第67話 毟りとった衣笠?いいえ昔とった杵柄です。
「小百合さんによる前回までのあ・ら・す・じ☆
山を越え谷を越え、私のホテルへやって来た一向は「我等のキング、山崎が貴女にと…」と、恭しく取り出した硝子の靴をっ♪」
「硝子の靴の踵で村上の頭をゴスッと…」
「土方さんは人のモノローグにまで入って来ないでよぉぉぉお!!いいじゃない夢位見させなさいよぉ、アンタ等の社訓でしょううぅぅ。」
…えー何時になったら話が進むのかメンドクサイ人が現れたなぁと溜め息な阿久津ヒロムですーもぅ帰りてぇ。
土方さんが村上さんを抑えて…押さえつけてる間にせっせとリハーサルの準備。
えーと、舞台の大きさがこんくらいだと…センターがココになる訳で。
目印代わりにラジカセ置いて…スイッチ入れたら直ぐに音が出る様にテープの余白部分を先に巻いて差し込む…っと。衣装袋から小道具取り出して各自の出捌け側に置いて…。
土方さーん!ビーンジャムのリハーサル準備出来ました。
「はいご苦労様。
村上、いい加減に仕事しなさい。」
そんな台詞と共に打ち捨てられる村上さん、…何か可哀想で残念な人なんだな。村上さんはブツブツ言いながら立ち上がる、膝やら肩やら痛めてなきゃいいけど。
「…プニプニちゃん失礼な事考えてるでしょ。
チクショウ山崎さん成分が足りないわ…次回は指名してやろうかしら。
さ・て・と☆ビーンジャムのリハよね?この中で誰?何人が演ンの?挙手ー☆はぁいヨロシクー、ところで何の話の回?」
えーと、カッパのマキちゃんとラディッシュ千両役者で…「それって最初からビーンジャムの顔が欠けてるヤツよね?」よくご存じ…そっか、元同業者ですもんね。
スッーと、今まで騒いでた村上さんじゃ無い空気で質問をされる。
「主役を張るのは誰?」
俺…ですけど。
ちょっと衣装確認させてねーと、勝って知ったる何ちゃらでビーンジャムの衣装袋を開ける村上さん。
えっと村上さん何か問題…「やっぱり顎紐タイプかー!!」…が?
「んーもー!土方さん当映さんに言ってって何度も頼んだのにー、この話途中でビーンジャムの頭チェンジしなくちゃいけないんだから顎紐タイプじゃなくてマジックテープタイプ作ってよって!
土方さんの一声は鶴にも勝る大魔お…痛い痛い痛いピアスが千切れる位にいーたーいーぃ(泣)
プニプニちゃぁーん、この話の経験は?無い?じゃあリハは面と手袋着けてやって頂戴。」
えっと…何故に?
「ピン初めてで面着替えのビーンジャムの話は失敗しやすいから。
ウィルスンと立ち回り後に、千両役者から新しい顔を貰って捌けるでしょ?
控えで手袋→布手袋→顎紐解いて欠けた面外す→顎紐つけ直して新しい面。
本番中は焦るわよ、なかなか外れない顎紐…新しい面が取れないように何時もよりキツめに紐を着けた事による喉の圧迫…。
昔ソレで女の子がショー中に倒れちゃったからね、二の舞になって欲しくないし此方も大晦日にそんな縁起の悪そうなのゴメンだしー☆
てな訳で面つけてリハね~☆経験に勝るモノは無くってよプニプニちゃん♪繰り返す事で習得修得ぅ☆
さぁーってゴリゴリに駄目出しするわよーぅ、お覚悟はヨ・ロ・シ・ク・て?」
バチコーンとウィンク1つで決めポーズの村上さんに
「何が倒れた女の子ですか。倒れたの村上、お前でしょうが。」
「そうっ!失敗失敗、てーへぺーろりん☆
そんな倒れた私をプリンセスホールドで懐抱して介抱してくれたのがマイダーリン山崎さんっっ♪あぁぁん素敵抱いて嫁にしてーーぇん☆」
恍惚と自身を抱き締めてhshsしてる村上さんの膝の裏を足で押し込んで床に転がす、平和的解決最終奥義・ヒザカックンである。
大体わかりました、そんだばチャッチャとリハーサルしましょう。ぶっちゃけ貴方のノロケっぽいと言うか妄想っぽいのより、俺の仕事の方が万倍も大事です。
ニッコリと見下ろしたまま言ってやれば、土方さんからグッジョブサムズアップ頂けました。
さぁ村上さんリハチェックお願いします、どうでもいい話のせいで時間が無いんですから。
「…いやーんプニプニちゃんたら、しっかり土方さんの影響受けてるわーおネエさん貴方の将来心配よー。」