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第50話 そんな仕事もある。

「…ヒロム君、私事ですが暫く病院に…ええ…若い頃のツケが来たって感じでしょうか。

まぁ思いきって今回で全て清算出来たらいいなって思ってまして…、でも心残りって言うかやり残した事が心配って言いますか。

え?そんなー…でも、いいんですか?

…有難う、ヒロム君は優しいですね。うん、頑張ってきますからー」


 な ん て ☆


相変わらずのイケメン詐欺に引っ掛かったのは何処のどいつだぁーい?

俺ですお疲れ様です阿久津ヒロムですぅぅぅう☆コンチクチョーなーにが「私事ですが暫く病院に…」だよ!

大病を患ったのかってすげぇ心配したのに、山崎さんから聞いたぞ親知らず抜くだけじゃないかぁぁぁぁあ!!!!俺の減った何かを返しやがれ(泣)


脳内絶叫しながら何をしてるのかと言いますと、ただいま時刻は午後9時過ぎ、閉店後のショッピングモール修羅の国店内で必死こいてご近所の幼稚園児が描いた絵をパテーションに貼る作業しとります。


うん明日敬老の日だからね、お爺ちゃんお婆ちゃんの似顔絵コンテストかー。あー、可愛い微笑ましい。俺も絵を描くのは好きだったからこの年齢の頃って色々描いてたよなー、マスクドライダー野郎も連者物も。…あの頃はこんな仕事に就くなんて考えもしなかったけどなー押し入れにまだあのスケッチブックあるかな?今度漁ってみよう。


「ヒロムー!見て見てこの子の名前「修斗(しゅうと)」君だって~☆将来は是非とも野球選手になって頂きたいね!」


コラコラ、キラキラネームでもないのに人様の子の名前をディスるんじゃありませんよ沖田さん。

それよりもちゃっちゃか貼ってって下さい、後何枚あると思ってるんですか。


ため息と共に1枚絵を渡す、両面テープを俺が貼って沖田さんがパテーションに張り付ける作業、午後10時に照明が落ちるのでタイムリミットは近い。


…それにしても人材派遣ってこんな仕事もあるんですねぇ。こーゆーのって店員さんがやるもんだと思ってました。


また1枚


「えー、大抵店員さんがやるモンよ?

此処とうちの事務所はグズグズの関係だからねぇ、持ちつ持たれつ的な?多分ーと言うか絶対コレ無償奉仕だね。あ、俺等にはちゃんと事務所から支払われるから安心したまへー☆」


また1枚


まぁソコは心配してませんけど…。他にもそんなグズグズの仕事ってあるんですか?キャラショーにも?


また1枚


「んー?夏休みの土方のポカミスあったじゃん?

アレ確か祭りの実行委員に知り合い居たから、3回分のキャラショー全額こっち持ちでって事で手打ちになったのもある意味グズグズの関係あったからだし…、本来なら賠償がどーたらな話だけどねぇ。

デパート小丸の「担当者の知人」が人が足りないって地下に電線埋め込む工事の手伝いに行かされたり…流通センターで御中元の仕分けに包装、発送とか?


キャラショーの質で選んで欲しいけど不景気な上に災害とかで自粛傾向でキャラクターショー全盛期の7・80年代に比べたら確実に現場数も減ってるからねぇー、こう言った仕事も請け負って次に繋げる努力をしている訳ですよー先輩達はー有り難く思いたまへー☆」


さぁ!敬え!讃えよ!我が名はカイザー沖田ナリィィィイ☆


なんか決めポーズで陶酔してるバカイザーを尻目に、得体の知れないモノを見た的な顔をしている警備員さんに「ホンットすいません大丈夫です、問題ありませーん。消灯までには終わらせますんでー。」と、取り合えず頭を下げておく事にした。画鋲ならソッコーで黙らせられるのになぁ…、両面テープなら…なんちゃって二重瞼の刑かなぁ。











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