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第85話 来年は色々幸せになると良いねで鬼大笑い

「沖田様による前回のあらすじ☆

鍋つついてグダグダ駄弁って、コロナ騒動で地獄の商店街からの依頼がポシャってキャンセル料(著作権料)だけ巻き上げたぜイェーイ♪と社長の問題発言、ーーお酒って怖いね☆」


沖田さん的確すぎて作者がウンウン唸りながら捻り出した文章がかわいそすぎの大笑いです、そんな沖田さんの部屋から第2戦目のおじや作りを始めようかなーって感じの阿久津ヒロムでーす。


ーで、地獄の商店街なんて渾名が付く位の現場先ってなんなのです?先輩知ってます?


おじや作る前に、器にお握り入れて鍋汁ぶっかけタイプで食べてる先輩に話を向けると、暫く首を傾け考えてたけど「知らね」と左右に振る。まぁ先輩も俺の1年前デビューだしなぁ。


「ねぇヒロム君、修羅の国の最危険地域って何処だと思う?」


えー?最危険ってここですよね。何せ「村雨組じゃああ金取りに行くから用意しとけぇぇえ!」って脅してくる電話に「おとーさーん、この辺に村雨組ってあったっけー?」「そんな名前の組修羅の国には無い。何処の誰に電話かけてんのかわかってんのかソイツ、ちょっと電話代われ。」が、俺の幼稚園の頃の記憶にあります。うちのおとん何様説です。


鍋に突っ込んだお握りを、お玉で潰しながら答える俺に苦笑いながら土方さんが食べ尽くしたアイスの容器を片付ける。うぬココナッツアイスって意外と美味でした☆今度買いに行こっと。


「表向きはこの地域ですけど、最恐はもうちょっと奥の炭鉱だった地域って言われてますよね。」


あぁ…令和になってもボンタン短ランカッコいいで北修羅州の成人式が毎日当たり前なヤンキーが覇権争いをしてるあそこ…。


「で、その地域の商店街が夏祭りになると必ず『喋りショー』を依頼してくんの。初めて行った時はー天照戦隊竈王神だな、俺ボス・今はもう辞めた鷹野が赤鷲・井上と松原が戦闘員か。スタッフ山崎さんだったよな。ミニショーだったから蒼鮫と黄豹は無しで。」


俺に卵と冷凍ネギを渡しながら沖田さん、せめて卵はかき混ぜといて下さい。あ、やっぱそのまんま落としたヤツと溶き卵とどっちも作ろ☆


「うん、僕も居たよー。ステージ進行役が居るからMCさん要らないって言われてたのが救いだったよねー。」


鍋にネギをパラパラしながら山崎さん。あ、ネギは微かに存在する程度で良いです、残りは各自の器でご自由にして下さい…、最後に蓋をして少々待つ。ーで、その喋りショー何が起きたんですか?




「「ショー中に爆竹投げ入れられた。」」



ー…何その全員モヒカンに違いないヒャッハー無法地帯。

蓋を開けてふわふわ卵と温泉卵のおじやを給食当番の用に各自の器によそって、ハイ2戦目いただきまーす、みんな腹はだいぶくちくなってるのでまったりまったり。お出汁きいててうまうま。


「えーとね。ステージで喋りショー2回と間に商店街パレードしてサイン会物販無し、トラックステージで高さがあるからお客いじりも無しって依頼。まぁソレだけ聞くと楽な現場みたいでしょ?で、沖田君が『この商店街は俺が占拠する、ここから世界征服の始まりじゃぁあああ』って出ると拍手喝采」


拍手喝采…?


「うん、逆に『そうはさせないぜっ☆』って赤鷲が出てきたら大ブーイング。紙コップ、焼き鳥串、トウモロコシの芯等々…手に持ってるゴミと言うゴミを投げ付けられちゃってさぁ…。調子にのったヤカラに爆竹投げ入れられて1回目はそこで史上初のショー中止。びっくりしちゃった☆」


しかも串はダーツみたいに投げてくるんだよーとケラケラ笑う山崎さん、えー…そんなんだと商店街のパレードってー


「ステージが商店街の東口にあって、西口まで()()で歩いて行ってそっちで昼食食ってくれって要望。で、悪役がステージ裏から出ると握手だ写真だでモッテモテ☆赤鷲は味方な筈の小さなお友達からも蹴られるわ小突かれるわカンチョーされるわで青息吐息。」


「あ、聞いた事あります。昼食を衣装着たまま食べさせられた伝説の現場ですよね。」


ををぅ土方さんが新しい情報ブッコンできた。


「そ、西口までパレードで移動したら流し素麺やっててそこを仕切ってる担当のおっちゃんが「あぁ話は聞いてる、昼飯コレだから」って箸と器を()()()()()()の僕らに渡してくんの。いやいやいや一旦控え室で着替えますから何処ですかって聞いたらまさかの「東口」。とにかく今食えって言われるし、周りも「食ーえ♪食ーえ♪」ってどんどんテンションあがってって何かいやーな空気になってね…。安全面を考慮して面を外す許可を出したの。外した時のテンション爆上がりも怖かったケドね。」



……苦渋の決断ですね。



「まぁねー、1番最初に教える1番大事な事じゃない?人前で面を外すな子供の夢を壊すななんて。でも演者を守る方が大事☆」


「ま、そんな空気で食べれたもんじゃないから10分程度でとっとと控え室帰ったけどね~。」とヘラリ笑いながらおかわりおじやの入った器を受け取る山崎さん、……たんと食べて下さい山盛りにしましたから。はいはい次は沖田さんっとー


「ーで、鷹野が「もう赤鷲演るの無理」って心折っちゃってさー☆2回目は俺が赤鷲演る事にした。『この商店街を支配するのはお前じゃない、この俺赤鷲だぁぁぁぁあ!!』ってヒーロー闇落ちバージョンで(笑)」


…それは番組的にやっていいんですか


「ホントは駄目だろうけどまだ色々ゆるゆるーんな時代だったからね(笑)でも逆に気に入られちゃって、その年から毎年呼ばれる様になったのは誤算だったねぇ…次の年からは昼食はこっち出しにして断ったケドね。」


「まぁ数年後にまた爆竹投げ入れられたんでそれ以来断ってた筈なんだけど…山崎さん何で受けてんの?」


「…ソレを見て育った商店街のまとめ役の息子さんの就職先がデパート小丸な上にイベント担当者になっちゃっててねぇ…ぐだぐだーんな感じで。」


あぁぁあ横の繋がりの嫌な部分のやーつ…


「ま、商店街は中止になったし小丸もイベントって言ったら期間限定ショップとかテーマ決めたお弁当フェアとかで我が社を使わなくなったし☆担当者変わるまでは遠くから生暖かく放置プレイかなー、前の担当者さんとの付き合いで受けてた現場だから他社に取られても別にいいし。取引相手としてネーミングバリュー的に箔が付くってだけであんまり旨みは無い現場だしねーだいたいさぁあそこの機材設置がー「はいそこまでっ!!」」


大人の本音モレモレ決壊な山崎さんにガクブルしてたら、笑顔の土方さんがビール含ませて頭ぐわんぐわん回して…あぁぁぁキュウって落ちたぁぁぁあ!「それ以上は表に出すと色々アウトな内容ですからお口バッテンのコナインチェですよ☆ヒロム君」…はーい。


「ーまぁコレで今年1番ストレスMAXな山崎さんのガス抜きも出来たでしょう。まだまだ年末年始どうなるかわかりませんけど、全員スケジュールは空いてて動けますよね?」


らぢゃ、帰省はご時世的にやめとこうっておかんが言ってたので何時でも何処でもOKです。


俺の言葉に賛同する頷きを返す先輩、…てか先輩まだ食べてるんですか、確かに鍋底の焦げた部分は美味しいですけど食べ過ぎじゃないかと。


「まぁ精々やっても○○と遊ぼうとか撮影会位だべ?究極、衣装のずた袋担いで電車で現場まで行けば独りでも何とかなるしなー☆」


「了解です、ではとにもかくにも目下の目標は会社の存続と目指せ日常通常普通の日々と言う事で。立ち回りの練習も正月過ぎ位には復活の予定です、窓全開でやりますから風邪ひかないように自己管理をお願いしますね。こんな時だからこそ各々頑張っていきましょう。」


うっし!了解!と全員笑顔で返事したら「ではそんな全員で、正月はDreamtown修羅の国店で中国風獅子舞やりますから各自獅子舞の動き研究しといて下さい。配役どうしますかねぇ…。」なんて速攻で予定押さえられるとは思わなんだでござる…。





このメンバーだと確実に下半身にキャスティングされちゃう…、獅子舞は幼児に泣かれるし下半身役は中腰のままで上半身にずーっと振り回されがちでシンドイでござるぅぅうう。せめてジャンケン…ジャンケンでキャスティング決めましょうぅぅっ!あぁぁでも獅子舞は上半身だと顔が見られちゃうから地元のDreamtownだと友達に見つかりそうだし究極の選択ぅぅううう!!!!






































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