解決
あの男に会っているとわかり、俺はすぐさま犯人へ近づいていった。
すると池端が犯人と俺の間に入り込んできた。
「ここからは警察の仕事ですので邪魔はしないでいただきたい」
「すぐ終わるから頼む!」
「才覚さんからの頼みとあればお受けしたいのですが、さすがにこれ以上一般の方を殺人犯に近づけるのは危険なのでお引き取りください」
池端は一般という単語を強調して言ってきた。
どうしようか考えていると白神が小声で話しかけてきた。
「あの男のことを言ったらいいんじゃない?」
「警察に喋るのはまだ早い。こっちはUSBをゲットしてるし志帆もいる。今日のところは帰る」
俺は池端の方に振り返った。
「犯人見つけたのも俺らですしこのままだったら警察のメンツ丸つぶれですもんね。ここからは警察に任せますよ。それでは」
さっきの一般にイラっとしていたのでこれだけ言って部屋を出た。
「今日はありがとうございました。ここにお金が入っています。それでは」
達也さんは深々と頭を下げ帰っていった。
「久しぶりに金が入ったな。志帆、今日の晩飯何が食べたい? ちょっとだけ奮発するぞ」
志帆は笑顔になった。
「本当!? じゃあハンバーグ! ハンバーグが食べたい!」
「まかせろ!」
「才覚君料理できるの?」
またしても白神だ。
「うまいとは言えないが作れるぞ」
「せっかくだったらおいしいのが食べたいよね?」
今度は志帆に質問した。
(志帆がお前の質問に答えるわけないだろ)
「うん…。才覚が作ると焦げる」
答えるのかよ!しかも俺の料理に満足してなかったのか。
「よし! じゃあ茜お姉ちゃんが作ってあげましょう」
「いいよ別に。てかもう帰れよ親も心配してるだろ」
白神はキョトンとした顔で見てきた。
「あれ? 言ってなかったっけ? 私一人暮らしだよ?」
「言ってねぇよ! 親が心配してなくても帰れよ!」
「大丈夫! 大丈夫! とりあえず事務所行こ! 多分もう届いてるころだから」
「何が届いてるんだよ?」
「それは行ってからのお楽しみ!」
(どうせくだらないことだろ)
そう思っていたが俺は事務所に着いたとたん驚愕した。
玄関にダンボールが山積みされていたのであった。
何となく予想はついたが俺は白神に聞いてみた。
「なんだこのダンボールは?」
「今日からここに越してきました白神です!よろしくね」
「ふざけるな! 今すぐ元の家に帰れ!」
「いいじゃない別に。部屋なら空いてるんでしよ? それに助手なんだから一緒に住んでた方が便利でしょ?」
「もう知らん! 勝手にしろ!」
「やったー。じゃあ部屋に行って荷物片付けよ」
「志帆! 俺の部屋に行ってあの男について調べるぞ!」
「え? ハンバーグは…?」
「そんなもん後だ! 後!」
「ハンバーグ...」
白神が助手を始め一日目が終了した。