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第57話 大人げない大人の子供な喧嘩

にゃーにゃーにゃーにゃーにゃーしゃーしゃーしゃーしゃーぎゃーぎゃーぎゃーぎゃーぎゃー☆


…皆さんお疲れ様でげす、阿久津ヒロムです。えーと、今日は休日で仕事の無い有志のみで練習中…だったんですが、目の前では斎藤先輩と井上さんが手も足もでる口喧嘩中。


ついでにと沖田さんが要らぬ口出ししているのですが、正直相手にされてないです。不貞腐れて俺の横で茶ァ飲んでます。


因みに喧嘩の内容はー


ショー最後の立ち回り(ラスたち)の必殺技をヒーローがお客さんを向くかどうか』


井上さんは

「ヒーロー後ろ向きの方がリアリティー出るよ、立ち回りの流れ的にも自然だし。」


斎藤先輩は

「絶対にヒーローはお客に顔見せるべきです、怪人ヤられたーって時っていい撮影シーンじゃないですか。」


沖田さんはボソッと

「もうさー、横向きでよくね?格ゲーっぽいじゃん。ビーンジャムブレッドンショーって大抵横向きでウィルスン殴って走り抜けるよなー。まぁパッと見分かりやすいからなー」


三者三様・十人十色・百人百様…みんな違ってみんな良きかなと。思うんだけどなー…あ、お互いバク転で離れた、くそぅなんだかショー見てる気分だ無駄にハイスペックな口喧嘩め。


「大体っ、基本的に主役がお客にケツ向けるのって駄目ですよね!?背中で語るって言っても演技力あってこそじゃないですか!」


そんな事言いつつ、井上さんの回し蹴りをその場に腰を落として避けたと同時に片足立ち状態の軸足をすくう様に蹴って引っくり返す斎藤先輩。


「何言ってやがる怪人が体デカかったら主役隠れて見えねぇだろうが!怪人のヤラレリアクションが過ぎてステージから落ちてみろ、お客捲き込んで大惨事だぞ!主役達がストッパーで守ってるって意味もあるんだよ!」


跳ね起きると同時に、体勢の低い斎藤先輩の上を綺麗な飛び込み受け身で距離をとる井上さん。

いいなぁ飛び込み受け身って足が当たりそうでビビっちゃって俺がやるとフォームがカッコ悪いんだよなぁ。


「この2人の良い所は、舞台の奥行きをちゃんと生かした立ち回りの話をしてる所だ。見習えヒロムー☆

もう立ち回りを作れるレベルに達してるから言える事なんだよなぁー育ったもんだ。」


うんうんとカケラも潤んでない目頭を押さえる沖田さん、いやそろそろ止めてくれませんかね?なんかもうヒートアップしすぎてですね…そろそろー


「馬鹿言ってんじゃねぇよマスクドライダー野郎は単独が王道だろうが!」


「どっちが馬鹿ですか!昭和時代の対3・対2・対1でショーの半分立ち回りでヒーロー側殺す気満々なショー見た事ありますからね!数人居て何が悪いんですか!」


「馬ーーーー鹿!だからこそマスクドライダー野郎空餓でフォームチェンジしたんじゃねぇか!」


「「てっめぇ何連者デビューだコノヤロウ!!」」


…ホラ喧嘩の内容が全く別物になってるんですよ、このままだと魔女見習いいろはは何年生版が良かったかとか言い出しそうです…。それにしてもこの業界って「お前何処中(出身)だよ」は「何連者デビューだよ」なんですねぇ…。


「もうこのまま帰っちゃおうぜー☆」なんて沖田さんの誘惑に乗ってもいいなぁーなーんて考えてたら、突然腕から持ち上げられる感覚…。


「ヒロム!!ビーンジャムブレッドンショーはゲストキャラはメジャーじゃないと盛り上がらないよな!?」


斎藤先輩が片腕掴んで力説してます……はい、逃げ遅れたねーアハー。


「違ぇよヒポポタマス雄とかラビッツティーチャーとかややマイナーキャラの方が自由度高くて遊べるだろうが!!」


井上さーん、もう片腕掴んでこられても…。何かな~こんなシチュエーションのヤツ見た事あるよなー(遠い目)



「よし、お前等引っ張り合えー。世界のお約束で勝った方が正義(ジャスティス)。」


沖田さぁぁぁぁぁぁぁぁん!?


(落ち着けヒロム!!大岡裁きだから!大丈夫☆)


見事なサムズアップと口パクで解決♪と、どや顔の沖田さんなんですがのぅ…。

アレだよね、大岡裁きって子供まん中で母親を主張する2人が引っ張りあってってヤツだよね?真の母親なら手を離すだろうって……でもね、この2人なのよ。



ミシッ ミシミシミシミシッ☆


ほらぁぁぁぁぁぁぁ!どっちかってぇと三方一両損のパターンのヤツですやんかぁぁ!!ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"うーでーがぁぁぁぁぁぁああ



     暗 転☆



…あれから、現場から早目に仕事から帰社して来た土方さんのやや本気の仲裁グーパンチを喰らうまで大岡裁きは止まりませんでした。3人は仁王立ちの土方さんの前で正座です、自主的に正座してるのは魔王様の日頃の調教の賜物でしょうか。


「…で、土方よ。…なんで俺まで怒られてんの?」


「黙れ馬鹿沖田、年長者が煽ってどうするんですか馬鹿。」


「馬鹿2回も付ける事は無いと…。」


「煩い馬ー鹿、何言ってやがりますか馬ー鹿、ヒロム君故障者リスト入りさせる気ですか馬ー鹿、他の2人とは干支1周以上年下でしょうが馬ー鹿、同じレベルに落ちてるんじゃないですよ馬ーーーーっっ鹿。」


ーあ、沖田さん撃沈した。


「…粗方、劇にオマケとは言え出して貰えるからって張り切ったんでしょうけど…。やる気が空回りして周りに迷惑かけるんだったら要りませんよ、肝に命じときなさい馬鹿3人。」




ん…?劇?オマケ?…何の話?











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