表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/28

魔物達の宴は儚き夢

ブクマ評価ありがとうございます。


「おいおい、何だよこれ冗談だろ」


俺たちはあれから森の奥に奥に進んでいった。そして、俺たちは数十の魔物達に遭遇してしまった。少なくとも三十はいる。


「おい、お前達は逃げろ!俺が時間を稼ぐ」


俺はカータルナ達に言う。


(ああ、多分俺はここで死ぬよな)


俺は腐ってもBランク冒険者だ。ゴブリンやオークの群れなら勝てる。けど、相手が悪い。オーガ亜種にハイオーガとオーガの群れにはどう足掻いても勝てない。俺が出来ることは、二人を逃す時間を稼ぐだけだ。


「で、でもーー」

「いいから!俺が一発特大のをぶち込むから、その間に逃げろ!」

「っーー、・・・わかりました。ウォルの行動は無駄にはしません」

「ああ、それでいい」


これでいい、これでいいんだ。俺が犠牲になれば、カータルナとゆーが助かるんだから。


「ゆー、大丈夫だよリア、カナ。こいつらなんて、唯の雑魚だから私一人でかたがつくよ」

「なっ、何言ってんだゆー!状況をよく見ろ!」

「そうだよ、ゆーちゃん!いくらゆーちゃんが強くてもこの数は無理だよ!」

「大丈夫だよ?だって、私はこいつらより強いからね」

「ホウ、イッテクレルナ。チイサキオナゴヨ」

「なっ!オーガが喋っただと!」

「ワレハ、オーガデハナイ。ヒメノ、チュウジツナルゲボクノ、オーガジェネラルナリ。イケ、オマエタチヨ!」

「「「「ガァァァァァァァ!」」」」


オーガジェネラルの言葉と共にハイオーガとオーガ達が一斉に襲いかかってきた。


「くっ、死ねるかぁぁぁぁぁ!」


俺がオーガ達に飛びかかろうとしたその時、オーガ達は何かに切られたように崩れていった。


「ねっ?言ったでしょ。私は強いって」


その声は、すごく小さく細かった。けれど、その声は俺達にハッキリと聞こえた。


「う、嘘だろ・・・」

「えっ、ゆーちゃんってここまで強かったの?」

「ミゴトナリ、チイサキオナゴヨ。ワレノ、チカラヲモッテ、オマエヲセイアツシヨウ。オマエヲ、テキトシテミトメル。イザ、ユカン」

「無駄だよ?私の方が強いんだからね」


ゆーは、両手を血で染めている。白いワンピースも赤に染まり、ゆーの顔や髪にも血がついている。そして、ゆーは笑っている。

他の奴がこの状況で笑っていたら、頭がいかれたか殺しでしか快感を得ない殺人鬼だろう。けれど、ゆーだとその姿に見惚れてしまう。その何とも言えない妖艶さに。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



オーガ達が襲いかかってきた時、私は弾跳(スプリング)段階(ステージ)を使ってオーガ達を屠っていった。両手を剣に変形して、オーガ達を切り刻んでいった。返り血が私に飛んできたけど私は気にしない。


「ミゴトナリ、チイサキオナゴヨ。ワレノ、チカラヲモッテ、オマエヲセイアツシヨウ。オマエヲ、テキトシテミトメル。イザ、ユカン」


私はそれに答えた。


「無駄だよ?私の方が強いんだからね」

「ソンナコトハ、ワカッテイル。ダガ、シンダナカマタチノタメニ、ワレハ、タチムカウ。タトエ、シヌトワカッテイテモダ!」


オーガジェネラルは、私に向かって走ってくる。その速さは、凄まじいものだ。オーガジェネラルが走った後には、地面がえぐられている。だけど、私には関係ない。


「・・・分かったよ。私もあなたを敵と認め、全力を尽くそう!」


私は敵の信念に感服した。私は、笑顔になる。魔物にもこんな奴がいる事に嬉しくなって。私も魔物だけどね。


「カンシャスル。チイサキオナゴヨ、イヤ、チイサナブジンヨ」

「いいよ、私がやりたかっただけだし」

「ヌァァァァ!」


オーガジェネラルは、その勢いのまま私に突進してきた。私以外なら、確実に死んでいたと思うほどだ。


「「ゆー(ちゃん)!」」

「ユゥゥゥゥ!」


私は突進してきたオーガジェネラルに衝撃(バレット)を放つ。勿論、段階で力を溜めてからだ。


ーーパァァァァァァン!!


私の拳とオーガジェネラルの間に衝撃波が生じる。


「・・・カンシャスル。・・・・・アナタト・・・・・タタ・・カエタ・・・・・コ・ト・・・・・・ニ」


オーガジェネラルは、そう言うとゆっくりと倒れていった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ