか居なかったから超気楽。「部」と言うよりは「同好会」で、活動って主に何するんすか?って聞いたら特に何か決まってる訳じゃなくて各々テキトーにそれっぽーい事やってるって言うので只今先輩&一緒に入った奴らでノンベンダラリとババ抜きやってまーす。
そうそう、先輩もやっぱりオタクでした。類は友を呼ぶってこの事ですな。たまたま先輩の鞄に付いてるアクリルキーホルダーが目について「…あ、『マスクドライダー野郎・熱帯雨林アマゾンぬ』だ。」なんて呟いたら「知ってんの!?」って食らいついて来たでごわす。アマゾンぬって密林ビデオのサービスでしかやってない知る人ぞ知るって感じだからねぇ、思わず「顔近いっす先輩。」と顔を掴んで押し返したら「ほほぅ、マスクが無い時のマスクマンの顔の隠し方だな。プロレス好きか。」なんて、あっという間に気に入られてしまった…。なんか地雷踏んだ感はあるけど今んトコ平和☆
先輩は戦隊とかマスクドライダー野郎なんかの所謂特撮好きで、部活中はお勧め戦隊の音楽集流してる。おかげで粗方そらで歌える様になったし、毎週日曜スーパー英雄時間も見る様になった。
月曜日に、あのシーン笑ったとか女幹部のアクション凄いとか話すの凄い楽しい。ただ先輩はアクションとかポーズがどうとか…、話の内容は2の次なんだよなぁ。
ーコレがリア充の心境か、女の子混ざってないから爆発しないよねぇ~と平和を満喫しておりまする。
そろそろ学校にも慣れたし、アルバイト探してみよっかなー♪っと考えながら先輩から引いたトランプはジョーカーだったでござる。こんちくしょう