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第66話 クライアントが知人だと逆にやりづらい

「土方による前回までの粗筋:3班・現場・到着」


…簡潔に3段階説明あざーす土方さん。

はいっ、気を取り直してお疲れ様でーす阿久津ヒロムです。到着したよホテル椎ノ木パレス、宿泊用に2部屋用意してくれてるそうなので、ますは私物叩き込みに行くぜー☆


女の子部屋:和室に2人(MCさんと近藤さん)

野郎共部屋:最大10人まで泊まれる大部屋


…さすがにおにゃのこ部屋に野郎を入れる訳にはいかんので、残り14人は無理くり野郎共部屋で泊めるらしい。ベッドルームあって和室もあってのどでかい部屋なんで問題無いっす。


さ、次は衣装を演芸場近くの小休憩所にドーーーン☆と運ぶ。ここが今回の控え室、ここからずた袋に衣装入れて緞帳裏で着替える楽々仕様。クライアントさんはそこで既に待ってるらしい…。


失礼しまーすお疲れ様です、人材派遣会社の…


「やだぁぁあ!何この子♪丸いわ、ぷにっとしてるわ、ちっちゃいわぁぁあ☆」


出会い頭に満面の笑みで両頬ぷにんぷにんされています…。えーと何だろうこのクライアント、楽しそうだなこの人、てか衣装袋降ろしたいんで放してくれませんかねコンチクショウーってかうわうわうわうわ!腹の肉を摘まむのはナシですっ!あ、そこはらめぇぇええ!!婿に行けなくなるぅぅ!!


「放せ、話が進みません。」


「ついでにジャンルがムーンライトに移行するからやめなさい」と、謎の呪文と共に横から容赦なく土方さんがヤクザキックで助けて…無い!

あぁぁぁぁ!?クライアントさんに蹴りって!蹴りってぇぇええええ!?あぁぁ何か向こうでキュウッてなってるぅぅぅ、何してくれちゃったんですか土方さぁあん!?


追撃しようとするので脚にしがみついて止める俺に、上から絶対零度の声音が聞こえてくる。


「ヤツはこんな蹴りで逝っちゃうタマじゃないですよヒロム君、いい加減に起きなさい…市内で見なくなったと思ったら何やってるんですか村上。」


「いちち…、相変わらずのドSさ加減が素敵ねぇ土方さん☆」


いやーんお久し振りーとヘラリと笑って手を振る村上さんとか言うクライアントのお姉…お兄さん?え、知り合いなの?良かった何かしら問題になって土方さんがどうにかなるかと思っちゃった。


「お、よく気付いたねぇプニプニちゃん☆元オネエさんのお兄さんよー♪

因みに私もこの会社の出身、尊敬を込めて華の如く美しくあれと付けられた源氏名の小百合さんと呼ぶ許可をあ・げ「五月蝿いですよ百日紅(さるすべり)」…土方さんがヒドーイ。」


するりと拘束を解いた土方さんが、シクシク横座りで泣く村上さんを容赦なく踏みつける。「金色夜叉ってあんな感じか?」と、ポソッと先輩が呟いたのを皆内心で同意したのは永久に秘密のダイアリーに閉まっとこうと思う。


…えーと、お話を進めて頂けますかー。


「きゃあぁぁあ近藤ちゃーん♪アンタ相変わらずの素っぴんなのねー憎たらしいわー☆…私と性別交換しなさいよ。」


なんて俺の控えめに前向きな言葉を綺麗に無視した村上さん。

すらりと土方さんの足をくぐり抜けたかと思うと近藤さんの前に立ち、両頬を片手でぐにーっと潰して底冷えのする笑顔で何か理不尽な事言ってます。…あ、後ろからの足払いは痛い。


「やめなさい。お前と違って近藤は化粧の必要が無いんですよ…いい加減にしなさい村上、お前ショーパブで働いてたでしょう?何故にここに居るんですか。」


「えー?だってあの店誘っても誘っても誘っても優待券送っても山崎さん来てくれないしー、毟り取った衣笠でショーに出てたけど演るよりは演出する方が楽しかったのよねー。

な・の・で宴会場があって温泉でお肌ピチピチ万歳なココに就職しちった☆ココならみんなにも優先的に仕事回せるしぃー、やだ私ったら尽くしてるぅ~♪これなら名実共に山崎さんの嫁に…「黙れ村上慎之…」本名はダメェェエエ!やめてぇええ(泣)」


今度は本気で泣き崩れる村上さんに踏みつける土方さん、頬が痛いと凹む近藤さん…カオス。



えーと、そろそろ本気で仕事の話したいんですけどー。








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