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第64話 結局春先まで待てずに掃除しちゃうんだけどね

前回までの粗筋。

ヒント:斎藤先輩が手に持っているものは、大人なうっふんあっはんDVDでした。


「いやヒロムそれ答えだろうが。」


いつのまにか現れた沖田さんに、脳天へ手刀叩き込まれた阿久津ヒロムでーす☆痛ぇよぅ。…でも肉体的より先輩がそんな物を持っているって事実が痛ぇよっっ…!


「イヤイヤイヤイヤ違うからなヒロム、アレ俺んじゃないからな、ってか逃げんなゴルァ!」


お兄ちゃん不っ潔うっっ!と兄の秘密を知った妹の様に踵を返して走り去ろうと試みましたが、あっさり蹴倒されて馬乗りでございます。何かこのまま首閉められそうな勢いなので必死に抵抗。


先輩がそんなの持ってるなんて破廉恥でござるな破廉恥でござるな破廉恥ぃぃいいい!子供に夢を与える仕事のが俺等の誇りなのに下半身は違うんですねっ!


マウントポジションとられてるので、精々足バタバタして腕振り回す位しかできねぇです。


「破廉恥破廉恥って戦国婆娑乱舞の幸村か!

お前は俺をどう見てんだ!?明らかに段ボールに入ってたヤツを見つけました的な状態だっただろがクルァ!」


「俺にはDVD持って恍惚としてる斎藤にしか見えませんでしたぁぁぁ☆」


「2人共この状況楽しんでるだけだろうが!その満面の笑みを消してやろうかウルァァァア!!!!」



「うるっさいわぁぁあんたらぁあああ!!!!」



練習場の扉がスパーーンと開いて、風呂掃除してた筈の近藤さんが仁王立ちであります…。え、えーとですねこの状況はどういう事かと申しますと…。


「諸刃のアックス位から聞こえてたから無問題よ。「わりと前からだな」うるさいです沖田さん。さ て と、全員練習場に集合ぅぅぅうううう!」


号令が放たれると同時に集まる大掃除メンバー。わー、よく躾られてんなー。


「野郎共速やかに全員横一列&正座なさい。

…で、このDVDの持ち主は誰かしら?」


近藤さんの手には例のうっふんあっはんDVD、よくよく見ると「着ぐるみヒロイン・蟻地獄編」ってタイトルがデカデカとパッケージに。

…題材が業界ネタでしかも続編っぽいぃぃorz

近藤さんと侍女…もとい女性陣も「うわぁ」な顔でドン引きです。


イヤイヤイヤイヤ何故野郎だけ?可笑しくないっ!?女子のかも知れな…「そんな事あるわけないじゃない、コレ男用だし。」男用…?「このテのって女用もあんのよ?何が悲しゅうて同じ乳揺れてんの見て喜ばにゃならんのよ…。エロ小説も女性用にハーレクイーンロマンスとかムーンライトノベルスってあるし、お水系だってホステスじゃなくてホストとかあるでしょーが。」うわぁぁあそーゆーの知りたくなかったぁああ「フッまだまだ子供ねヒロムくん。」


「さてと…、職場にこんなの持ち込んで!…名乗りでないんだったら仕方ないわ犯人は必ずあげてやるわよ、だってジッチャンはいつも独り!その名は名探偵ー「近藤さん混ざってますから」…チッ。


さぁキリキリ吐きなさい、もしくは各自情報を寄越すのよ」


「俺のじゃ無いって人ー」全員挙手

「持ち主知ってる人ー」全員静観

情報持(なんかし)ってる人ー」全員静観


「…埒があかないわね。よし、左から順に心当たりでも何でも言ってみなさい。」


近藤さん何この魔女裁判…もうコレ捨てて無かった事に…「そんなつまんない事で終わらせたくないわ」…それが本音ですかコノヤロウ。


・野郎共の中で1番エロいのは井上さんです。


「今居ない人を容疑者にして、捜査の目を逸らそうとしてるわね。でも一応参考にするわ。」


・18禁モノだから高校生は除外されるべきです。


「逆に親に見付かるとヤバいからってパターンかもよ。却下。」


・その段ボールの中身は1年程使った記憶がありません。


「ーて、事は今年入った新人さん達は除外かしらね。」


・その段ボール置いてあったロッカーの使用者は斎藤・ヒロム・芹沢・新見


「ロッカーの上だもの、関係無いわね。」


・実家住みの人とか怪しくない?


「そうね、有りね。独り暮らしは除外かしら…?あ、彼女持ちとかは怪しいわ。」


・これはきっと孔明の罠


「斎藤は黙ってなさい永久に。」



よし、お蔵入りですね☆



そう言いつつサムズアップすると、笑顔の近藤さんに親指を握られー。痛い痛い痛い、親指が折られそうに痛い。


「こんなんで痛がってたら、大人になんてなれないわよヒロム君。大人ってのはひとつ、またひとつ、痛みを知ってなっていくものなの…。」


いやいやいやいや、大人でも曲がらない方向に指曲げられたら主張すべきですって痛い痛い痛い

もうやめましょうよ、大体全員居ないし状況証拠ばっかりだし魔女裁判だし…。何をそんなに躍起になってるんですか、大掃除続けましょうよぅぅ。


グズグズ言い出した俺の両肩に手を置いてニッコリと微笑んだ近藤さんが囁く。


「ヒロム君、大掃除は練習場残すだけで終わったの」


あー、皆さん終わってたんですか。早いんですね。


「ーで、私達って暇すぎて今回集まったじゃない?」


そうですね、冬休みで宿題も無いですしね。


「そんな暇をもて余している私…、この間面白い深夜番組を見たの。」


…アレ?近藤さんの話がなんか明後日の方向を向きだしたぞ?


「それは一般人の中に紛れ込んだ2つの異分子を、話し合い・推理・騙し合いの心理戦で炙り出してく知的遊技戦ー。

異分子側の紛れ込み方、言い分、魔女裁判な言い掛かり…久し振りにゾクゾクしたわー。


…で、この状況似てない?あっはんうっふんDVDの持ち主…異分子を炙り出す私達。」


…えーと、近藤さんまさかですけど。


「さぁ、理解してくれたなら続けましょうか。ウフフフフ♪今夜は帰れるかしらねー、ねぇ……ヒロム君?」


耳元に顔を近付けて聞こえてきた近藤さんの台詞はー




   「 ー汝は人狼なりや? 」











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