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第7話:続 お仕事内容発覚でござる

右手に先輩の襟首握りしめながら項垂れております阿久津ヒロムです。「ちょっ、ギブギブ!」なんて腕をタップされてますが…知らん(断言)


ついつい事務所奥の扉から逃走した先輩を追いかけてしまったでござる…大勢のジャージ軍団が居る中を……。


土方さん曰く、奥は練習場兼倉庫になってて、今日はリハーサルの日なのであんなに居たんだって……。うあぁぁ印象最悪じゃんようぅぅ変な奴現れたーとか思われてるよぅぅ。

「元から変だから無問題☆」ってうるせぇ黙れ先輩この野郎、元はと言えばアンタが騙したんだろうが何かを握り潰すぞ。


外面投げ捨てた俺に、苦笑いの土方さんの説明が続く。


「うちはキャラクターショーや、イベント事のスタッフの派遣等の会社です。


実働はキャラクターショーなら確かに3時間位ですね、基本的にキャラクターショー1回30分を2回とサイン会に撮影会。」


えーと、派遣って事は仕事先はランダムですか?遠かったり近かったりって事ですよね、そんな某アイドルグループみたいな専用劇場なんて見た事無いですし……


「はい。クライアントが交通費出すなら何処でも行きますよ、1番遠かったのは南国しろくま県最南端の港から船中泊してやっとこ到着する某島ですかねー。コラコラ、時給で計算するんじゃありません悲しくなってきますよ。」


ーて、事は移動が長時間?


「ええ、お察しの通り拘束時間が半端無いですねぇ。下手すれば早朝出発深夜帰宅、前乗りって言って現場先の地域で宿泊したりもします。夏休みなんかはそのまま次の現場先へ行って宿泊もありますし、遊園地で1ヶ月間滞在して毎日ショーなんかもありますねぇ」


えっと俺高校生なんですけど


「ええ。この仕事は『人が休みの日に働く日』なので、学校休んで仕事に行かせるなんて事は絶対にしませんからソコの所はご安心を。一応未成年者は遅くなる様でしたら衣装の片付け無しで帰宅させますよ。


因みに仕事内容はショーに出るならリハーサルが2日間、「いろは」みたいな所謂メルヘンのジャンルだとダンスもありますね。最近の「連者シリーズ」もEDで踊る様になってきました、義務教育でダンスが必修になった流れでしょうねぇ。イベントだとまぁ色々です、夜店から工作教室、ガラポンの抽選会等々。」



   …何その陸上マグロ漁船。


イヤイヤイヤイヤ無理無理無理無理無理、面接電話すらマトモに出来ない俺が人前で演技とか指導員とか出来る訳無いじゃ…。


「大丈夫ですよ、面接した限り一般常識は兼ね備えてそうですしね。斎藤の件は自業自得なので無問題です。」


イエイエイエイエ、さっきまでの外面大魔王は演技と言うより処世術ってヤツで…。衣装だって俺見ての通りのポッチャリ通り越してデップリだし…え?衣装下に太目に見せる為に着る「アンコ」を着なけりゃ大丈夫でしょうって?


「短い間ですがよろしくお願いしますね☆」


えーとえーとえー…、あ!俺んちココからはちょーーっと遠いので早朝6時出発とか言われても~……現場の方向次第で何処かで拾ったり迎えに行く?それでも心配ならこの事務所に泊まって良い?へー、応接室のソファーとか寝やすそうですよねぇー。あーあのドアの向こう布団部屋なんですかぁー、きゃー合宿所みたーいぃぃ☆アレーオコトワリデキナイナー☆


あははー、土方さんが真っ黒な笑顔全開で俺の頭撫でてる様で掴んでますー。


「「逃がす訳ないでしょ☆」」


どや顔でセリフを重ねてきた先輩曰く、無線部は毎回繁忙期に後輩をこうやって引き込んでいたらしい…。ソレでほぼ部員0だったんですか…え?活動内容が無線免許取得と体育祭の音響設営位しか無いのも理由?ついでに来年放送部が出来て無線部無くなるから阿久津は栄えある最後の犠牲者?


…先輩やっぱり握り潰すんで辞世の句をどうぞ。


「反省は しておりませんっ☆ てへぺろりんっ♪」


よし1字多いから何の憂いも無く氏ねやコンチクショウウゥウ


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