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記憶の殺し屋  作者: 吉田兵
18/20

発動

一人部屋に入り作戦を練る、他の連中はプールで遊んでいる。


「志保に道の記憶を見てもらい、あの男のアジトを見つけたとしてもそこからどうするかだよな。」


白神の記憶、そして俺たちの記憶を取り戻さないといけない。

あの男の能力は記憶の改変。

すなわち、俺たちの記憶を戻すにはあの男の能力がいるというわけだ。

だがあの男が進んでそんなことをするとは到底思わない。


「強制的にそうさせないといけないか、、」


殺すと脅してさせるか。

志保が記憶を見て弱みを握りさせるか。

色仕掛けか。


「って最後のはないな。いや全部ないか。」


深いため息を吐き外を見渡した。


「あれ? あいつら遊び終わったのか?」


今まで騒いでいた3人の姿がなくなっておりビニールプールのみが置いてあった。


「ったく片付けぐらいしろよな。」


空になったコーヒーカップにおかわりを注ぎに行こうと席を立ちドアに手を置いた瞬間勢いよく逆からドアが開いた。


ガチャ


「才覚大変!」


ゴン!


ちょうどこっちもドアを開けようとしていたものだから思い切り顔面にドアが当たった。


「…痛い。」


ドアを開けた犯人の綾、志保、白神が揃って入ってきた。


「大変なんだって、才覚! 茜ちゃんが」


大変なのは俺の顔だよ。

そう思いあまりの痛さで伏せていた顔を上げるとびっくり仰天。

3人は水着のまま部屋に入ってきていた。


「水着のまま入ってくんなよ!先に着替えてこい。」


そう言い、一旦綾たちを部屋から出した。

30分くらいで着替えを終え戻ってきた。


「で、何が大変なんだよ?」


「それがね、茜ちゃんに何かしらの能力があるみたいなの。」


白神に能力だと?

確かに能力を持っている俺たちと同じであの男に記憶を消されている。

だから代わりに能力が与えられていてもおかしくはない。

だがいつ能力を与えた?

俺たちの時は気を失って目覚めたら能力があった。

だから気を失っている時に何かされたんじゃないかと思っていたが、白神の時は一瞬頭に手が触れただけだった。

能力を使った相手に自動で付与されるのか?

いや、違うな。

もしそうだったとしたら俺たちが使った相手も能力者になってないとおかしい。

今の所なった奴はいないしな。


「ちょっと、才覚聞いてる?」


綾が俺の体を揺らしてきた。


「ああ、悪い。でどんな能力なんだ。」


「よくわかんない。ただ隣の家の犬が散歩してて可愛い〜ってしてたらその犬が茜にすごく懐いちゃって離れなくなちゃったの。」


お前らは水着でなんちゅうことをしとんのじゃ。


「ただ白神が動物に好かれやすい体質だったとかじゃないのか?」


「いや、悲しいことに私は動物に嫌われる体質よ。」


ドアにもたれている白神がカッコつけながらしゃべり出した。


「しかもなかなか離れないものだから離れてってその犬に言ったらすぐ離れたのよ。これはもう人を操る能力に違いない!」


すごいドヤ顔おをしている白神。


「人を操る能力か、記憶系とはではないよな? それとも相手の記憶をいじってこの人には絶対服従みたいなことを植え付けてるってことか?」


「まぁ何にせよ、これであの男を操って記憶を取り戻せるんじゃないのかしら?」


白神はカッコつけているが、確かにその通りだ。

あの男の力で能力者になってるのは違いないと思うのだが、なぜあの男はこの能力を白神に?

付与される能力はランダムなのか?それとも罠か。

なんにせよ嬉しい誤算である。

能力の発動条件などは後で調べるとして最後のピースは埋まった。

これであの男のアジトに乗り込める。


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