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記憶の殺し屋  作者: 吉田兵
10/20

再会

『俺に会いたかったら今日の夜ここに来い』


これが今日ポストに入っていたあの男からの手紙の内容である。

俺たちは机に集まり作戦会議をしていた。

ちなみに待ち合わせ時間の2時間前。


「才覚、この手紙の記憶を見たけどあの男のだったよ」


志帆の能力は物にも使える。


「そこは記憶改変しなかったのね」


つい昨日まで引きこもりだったのだが意外と簡単に事務所に来てくれた綾が言った。


「これは行くべきなのか?」


俺はみんなに聞いてみた。

すると白神が一番最初に答えた。


「行くべきだよ! 例え嘘だとしても何か手がかりがつかめるかもしれない」


「手がかりか、確かにそうかもな。あっちがわざわざ呼んでくれてるんだ、行かなきゃ損だよな。行ってくるよ」


「何一人で行こうとしてんのよ。私も行くわよ」


柔道経験者の白神は腕まくりをし闘う気満々だった。


「うちも行くよ〜」


綾もどこから出したかわからないがいつのまにかバットを持っていた。


「さすがに志帆は待って…」


「行く」


志帆をどこからだしてきたのかヘルメットを着用していた。


「行くか行かないかなんて聞く必要なかったか。てかお前ら何と闘うつもりだよ」


そう言う俺も何か武器を持って行こうかと思ったがいいものが見つからなかったので諦め丸腰で待ち合わせ場所に向かうことにした。

待ち合わせ場所は割と近くの廃工場だった。

こんなところに呼びたすなんてドラマか漫画くらいのものだと思っていた。

少し待っていると一人の男がやってきた。

よく考えてみるとあの男の顔を見るのは初めてだ。

この前の映像も後ろ姿のみであった。

キリッとした目に高い鼻、まるで外国人のような顔立ちだ。

年はたぶん30代くらい。

そんなことを考えてると話しかけてきた。


「まさか本当に来てくれるとは思わなかったよ。久しぶりだな才覚勇記、志帆、中野綾。そちらのお嬢さんは初めましてだね」


「それはこちらのセリフだよ。こんなところに呼び出して何の用だ?

俺たちの記憶を返してくれるというわけではなさそうだな」


「何を言っているんだ。君らが僕のことをこそこそと探してるみたいだからこうして会ってあげているんじゃないか」


今まで一切姿を現さなかった奴がここに来て出てくるなんて。

こいつ何を考えてやがる。


「俺らのために会いに来てくれたってことは、質問したら答えてくれるんだよな」


「答えれる範囲でなら答えてあげよう」


やはり何か怪しい、何するかわからないからとりあえず注意しながら質問するか。


「お前は何のためにこんなことをしている?」


「さあな」


「なぜお前は記憶を消したり能力を与えたりできる?」


「さあな」


「じゃあ俺たちの記憶は戻すことができるのか?」


「できる。俺の気分次第でな」


俺は志帆たちと顔を合わせ安心した。


「あれ? もう質問はいいのかな?」


「ああ。どうせまともに答える気ないだろ? それに俺たちの記憶が戻るということが分かっただけ収穫ありだ」


これで戻らないと言われたら、俺たちのしてきたことが無駄になるからな。


「君たち二人は質問いいのかな?」


あの男は志帆と綾にも聞き、綾が答えた。


「私たちはすべて才覚に託しているから」


「それは素晴らしい友情だね」


「私はあなたに用があるわ」


今まで静かにしていた白神が急に出てきた。


「才覚君たちの記憶が戻るなら今すぐ戻して! 人の記憶を勝手に消すなんてひどすぎる」


「それはできないな。そんなことしたら私が今までやってきたことが無駄になるだろう?」


「あなたが何のためにこんなことをしているのかは知らない。でもそのために才覚君たちを巻き込むなら私は力ずくでも止める」


白神はファイティングポーズをとっていたので俺は止めに入った。


「待て白神! 危険過ぎる。お前のその気持ちと俺たちの記憶が戻るというのだけでもう十分だ」


「でも…」


白神は泣きそうであった。


「君たちの用は終わったかな? じゃあ今度は私の番だ」


そう言うと男は銃だし俺と綾と志帆に向かって打った。


「なっ! 体が動かねぇ!」


注意していたのにやられた。

どうやら麻酔銃のようだ。

綾と志帆は気絶しているようだ。


男は白神の近くに行き白神の頭に手をかざした。


「助けて…才覚君」


白神はものすごく震えている。


「やめろ! 白神に手を出したら許さねぇぞ!」


なんとか動かないかと体を動かしてみるが全く動かない。


「君はいろいろと知りすぎた。悪いが記憶をけさせてもらうよ」


「や、やめ…」


白神はすべての記憶を失った。

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