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第84話 激動の今年を締めくくろうぜのこじんまりとした宴

……ただでさえどこぞのスーパーマーケットが買収だのなんだの大人の事情で一緒くたになった時に「いい機会だからイベント系を見直す事にした」なーんて事を言い出して。


お陰様でイベントと言えばご近所のダンスクラブチームのちみたん達の発表会とか、近くの高校の吹奏楽部の演奏会とか、フリーステージでアマチュアバンドとか、壁に落書きアートのその場でライブ披露とかワークショップで地域の職人さん達のご指導で簡単な小物作っちゃったりしてキャッキャウフフで親子でほんわか☆とか。


『地域密着あんまり予算のかからないイベント』が主流になって来た昨今!追い討ちをかけるかの如く!おーのーれーコロナウィルスのあほんだらぁぁぁぁあ!!!!!お前のせいでイベントのイの字も無くて結構な人数辞めてっちゃうわなんやらで!今我が派遣会社は山崎さんがホームページで「剣殺陣やってみませんか?」的な教室開いて細々と小銭を稼ぐ活動する位になっちゃったじゃないかぁぁぁぁぁぁああ!!!!!


な ん て☆


すっかりグチグチと愚痴っぽーい阿久津ヒロムでーすよーぅ、まぁコロナの所為でイベント業界リーマンショックブラザーズです。仕事どころか練習なんかも開店休業状態なのでみんなも他のバイト始めたりで結構バラバラになっちゃいました。

何とか緊急事態宣言も終息気味なんですが、まだまだ厳しい時代でござりんす。



な の で☆



「この時期をどう乗り越えていくか集まって色々話し合おうぜー、俺ンち集合~☆各自何か持ってこいよ。」



最後の1文に疑問を抱きつつ、おかんに持たされた山盛りの新米のおにぎりを手に沖田さんの部屋へ来てるんですが…。えーと何持って来たんですか皆さん。


「現場で使って余ってた紙コップ山程とお茶☆大人用に僕ンちでキンキンに冷やしてたビール☆ツマミはやっぱりスルメにチータラが最強だよねぇ♪」


「心配になる位に安価で大量の豚肉です。後、業務用横流しスーパーで不思議と美味しい77円の鍋汁。鶏白湯が私のオススメです。」


「ドラッグストアで超安い豆腐5丁、1個19円ってどの辺で利を得てるか不安になるよなー。ついでにゴマまみれポン酢、姉妹品の玉葱まみれポン酢は俺が玉葱嫌いなので却下。」


「沖田様ってば1番大事な場所提供とコンロに鍋、食器。」



な ぜ に☆

何故に鍋囲んでの飲み会っぽくなってるんですか、沖田さん話し合いって言ってましたよね?


「俺は鍋をつつきながら色々話し合い(愚痴大会)って聞いた。」


「まぁ特効薬出来て、チョッとタチの悪いインフルエンザレベルになるまでは細々とやってくしか無いよねぇ~☆これを機にこの業界の在り方も変わるだろうし。」


「まあ初期の頃よりは落ち着いて、現場も他社と協力でとかローカルヒーローショーの助っ人とかの横の繋がり万歳で何とかやってけてる状態ですね。散ったメンバーも復帰出来る様になったら連絡下さいとの事で、早期退職者が出て少数精鋭になったと考えれば良いかと思います。」


「はい、この件は政治家の如く先延ばしの様子見って事で終了~。飯食おうぜ飯☆ヒロム、とっととその握り飯置いてお前も座れ。」


唖然としてたら目の前で皆してテキパキと肉鍋の準備が…………まぁいいか、練習もだけどゴールデンウィークも夏休みもシルバーウィークも現場が無くなっちゃってこうやって5人で集まるのも久しぶりだし、ー独りでツッこむのも疲れるし(本音)


色々諦めて万年コタツの一角に腰を降ろすと、紙コップに表面張力万歳な位なみなみとお茶を注がれ(嫌がらせ)て乾杯。野菜の無い男の欲望まみれの鍋を取り合いながら美味しく頂く。はー豚肉と米の口内調味はたまらんでござる、豆腐も肉と汁の旨味を吸ってなんぼでもいけるよね☆因みにアクはすくわない、アレも旨味のひとつなのである。


とにかく食欲を満足させる為にひたすらに食べて食べて飲んで呑んで第一陣は終了、小休止を経て残ってる豆腐ぐっちゃにしてお握りぶちこんでおじやの予定♪土方さんが買ってきてた業務用2Lアイスに、みんな直でスプーン突っ込んで貪りながら会えなかった時期の活動報告…先輩は今年受験なのでひたすらに家で勉強。


沖田さんは欲しかったゲーム「獣の大森林開拓~田貫支店長の野望~」を予約しそびれた位に外出自粛になり、大人しくゴロゴロと暇してたらおうち時間がどーのでフイットネスなゲームが売れに売れて品薄ってニュースを見てアレも欲しかったうまやらしいと不貞腐れてたら18年前に買って積みゲーにしてた「マーシャルアーツビート」の存在を思い出して昔のカックカクする画像で楽しく身体を鍛えてたそうだ…。


因みに俺は家業の米作り、…ジャンボタニシと稲を中側から喰う虫の大発生で米ランク落ちた上に収穫量4割減で来年の俺の小遣いも減…くっそう「君達がっ、滅するまでっ、僕は踏みつけるのをやめないっっ!!」とか某吸血鬼と戦うその血の運命な一族の坊っちゃんの様に頑張ったのに(泣)


「僕と土方君はひたすらに事務所業務、クライアント様には現場自体は無くなっちゃったけど料金から人件費さっ引いて著作権料だけは払って貰わないといけないんだよねー。いやぁ大変大変。」


ちょさくけんりょう?


「あー、簡単に言うと私達派遣会社って『著作権料(ショーをする権利)』を買ってるんですよ。因みに1作品年間50(現場)やらなきゃいけないノルマがあります、毎週日曜に1(現場)やったとして50週で約1年の計算です。」



50も?


「そ、うちの会社って今年の連者モノの『煌輝戦隊スパークル』の衣装3セットあるじゃない?なのでノルマは3倍」


…年間150


「繁忙期に足りないからって衣装レンタルする分はノルマは加算されないと言うありがた仕様です。」



「ノルマは果たされなかったらマイナス分はまるーっとうちの会社もちになるんで今年は大変大変☆あっはっはー♪来年にも響くしねー」



あぁぁぁ山崎さんがマグロ目で笑いだした、はいはい落ち着いてアイス食べましょアイス。クラッカーにのっけて食べると美味しいですよーはいあーん。はーい面倒なんで何も考えずにおビールどーぞおビール。


口にゴンゴンクラッカー突っ込んでモゴモゴゴクゴクさせたら目にちょっと理性が戻ってきた、流石天下のアイスクリーム様でござる。


「でもね、言い方悪いんだけど今回の自粛によるキャンセル嵐でちょーっと良い事があったんだ☆」


ほほう?

土方さんは一緒に事務仕事してるから内情を知ってるらしくお茶すすりながらうんうんと訳知り顔、他はキョトンと言葉を待つ。


「今年さぁ久々に地獄の商店街から夏祭りでキャラクターショーの依頼があったんだけど…無くなったの☆うふ♪」




ーーー地獄の商店街?…なにその世紀末ヒャッハー伝説漫画にも無さそうなネーミングの商店街。























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