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第56話 応と答えて。

ギリギリギリギリ


軋む頭蓋


荒い息遣い


流れ落ちる汗


隅でガクブルしてる我等…


皆さまお疲れ様です阿久津ヒロムです、目の前では斎藤先輩がピンチ…通り越してそろそろ昇天。頭蓋が割れちゃう!やめたげてよお!


「ーで、俺に報告してからの~?「どうしましょうか」ってどうしましょうか~?この事態招いたのはお前等だよねぇ?」


なんて黒い笑顔でアイアンをクローしてる沖田さん。ヤバイヤバイヤバイ、あれは本気で怒ってる時の沖田さんだ。

うぅぅぅ飛び火しそうだけどってか俺等もガッツリ関わってるケド止めないと先輩がリアルに逝っちゃう、今日赤獣神なのに。


お 沖田さーん、とりあえず制裁は後々にしないとですね…リアルに現実問題ショー30分前切ってるんですぅぅぅ。


どうしてこんな事になったんだろう…、そうあれは昨日の事


もわもわもわーん(回想)


久し振りの泊まり現場、ショッピングモールくまモンにて獣神者ショー。


ただし、自社の衣装は全て出払ってる為他社の衣装をお借りする事に。

くまモン県に前のり、他社様から衣装一式の段ボール受けとる

衣装確認(ブツかく)してますんで」

「ありがとうございまーす」

ホテル到着美味しくご飯、くまモン県のラーメンは太麺と大きめのにんにくチップがたまらんでござるぅぅう♪♪


幸せに就寝


はーい、30分前でーすそろそろ着替えお願いしまーす。


戦闘員×2のブーツと手袋が無い←イマココ


もわもわもわーん(回想終了)


「あのさぁ~衣装確認(ブツかく)してますって言われても、トラブル防止の為に自分達でも確認させて貰うって教えてもらってるよな?あの土方が教えない訳ねぇもんな。俺昨日さぁ、お前等いつやんのかなーってずーーーっと見てたんだけどね。いよいよこの時間になって漸く気づくのなぁ。」


言われてショボーンの我等、はい…衣装管理者の土方さんから教わってました…。「後々の(会社どうしの)お付き合いにも影響するんですからキチンとね」とも…。


ますますショボーンの我等を見て溜め息ひとつの沖田さん、斎藤先輩を解放して現場の予算が入ってる財布を俺に投げ寄越してきた。


「服部、お前運転出来るべ?ヒロムと行き掛けにあったホームセンターで、長靴と銀色布ガムテープ。

それと奥様掃除用ビニール手袋とソレを塗り潰す用の極太のマジック急いで買ってこい。

俺はクライアントにちょっとショーの始まりが押すかも知れないって話付けてくる、斎藤お前時間稼ぎでMCさんとEDダンス講座やって貰うからな。ホラ、とっとと行ってこい!」


拍手(かしわで)ひとつで控えテントを飛び出す我等、時間が無いケド焦るケド店内は押さない・駆けない・走らなーいのオカシの法則である。

従業員出入り口前で店内に頭下げて捌けて…


車までダーッシュ☆


服部さんもホームセンターは覚えてたみたいで迷わず到着、「何かあった時の為」現場近くのホームセンターはチェックしておくんだそうだ。ショッピングモールは痒いところに手が届かないらしい、確かに長靴は売っててもオサレレインブーツだもんな。

「習慣がまさか役に立つとはね~☆…嬉しくないや」

落ち込みつつ言われた物を購入即帰還、ショー開始5分前。背中がジリジリする。


「斎藤、MCさんとダンス講座やるからな。

服部、お前指示で衣装作れるよな?準備出来たら合図くれ。

MCさん、俺からの合図があるまで場を繋いで貰えますか?御手数掛けます。」


頭下げてバタバタと音響の沖田さんは控えテントから出ていく、赤獣神の先輩はMCさんとステージでダンス講座の為に離脱 残るはー


青獣神・水獣神・黄獣神・黒獣神・怪人・戦闘員役の俺と服部さん。

因みに俺等以外は全員衣装姿。着脱が大変な怪人は何もせず、その場で待機決定。「居たたまれないっ」なんてくぐもった声が聞こえたけど無視です無視。


「獣神者の4人でゴム手袋真っ黒に塗り潰しといて」


と、服部さんがゴム手袋を渡す。ををぅ、ちゃんとマジックが4本用意されてるのが素敵です。


「ヒロム君は衣装着て、布ガムテで斗員ブーツと同じラインを長靴に貼ってくれる?その後衣装と長靴をぐるぐる巻きで絶っっ対にすっぽ抜けない様にしてね。」


渡される長靴と銀色布ガムテ、獣神者の斗員は全身ネズミ色なので銀色ガムテでもなんか違和感……遠目なら大丈夫…多分…裏底が黄土色で如何にも「作業用長靴」なのが違和感バリバリだけど。


なんとか見えなくもなくもない程度のブーツ擬きは完成、ゴム手袋は…4人のおかげで真っ黒に☆コレにもガムテでラインみたく貼って…えっと…「ゴム手袋の裾のヒラヒラは、腕の内側に綺麗に折り纏めてから張ると目立たないからね。」らぢゃーでーす。


うっし!違和感バリバリ素人感もバリバリの戦闘員2人完成~☆……うん、完成…。


服部さんが沖田さんに合図を出す、沖田さんはBGMを絞ってって2人に合図。ダンス講座も終わってて、お楽しみ袋の説明してたからタイミングは丁度良かったみたい。


「それじゃあ赤獣神はパトロールに戻りまーす、またね~☆」


赤獣神が捌けて来る、いくら立ち回りじゃないからってやっぱりキツいだろうに、先輩は

「大丈夫か?イケる?」

と、真っ先に俺等の心配だった。


円陣組んでって言われたので全員で円陣。

本番直前だからBGMもMCさんの声も大きい上に、全員面被ってて聞き取り辛くなってるけどそれに負けない位の先輩の声が耳に届く。


「ヒロムも服部さんもゴメン、みんなで気を付けるべきだった。慣れとかダレって怖いモンだな。」


『みんなの準備はいいかなぁ~☆』


「この件で他のみんなも動揺してるだろうけど、気持ち切り替えて行こう。」


『それじゃあ大きな声で呼ぶよ☆せーのっ♪』


「イケるよなぁ?なんてったって俺達はさー」






    「「「「『獣神者ー!!!!』」」」」」


    











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