8
◇
「駄目だーー!」
ドサッ
両腕を広げベットの上に倒れ込む。
「あんのクソ親父め……」
短剣を調べ始めてから、既に三時間が経過した。
部屋の床には、俺が本棚から掻き出した大量の本が散乱している。
(一体何なんだ、コイツは)
ベットに倒れたまま、手にした短剣を改めて見てみる。
先ず外見だが、以前と比べて随分とスリムに成った。コレがこの短剣本来の姿なのだろう。鞘と柄とのバランスが非常に良い。
鞘の色は黒。材質が何かまでは分からないが、その手触りはツルツルで光沢からは随分と硬質な印象を受ける。
もう一度机に叩き付けた処で、きっとヒビどころかキズ一つ付かないだろう。
(ただの鉄……じゃないよな。そんな重たくねぇし。かと言って木や動物の皮って感じでもない)
その表面には今迄の白地に簡素な装飾ではなく、鞘全体に小さな菱形の模様がビッシリと施されている。
中々に凝っていて丁寧な装飾なのだが、その形と質感からどうにも爬虫類などの体表――“鱗”等を連想してしまう。
俺は気に成らないが、中には嫌悪感を持つ者も要るだろう。何とも持ち主を選びそうなデザインである。
そんな“鱗状”の模様が施されている装飾の中で特に俺の目を引いたものが、鞘の片面のみに施されている“花”の紋様だ。
花とは言っても、大きな花弁が幾つも重った派手なモノではない。その辺の道端にでも咲いていそうな素朴な形の花だ。
花の数は全部で五つ。鞘の片面に等間隔で一に列並べられているのだが、下地の鱗模様にこの花の装飾と言うのは、少し違和感があるように思える。
(明らかに浮いてるんだよなぁ。少女チックと言うか……)
そうして一通り短剣を見終えた俺は、取り合えず短剣が鞘から引き抜けるかどうかを試してみたのだが……残念ながら、相変わらず刀身を引き抜く事は出来なかった。
(鯉口には奇妙な点は見当たらねぇから、たぶん鞘の内側にでも仕掛けが施してしてあると思うんだが)
そこで更に詳しく観察してみた処――俺は花の装飾部分に、他の装飾とは違う奇妙な点を発見した。
その花の装飾は、それぞれ十二枚の花弁で構成されている。
だが、何故か五つの花全てでその花弁の一枚だけが抜け落ち、その部分には小さな穴が開いている。
そしてその穴を覗くと、そこには見たことの無い小さな印が刻まれていた。
ここまで来ると、この穴は“偶然”開いたものではなく、“意図的”に開けられたものと考えた方が自然だろう。
そう思い更にこの花の部分を詳しく調べてみたところ、指に軽い抵抗を感じた後、カチリという音を立て花の紋様がきっちり花弁一枚分だけ右に回った。
回転してずれた穴の中を再び覗いて見ると、さっきとは違った別の印が顔を覗かせていた。
そこで俺は、この花の紋様が、所謂“ダイヤル”の類であると確信した。
要するに、コレが短剣を鞘から引き抜けなかった最大の“原因”。
この五つの花の欠けた部分。その全てに正しい印を当て嵌める事に因って、この短剣を引き抜く事が出来るのだろう……面倒くせぇーー!
(親父の奴、何だってこんなしち面倒臭いコトしやがったんだ?)
たかが短剣に何故こんなややこしい仕掛けが施されているのかは分からない。だが、どうせあの親父の事だ。
アイツなら重要な“キーワード”――それこそ金庫の番号や合言葉程度なら、必ず何処かにその内容の書かれた“書置き”を残してる筈だ。
なのでソレさえ見付け出せれば、この短剣のロックも比較的簡単に開錠できる……筈だ。
問題は、その書置きが残されている場所が何処なのか、皆目見当が付かないと言う事だろう。
(アイツ、そういうのは絶対に俺には教えなかったからな)
そこで、さっきまでこの短剣の“解除キー”が書かれていそうな場所――主に家の中にある本や書類の類を、片っ端から引っ掻き出して探してみたのだが……。
短剣の観察から一時間。“解除キー”を探し初めて二時間。
調査から合計三時間が経過した現時点をもってしても、一向に解除キーのかの字も見つけ出すことが出来なかった。
「クッソ~。まぁたアイツに試されてんのか俺は?」
(……在り得る)
息子の俺が言うのも何だが、あの親父は相当性根が歪んでいる。
いつもよく分からない問題を唐突に提示しては、必要最低限のヒントだけを渡して丸投げするのがあの親父の常套手段だ。
そして厄介なのが、その与えられたヒントだけで実際に問題が解決できてしまうところにある。
なので、今まで散々アイツから与えられた問題を投げ出そうと思っても、結局最後には問題を解かされる羽目に成るのだ。
(まぁそのお陰で“考える力”ってのは鍛えられたがな。幼少期に軽いトラウマを埋め込まれた気分でもあるが……)
そんな親父がこの町を出て行って早や四年。ようやくそのトラウマから開放されたと思ったのだが……まさか、今更こんな形で“出題”されるとは思ってもみなかった。
しかも、今回はいつも問題と一緒に出される肝心の“ヒント”らしき物が無い……果たして、一体これでどう問題を解けというのか。
(……シラミ潰す、か?)
――なんて、無謀な事を考えてみる。
親父が残しているであろう解除キーを見つけ出せない以上、こうなれば自力で解除キーを模索するしかない。
しかし、もしもこの短剣の解除キー全てのパターンを試すと成ると、五つのダイヤルに十二個の記号が割り振られている訳だから、単純計算で十二の五乗通りのパターンが在るから……。
(えっと……何通りだ?)
「んーっと……あれ? 算盤どこやった?」
ベットから起き上がり、引き出しの中から算盤を引っ張り出す。それを拙い手際でパチパチと弾き、導き出された値はと言うと――
(ちょッ! 二十四万八千八百三十二通り!?)
ソレは、つい昨日までやっていた遺跡での壁叩き作業の二十倍以上のパターン数だった。
「ンなもんやっていられるかッ!!」
実際には試す度に当たる確率は上がって行く訳だから、全てのパターンを試す必要は無いのだろうが……それにしたって限度が在る。
「はぁ……」
ドサッ
算盤を床に投げ捨て、再びベットに横になる。
矢張り親父が残しているだろう解除キーを見付けるのが一番の近道だろう。
ここでふと、本当にそんな物が存在するのかという疑問が浮かんで来たが、ソレは無いと直ぐに考えを改めた。
(メモは必ず在る。其れだけは断言できるんだが……)
「ど~こ~に~あ~る~ん~だ~よ~~~」
ガチャ
「ただいま~」
「を?」
ベットの上で悶々としていると、玄関の扉が開いてノンビリとした声が聞こえて来る。
どうやら、我が家の買出し部隊が帰還したらしい……部隊と言っても一人だが。
「レイド~、ただいま~――って……」
「おう。ご苦労さん」
「あらら~、どうしたのコレ~?」
買出しから戻った報告をしに扉から顔を覗かせたフールが、まるで此処だけ地震が在ったかの様な部屋の惨状に困惑する。
「言ったろ。調べモンだよ調べモン……。なぁフール、帰ってきたばかりで悪いが茶ぁ入れてくんねーか? 少し休憩するわ」
「ういうい、良いよ~」
俺がそう言うと、フールの奴は嫌な顔一つせず茶を入る為にリビングへと引っ込んだ。
あと数分もすれば、美味い茶の入ったカップが薄い湯気を上げ俺の目の前に置かれる事だろう……本当に俺の相棒は優秀である。
(ウッシ。一息入れるか)
なんとも良いタイミングで帰ってきてくれたフールに続き、俺も頭をスッキリさせるため部屋を出る。
せっかく美味い茶を飲んでリラックスしようとしているのだ。こんな狭くて散らかった部屋よりも、広くて綺麗な場所で飲んだ方が落ち着くに決まっている。
少し重く感じる様になった頭を振りながら、俺はリビングへと移動した。
◇
「お、おおぅ……こりゃあまた……」
茶を飲みにリビングにまで来てみると、中央のテーブルの上はフールが買ってきた数々の食材で埋め尽くされていた。
それは、どう控え目に見ても“二日分”などという量ではない。
“五日分”――いや、下手をしたら“一週間分”は在るのではないかという量の食材が、テーブルの上に所狭しと置かれている。
当初の予定より随分と量が多い気がするが、別にフールの奴が俺の言いつけを破って余計に浪費した――と言う訳ではないだろう。
そもそも、フールの奴が買出しに行きたいと言い出した時から、こう成る事は半ば以上予測できていた。
ただ、そんな予測を大幅に上回る量の食材を前に、柄にも無く唖然としてしまったのだ。
「今回は随分と“サービス”されたなぁ」
「うん。おじいちゃんおばあちゃんに感謝だね~」
それでは、何故こういう結果に成ったのかと言うと、今朝の朝市に出店していた老人連中が、買出しに来たフールに過剰に“オマケ”を持たせのである。
「相変わらず“ジジババ”連中にはモテモテだな、お前」
「エヘヘ、そうかな~。はい、お茶~」
「おう」
椅子に座り、差し出されたコップを受け取る。
テーブルの上は未だ食材に占領されているので、スペースが出来るまではコップを持ったまま茶をすする。
ズズ~……
「ちょっと待ってね~、直ぐにこれ片付けちゃうから」
そう言って、フールは買ってきた物を手際よく食料棚に放り込んでいく。ちっこいのがテーブルと食料庫の間を行ったり来たりチョロチョロと……。
(うむ、ウチの働きアリ君は今日も勤勉だ。関心関心)
ズズ~……
(しっかし、あの“ジジババ”連中も随分と気前が良いな。大方、一週間ぶりにフールに会えてはっちゃけたんだろうが……)
朝市に限らずこの辺りの商店は、殆ど近所の爺さん婆さんが経営している。
そしてウチのフールは、そのな爺さん婆さん連中に人気がある――いや、“驚く程”人気がある。
(まぁ、その気持ちも分からんでもない)
古今東西。年寄りの好みは退屈な長話だと相場が決まっている。
だが、フールの奴はそんな長話にも嫌な顔一つせずに付き合い、相手の言う事も素直に聞き、何より容姿が小柄で可愛らしい。
周囲には他に対抗馬に成りそうな子供も居ないので、こうなると近所のジジババ連中にとってはフールの存在は正に孫も同然。中には“天使”だなんて言い出す連中まで現れる始末。
なので一度買出しに出掛けようものなら、店を回る度にあれよあれよと“オマケ”が増えていき、最終的にはいつも予定の倍近い量を持たされて家に帰ってくるのだ。
(でも、まさか予定の“三倍以上”の量を持たされて帰ってくるとは……流石に予想せんかった)
俺とフールの二人は、ここ一週間ほど郊外の遺跡に篭もっていた。なのでその間、当然近所のジジババ連中はフールの奴に会えてはいない。
大方その反動で、久方ぶりに買出しに来たフールに何時もより多目のオマケを持たせたのだろう……だが、そんなことで商売に成るのか?
此方としては助かるので文句はないのだが、コレは流石に不安を感じるレベルだ。
これでもし一ヶ月くらい家に帰れない状況が続いたら、ジジババ連中のフールへの対応は一体どう成ってしまうのか……。
「よし。オワリ~」
「ん、ご苦労さん。まぁお前も座って茶でも飲め」
「うい、そうする~」
そう言って自分の分の茶を用意すると、フールは俺の向かいの椅子に座りのんびりと茶をすすり始める。
ズズ~……
茶ぐらい俺が入れてやっても良いのだが、フール曰く俺の入れた茶は“茶”ではなく“葉っぱ”と“お湯”らしい。
俺が入れる不味い茶より、自分で入れた美味い茶の方が良いそうだ……失敬な。
「ふぅ~」
「しっかし、本当に今回は大量だな。何かあったのか?」
一週間ぶりの買出しという事で何時もより多くオマケして貰えたのだろうが、冷静に考えてみると幾らなんでも多過ぎる。
(だって三倍以上だぞ。リンゴ一個買ったらもう二個付いてくる計算だぞ。普通は逆だろ)
世間一般ではソレをもう“オマケ”とは言わない。なので、気に成って買出しに行った本人に直接尋ねてみた処――
「ふっふっふ~」
すると、その幼い顔立ちにはコレっぽっちも似合わない不敵な笑みが返って来た。
(……なんだ?)
まぁ、フール自身そんな笑い方に慣れていない為、その表情は“不敵”からは随分と程遠いモノに成っている。
大方、“怖い顔で笑う事”が不敵だとでも思っているのだろうが、顔の筋が不自然に強張っていて、その表情は不敵と言うより寧ろ愉快だ。
何だか、酸っぱいモノを口に大量に詰め込まれた様な顔付きに成っている――まぁ、それはそれで不敵と言えば不敵なのだが……。
「実は、今回のお買い物。おじいちゃんおばあちゃん達と“こーしょ~”してみたんだよ~」
「“交渉”……? お前が? ジジババ連中と?」
「そう。ボクが~」
「ホォ。そりゃ珍しい」
いつもなら値切りや交渉などはせずに言い値で買い取り、それと同じ量の商品を無料で貰ってくるだけなのだが……何だってまた?
「ほら、今、お金ないでしょ?」
「……そうだな」
まぁ、それは今に始まった話じゃない……悲しい事だが。
「で、レイドってお買い物するとき~、よく交渉してるでしょ?」
「交渉。つか“値切り”な」
近くのジジババが開いてる店なら、フールのお陰で値切りなんぞする必要はないのだが、少し離れた発掘関係の店などに成るとそんな事はしょっちゅうである。
「それに~、レイドよく言うでしょ、“相手の立場に成って考えろ~”って」
「まぁ、言ってるな」
その考え方は俺が親父から散々教え込まれて来たモノだ。
既に俺の身体に染み着いており、俺もたまに相方であるフールに同じ事を言い聞かせている。
「だから僕もやってみたんだ~、交渉。相手の立場に成って」
「……成る程」
つまり、現在の経済危機に瀕した我が家の為に、フールの奴も立ち上がってくれたらしい。
その心意気は素直に嬉しく、向上心が在って大変素晴らしいのだが……コイツの交渉姿というものがイマイチ想像できない。
「因みに、どんな交渉の仕方したんだ?」
「ん~? だから先ずはね、お店をやってるおじいちゃんおばあちゃんの立場に成って考えるでしょ」
「おう」
「それで~、お客さんがお店に来なくなると、お店の人は困るでしょ?」
「……そうだな」
まぁ、別に間違った事は言ってない。随分と大雑把かつ極端だが……。
「だからね、大きな声じゃ言えないんだけど~……“きょーはく”したんだよ」
「……は? “脅迫”?」
「そ。キョウハク~」
後半、少し声のトーンを落としたフールの口から、何やら不穏な単語が飛び出してきた。
似合わないなんてレベルではない。想像するのがますます難しく成る。
「え~っと、何て言ったんだっけ? ……そうそう。燻製屋のおじいちゃんに、“沢山オマケしてくれないともうこないよ~”って脅迫したんだよ」
「…………は?」
何だって?
「しかも脅迫だけじゃないよ~。油屋のおばあちゃんには、“今お金ないからいっぱいオマケして~”って言って、相手の優しさにつけ込んだりもしたんだよ~」
「“つけ込む”……?」
「そうしたら皆そろって~、『それは大変だ。じゃあいつもよりオマケ多くしとくね』って言って、笑いながらいつもより沢山オマケしてくれたんだよ~」
フフンと、何とも自慢げに鼻を鳴らす俺の相方様。
「……そうか……」
あえて口には出さないが、多分“脅迫”も出来ていなければ“つけ込む”事も出来ではいない。
恐らくジジババ連中は、フールの奴に“脅されて”オマケの量を増やしたのではなく、フールの奴に“絆されて”オマケの量を増やしたのだろう。
「だから、今回のこの沢山の“オマケ”は、僕の交渉による“戦利品”なんだよ。エッヘン」
「そうですか……そりゃ凄いですね」
「? レイド、なんで敬語なの?」
「いえ別に……素直に凄いと思っただけです……」
「え? そ、そう? エへへ~」
(ああ、確かにすげぇよ。とてもじゃないが俺には到底まねができん)
実際にやった事と言えば“脅迫”ではなく唯の“お願い”なのだが、コレも立派な“交渉術”である事に代わりはない。
しかし、こうしてちゃんと成果を出した以上、ソレは素直に評価してやるべき事柄なのかもしれない……だが――
「……なぁフール」
「ん? なぁに?」
「ウチの家計を気にしてくれるのは嬉しいんだが……お前、もうジジババ相手に交渉はすんな」
「ええ~~、どうして~~?」
――と、不服そうな顔をする相方様。
「やっぱりお前、交渉ごとには向いてねぇよ」
「そうかな~?」
「ああ。別にお前が無理して交渉するこたぁねぇよ。今まで通り、そういうのは俺に任せとけ。寧ろ、お前は今のままで居てくれ……頼むから」
「む~……分かった。レイドがそう言うならそうするよ~」
「ああ、そうしてくれ」
渋々といった感じではあるが、最終的には俺の言い分に頷いてくれた。
買出しの際、コッチが何も言わずに店側が“サービス”してくれる分には、それは向こうが勝手にやった事だ。
だが、今回みたいに“交渉”という名の“催促”をしてしまった場合、そんな言い訳が通じなく成る。
あの老人どもがソレを理由に何かを要求してくるなんてことは無いと思うが、弱味は無いに越したことはない。
(それに、そんなことしなくても十分助かってるしな)
ズズ~……
「ふぅ……」
「おかわり要る~?」
「ああ、頼む」
「う~い」
空に成ったコップを渡し、鼻歌交じりに次の茶を用意するフールの様子をボーっと眺める。
「フンフ~ン♪」
(しっかし、コイツにしては思い切ったことしたよな。交渉なんて……)
と言うか、俺がコイツに教えた内容は正確には“相手の裏を読め”である。
“相手の立場に成って考える”のはあくまでその前段階で、そこから更に一歩踏み込んだ会話を交わさない限り、それは本当の意味での“交渉”とは言えない。
まぁ相手の“裏”を読んでの交渉は、コイツにはまだ早いと言う事だ。
(もう少ししたら、本格的に教えてやっても……ン?)
「……“ウラ”を読む?」
(待てよ――)
そもそも俺はこの言葉を……いったい“誰”から教わった?
「はい、どうぞ~」
「……」
「? レイド~? お茶だよ~」
「……フール。その茶やる」
「え?」
「ちょっと思い付いた事が在る。部屋に戻るから、何か在ったら言え」
「え、ちょっと~――」
俺は椅子から立ち上がると、自分の部屋へと足早に戻った。
「も~~、せっかく入れたのにぃ。……しょうがないなぁ~」
ゴク、ゴク、ゴク――
「ぷぅ……。よし、お昼ご飯の準備しよう」