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第54話 こーして草食系は増えていく

綺麗な海浜公園、水面キラッキラしてるプールガーデン、波止場の先には小さなチャペル。

そして幸せそうに微笑むバカッ…もとい美男美女カップル…。


目の前の幸せそうな光景に、何でしょうか…今なら世界を半分くれてやろうって言ったアヤツの甘言にのって暗闇の世界でビルダってやろうかって気がします阿久津ヒロムですぅー、今日は海中海浜公園の現場でございまーす。


今回の現場内容は「結婚情報紙XYZ(ゼクシィーズ)の撮影」で使われる風船を用意する風船屋さんのアシスタント。

風船配りイベント用にお世話になってる風船屋さんから手ェ貸して~とヘルプコールが来たので俺と山崎さんとでお手伝い、何やら腰を痛めちゃったとかで重い物持てないって…あぁ今回使うヘリウムガスのボンベ、軽く20キロ位あるもんねぇ。


ボンベと多量の風船と木製の箱?持って先ずはプールガーデンへ。


箱は120×120の上が観音開きタイプの箱で何故か裏側の下側3/1に板が貼ってなくて、外側はプレゼントボックスみたいな装飾が…何に使うんだろ?


「モデルさん達が小休止の間に赤と白の風船とりあえず50ずつ作ってー」って渡された風船…普通の丸じゃない?何か変なカタチ…まぁ作ってみたらわかるか。


なんて考えながらボンベからガスをひねり出して…そういえばヘリウムガスが貴重品って報道が昔あったよなー、アレ何だっ…た ん…だろ……?


出来た風船はテラテラした真っ赤なハート型でした☆


うををををををぅ!?可愛いが何かモッサイ男子高校生にはMPが削られていく感があります山崎さぁぁぁぁぁん!!


涙目で山崎さんに目を向けると…あ、虚ろな目をして作った白ハート風船を箱の板貼ってない所から箱内へ入れている所でした。うん、なんも言えねぇっす(泣)


まーねー、XYZの撮影って時点で気付くべきだよねー、俺らより土方さんが行くべき現場だよねー(んふふー、今日別現場~/by 土方)


せっせこせっせこ風船作っちゃ入れ作っちゃ入れ…、プールサイドで箱の蓋を開け飛んでく風船を幸せげに2人が見てるのをプロのカメラマンがカシャーンカシャーンカシャーン☆あー、そーゆー使い方なのねアハー☆


チャペル前で大量の赤ハート風船を束で持ってもらってカシャーンカシャーンカシャーン☆


海浜公園を手を引かれ歩く花嫁さんの片手には風船1つ、そちらに目線をーカシャーンカシャーンカシャーン☆


波止場だけにクルージングもあったぜ☆プールサイドで使った箱再び登場、船が移動しながらで撮影しようとしたらあっという間に風船飛んでったんでもう1回作り直したぜーひゃっふー☆


…駄目だコレなんかダメージが半端無いorz何だこの空気、居たたまれない空気、異物として追いやられる感ンンンンンンンンンンンンンンンンン


チラリと横を見ると、山崎さんが「逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ」なんてブツブツ虚ろに呟いてる。

うん 適齢期過ぎてるとは言え俺よりは山崎さんの方がダメージ喰らうわな。


うん、カップルとかお付き合いってなったらこの空気に耐えねばならんのかのぅ、もしくはこの空気に気づかないくらいのぼせちゃうのかのぅ…。


うん、俺はまだ恋に恋するお年頃でいいや………多分。


今回の撮影はプロモデルさんで、脳内お花畑な雰囲気は撮影時だけなんでまだ耐えられたけど…コレ本当に結婚する2人なら凄い事になるんじゃないかと背筋が寒くなりましたよ…。


撮影終了後、海浜公園の池に噴水口周辺をバルーン付けたリングを設置する作業はとっっっても気楽だったでござる、噴水口を中心にしてまん丸の虹を作る…「ハロ」って言うらしい。


見ると幸せになれるよー♪なんて言われたから全力で「このテの仕事は適材適所な人にあーたれ☆」と祈っといた。



後日、お礼なのか雑誌とか付録とかが大量に事務所へ送られてきて近藤さん達女性陣が盛り上がってるのを見ながら「次からは彼女達だな…」って山崎さん呟いてたんでご利益はあったと思う。











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