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まぁなんだ、これが俺の冒険譚だ。  作者: TSO
第一章 〈光の花〉と〈闇の宝玉〉
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フール「おっ買い物♪ おっ買い物♪」

 ◇


 買出しのために市場までやって来た俺たち二人。


「う~わ~~ッ」


 大量の人が行き交う市を見て、珍しくフールの奴が瞳を輝かせている。


 まぁ無理もない。

 もともとコイツは買い物が好きな奴だし、ここ〈トルビオ〉はこの国と大陸南部との交易の拠点だ。

 通りに連なる店もそこに並んだ品物も、〈メルトス〉ではお目に掛かれない異国情緒に溢れている。


「おい、余計な物は買わねぇぞ」

「わかっと~わかっと~」


 だが、かく言う俺もそんな珍しい品々に、どうしても視線が引き付けられてしまう。


 さて、買出しとは言っても、装備の大部分は〈メルトス〉の〈黄金の瞳〉で既に済ませてある。

 なので、今探しているのは主に消耗品の類。保存食やカンテラの油、医薬品に固形燃料等々だ。


 俺とフールは様々な商品に目を引かれつつも、目的の物を探して市場の通りを進んで行く。


「変ったお店がいっぱいあるね~」

「そうだな」


 俺たちの暮らす〈メルトス〉では、普通の店も多いが屋台や露店の数も多かった。

 だが、この〈トルビオ〉では屋台や露店の姿は殆ど見えず、代わりに立派な店舗ばかりがズラリと軒を連ねている。

 その店構えも独特で、南部の文字のようなモノが描かれた看板も少なくない。

 店や商品、そして人種と見慣れぬものが数多く、さっきからキョロキョロと相方の頭が忙しい。


(しっかし、流石に〈メルトス(うち)〉とは勝手が違うか……)


 矢張り慣れている街とは違い、どこに何の店が在るのか一見しただけでは解り辛い。

 仮に目的の物が見つかっても、そこからさらに品質や値段の吟味もしなければならないので、どうしたって時間が掛かってしまう。

 手持ちの資金にはまだ多少の余裕はあるが、節制節約は心掛けねばならんのだ。恐らくこの買出しだけで、今日一日は潰れてしまうだろう。


(まいったな。カーゼさん辺りにお勧めの店でも聞いときゃよかった)


「あっ見て見てレイド、アレ綺麗だね~」


 そんな事を考えている俺を余所に、フールの奴が色とりどりの布生地が並べられた店を指差し、そっちの方へと吸い寄せられて行く。


(……ま、ノンビリ見ていきゃ良いか)


 もともとフールの息抜きも兼ねての買出しだ。いつも世話になってるし、この程度なら付き合おう。


「ね~ね~、皆のお土産にどうかな~?」

「いや、土産なら帰りに買えよ」

「わかってるよ~。今日はあくまで下見~」


 しかし、服やハンカチ等ならまだしも、材料である生地その物を土産にしてどうする積りだ? まさかコイツが自分で仕立てるのか?


「う~ん。コッチとコッチ、どっちがシュルちゃんに似合うかな~?」

「あン? どっちも良いだろそんなの」

「え~、ダメだよそんな適当なの~」


 ただの下見と言っておきながら、その目付きは中々どうして真剣だ。この店だけで丸一日使い潰さなければ良いのだが……。


「あ、コレ変わった色してる。シノブさんに似合いそ~」

「いや待て、それは早計だ。幾ら下見とは言えそんな簡単に決めるべきじゃない。まずは候補を十ほど選び、その中から徐々に絞り込んで行くのはどうだ? なに、慌てる必要はない、時間なら幾らでもあるからな」

「う、うい。でも今日は買出しにきたんでしょ? こんなことばっかに時間使ってちゃダメだよ~」


(解せぬ)


 ……逆に注意されてしまった。


 その後、俺たちはそんな具合に寄り道を繰り返しながら、目的の物が売っている店を探して回った。


「あのぉ、お客さん――」


 途中、保存食になりそうな乾物屋を見付け、そこに陳列された商品を眺めている俺たちに――と言うか俺に、男の店主が声を掛けてきた。


「お客さん、出身はどちらで?」

「ん、俺か? 西にある〈メルトス〉だけど……」

「へぇ、噂に聞くあの“発掘激戦地”ですか。確か、ここ数年で一気に規模が拡大した町ですよね」

「そうだけど……それが何か?」

「ああ、いえ。お客さんが余り見かけない“格好”をしていたもので、少しばかり気になってしまいまして」

「……ああ」


(“そういうコト”か……)


 この店主が言う“格好”とは、別に俺の服装についてではない。


「“コレ”は産まれ付きでね。まぁ所謂いわゆる“変り種”って奴だ」

「おや、そうでしたか。申し訳ありません、余計なことを聞いてしまったようで」

「いや、アンタみたいのは慣れてるよ。気にしちゃいないさ」


 ここ最近は余り聞かれなかったので気にしていなかったが、矢張り俺みたいな見た目の奴は、普通の奴からしたら珍しい部類なのだろう。


「因みに店主、俺以外に“黒髪の(こんな)”奴って見たことある?」


 ――と、自分の前髪を摘んで尋ねる。


「いやー、私も長くここで店を開いておりますが、そのようなお客は今迄見たことがありませんねぇ」


 ――だ、そうだ。


 ここ〈レムンレクマ王国〉は、大陸中から様々な人種や種族の集まる国だ。

 にも関わらず、俺のような黒瞳黒髪の持ち主は、常人ノーマー獣人アルマーを含め、この国の何所を探したって居やしない。

 地元の〈メルトス〉じゃあ俺の存在はもう余り気にされなくなったが、最初に顔を合わせ話をした相手には、必ずと言って良い程この瞳と髪のことを話題にされる。


 実際、〈メルトス〉から〈トルビオ(ここ)〉に来る道中でも、何度かこの髪と眼について尋ねられた。

 自ら進んで目立ちたい訳ではないのだが、この容姿とは産まれて此の方の付き合いだ。

 どうせ死ぬまで続く付き合いなので、今ではそういうものだと半ば開き直って受け入れている。


「そっか、コッチこそ変なコト聞いて悪かったね」

「いえ。それよりお客さん、気をつけて下さいよ」

「ん?」


 若干声を潜めた店主が、顔を寄せて語り掛けてくる。


「この大陸各地じゃあ、“黒”は最も“厄の濃い色”と言われます。もしかしたら、要らない因縁を吹っかけてくる輩も居るかもしれません」


 ソレは、もうずっと以前より聞かされ続けてきた忠告だった……。


「……ああ、せいぜい厄介事には関わらないようにするさ。それはそうと店主、この海藻と小魚、あと其処にある貝の干物を貰おうかな」

「へい、まいど~」


 そうして、店で幾つか商品を購入してから、俺たちはその場を後にした。


 その後も幾つか店を回り、やがて俺の腹時計が昼になった事を告げると、俺たちは近場の飯屋で昼食を取ることにした。

 テラスから海が一望でき、そこそこ人も入った雰囲気の良い店だったのだが……正直、そこでの食事は失敗だった。


 大陸南部の料理らしく、出てきたのは太った魚の蒸焼きや、海の幸をふんだんに使ったスープにサラダ。

 だが残念なことに、どの料理も折角の新鮮な素材を生かし切れていないように思えた。


 エビのスープは煮詰まって風味が飛んでいるし、魚の蒸し焼きは熱の通し過ぎで旨味が抜けて身がパサパサだ。

 もし〈黒羽〉のマスターがこの食材を使って同じように調理をしたら、きっとこの何倍も美味しく頂けるコトだろう。

 唯一美味かったのが葉野菜と海藻のサラダだが、サラダ系は鮮度さえ良ければまず失敗はない。


 ただ、上にかかっているドレッシングは中々に絶品だった。恐らく甲殻系の出汁に香油と柑橘系の果汁を混ぜたモノだろう。

 コレにはフールの奴もご満悦で、早速自分も真似が出来ないものかと考え始める程だった。


「フゥ~、食った食ったー」

「ごちそうさま~」


 だが味付けそのものは悪くなかったので、二人そろって最後まで綺麗に完食した。

 値段は少々高めに感じたが、この程度ならボッタクリと言える程のモノでもない。


 店の客席から見える白い街並みと蒼い海を眺めながら、俺たちは暫しの食休みとしゃれ込んだ。


「レイド、コレあげる~」

「んー?」


 そうして楊枝を咥えノンビリ腹をさすっていると、フールが何やら藍色の布のような物を差し出してきた。

 受け取って畳まれたソレを広げてみると、意外と薄手で広い生地だ。全体に何羽もの鳥の柄が描かれている。

 中々良いデザインだ。多分最初に寄った店で買ったのだろう、気が付かなかった。


「へぇ、悪くないな」

「でしょ、ボクからのプレゼント~」

「良いのか? つかどうしたんだ突然。金はどうした?」

「ちゃんと自分のお小遣いで買ったよ~。日頃の感謝の意味もあるんだけど、ちょっと貸して~」


 言われて布をフールに渡すと、フールはその布を持って俺の背後へと回り、前髪をかき上げてソレを俺の頭に巻き始めた。


「何だ、ハンカチかと思ったら“バンダナ”か?」

「うい。レイドってばこんな目立つ髪してるのに、いつも帽子とか被ったりしないでしょ~」

「まぁな」


 だが、昔は俺もこの黒髪を隠そうと、帽子を被った事がある。

 しかし余程似合わなかったのか、それを見た親父とシュルシェの奴に爆笑されて以来、帽子を被ることは諦めた。


「でもこの前、船に乗ってゼルヒさんたちに会ったでしょ、その時に閃いたんだ~」


(ああ。船で合ったあの赤バンダナのオッサン船員か)


「その人のバンダナを見て、レイドにも似合うかな~って思ったの。全部は隠せないけど、コレなら少しは目立たなくなるでしょ~」

「そっか、あんがとな」

「ういうい。はい、これで良~し」


 頭の後ろでギュッと布の端が結ばれ、黒髪の頭部が藍色のバンダナに包まれる。

 流石に後ろ側まで完全には隠せないが、これなら遠目から見ただけでは髪の色には気付かれないだろう。

 少なくとも、今までより周囲の注目を集める事はない筈だ。


「似合うか?」

「ういっ、バッチリ~」


 フールの奴はこう見えて意外とセンスが良い。そこまで自信たっぷりに言うのであれば、今直ぐ鏡で確認する必要はないだろう。


「ふむ……」

「きつくない?」

「大丈夫だ……意外と良いな、コレ」


 こうして頭に巻くまでは、バンダナなんて邪魔になると思っていた。

 だが実際に巻いてみると、前髪が上がってスッキリと感じる。何となく目の前の風通しが良くなった気分だ。


(そのうち、俺からもコイツに何かやった方が良いかもしれんな)


 まぁ折角の相方からのプレゼントだ、せいぜい在り難く使わせて貰うとしよう。


「それでレイド、今後の予定は~?」

「ん、そうだな。そろそろ説明しても良いか」


 俺は軽く周囲を見回し、誰かが俺たちの事を見ていないか確認する。

 確認後、俺はいつも腰に下げている鞄の中から一枚の地図とメモを取り出し、それを食器の片付けられたセーブルの上に広げた。


「さてフール、先ずは“コレ”が何か解るか?」

「うい。〈アマス大鐘楼跡地〉の地図と、メモの方はレイドのお父さんが残した“伝言”だね~」

「そうだ。じゃあこのメモの意味、お前に解るか?」

「ん~と……」


 フールが置かれたメモに手を伸ばす。そこに書かれているのは、親父が俺に残した例の“伝言”だ。


 《大昔の〈トルビオ〉には二羽の鳥が居た》

 《一羽は空飛ぶ鶏、もう一羽は夜更かし梟》

 《太陽が好きな鶏は、夜明けに喜び唄を歌う》

 《太陽が嫌いな梟は、怯えて鶏の後に隠れてしまう》


 親父の言い分では、どうやらこの文章の指し示す先に、アイツの残した“プレゼント”が隠されているらしい。


「……ボクには詳しいコトは良く解らないけど、つまりは宝モノまでの案内が書かれてるんでしょ?」

「そうだ。要は“お宝までの道しるべ”――このメモは一種の“地図”なんだよ」

「文字しか書かれてないのに地図なの? 道とか建物とか描いてないのに?」

「確かに“図”とは言えないかもしれないが、“特定の場所を示す”って意味じゃ地図なんだよ」

「ん~……“住所”みたいな感じ?」

「お、そうだな。お宝の場所を示す住所って考えれば解り易いか」


 確かに、文字だけで場所を表すといえば、住所だって立派な地図だ。


「じゃあ次だ。コイツがお宝の場所を示す地図だとして、まず最初にこの文章から探すべき“二つのモノ”があるんだが、何だと思う? 因みに、コイツはこの手の謎解きの大原則と言って良い」

「ん~……この文章で二つのモノって言ったら、やっぱこの“鶏”と“梟”かな~?」


 そう言ってフールはメモに書かれた一行、《一羽は空飛ぶ鶏、もう一羽は夜更かし梟》の部分を指差す。


(お、意外と鋭いなコイツ)


「じゃあその鶏と梟が、いったい何を表しているか解るか?」

「“鶏”と“梟”って言ったら、なんとなく“朝”と“夜”ってイメージがあるけど……」

「そういう考え方もある。だが、今はソイツは関係ないな」

「う~~ん……」


 するとフールは眉根を寄せ、メモを睨みながら黙り込んでしまった。


(まぁ流石にこれ以上は酷か)


 寧ろ、今の段階でスラスラと答えられたら、逆に俺の先人としての誇りと自信が打ち砕かれる。


「良く覚えとけフール。この手の謎解きの原則として、先ず最初はじめに探すべき二つのモノ……ソレは、“出発点”と“到達点”だ」

「“スタート”と“ゴール”ってこと?」

「そうだ」


 そもそもその二つがなければ、この手の謎解きは成立しない。

 “出発点スタート”の位置が間違っていては、幾らこの文を正確に解釈しても、絶対に目的地には辿り着けない。まして“到達点ゴール”が無いなんて論外だ。


「だからこの手の“場所を示す謎解き”には、必ずその二つが存在する」

「ソレが、ここに書かれてる鶏と梟なの?」

「分かり易い方から行こう、この文の最後の行――」


 《太陽が嫌いな梟は、怯えて鶏の後に隠れてしまう》


「コレは露骨だな、何たって“隠れる”って言っちまってるんだ。つまりこの“隠れた梟”が“隠されたお宝”――つまりは“到達点ゴール”ってコトだ」

「梟がゴール……じゃあ鶏がスタート?」

「そういうコトに成るな。この文章で特に強調されてるのがこの二羽だ。そう考えるのが自然だろう」

「成るほど~」


 納得したように頷くフール。多少不安だが、ここはちゃんと理解しているものと信じよう。


「さて、“出発点スタート”と“到達点ゴール”が分かったら、今度はその“スタート”が何所に有るのかを調べなきゃならん」


 一言に鶏とは言っても、鶏なんてこの大陸中の至る所に居る。その一羽一羽を調べて回る訳にもいかないので、先ずは探す範囲を制限しなければならない。


「それが、この一番初めの行だ」


 《大昔の〈トルビオ〉には二羽の鳥が居た》


「これは前にレイドが言ってたよね~」

「ああ。規模が大きくて活気のある街だが、〈トルビオ〉自体は“大昔”と言うほど歴史の古い街じゃない。だから俺は、〈トルビオ〉の近くにある古代遺跡――〈アマス大鐘楼跡地〉が怪しいと睨んだ訳だ」


 そして俺のそんな予想は、昨日レビストさんから貰った資料のお陰でほぼ確信へと変わった。


「じゃあ先ずはその〈アマス大鐘楼跡地〉で、ここに書かれてる“鶏”を探せば良いんだね~」

「そう言うコトだ」

「ふむふむ~……あれ? でも確か資料には、〈アマス大鐘楼跡地〉には沢山の鶏の絵や像があるって書かいてなかったっけ?」


 あの資料は俺だけではなく、フールの奴にも読ませてある。

 俺は三回読み返したが、フールの奴にも二回は読み込ませた。情報の把握と共有に手抜かりがあってはいけないからだ。


「書いてあったな」

「じゃあ、その中から更に正しい鶏を探さないといけないの~?」

「そうなるな。そして、その正しい鶏の居場所を示してるのが、この行だ」


 《太陽が好きな鶏は、夜明けに喜び唄を歌う》


「……どうしてコレで鶏の居場所が分かるの?」


 フールが怪訝そうな表情を浮かべる。どうやらコレだけではピンとこないらしい。


「いいか、鶏って奴は朝に鳴く鳥の代表格みたいな奴だ」

「そうだね、コケコ~って鳴くよね」

「それなのに、態々《夜明けに喜び唄を歌う》っていうのは、何だか不自然な感じがしないか? もともと鶏って奴は朝に鳴く鳥だ、これじゃあ意味が重複しちまう」


 “朝に鳴く鳥が夜明けに鳴いた”――と言っているようなモノだ。


「そこでだフール。鶏以外で“夜明けと同時に鳴り始める物”って言ったら、何だと思う?」

「う~ん…………アッ」


 そこで何かに思い至ったのか、曇り気味だったフールの表情がパッと明るくなる。


「“鐘”だ~」


 古今東西、“鐘”とは遠くの相手に音で何かを伝えるために利用されてきた。

 特に街など多くの建造物の中心に吊るされた鐘は、周囲の人々に“時間”を知らせるために用いられる場合が多い。

 俺たちの暮らす〈メルトス〉でも、教会の鐘が“夜明け”“正午”“夕方”“日没”の四度に分けて鳴らされる。


 そして〈アマス大鐘楼跡地〉の中心には、その名に象徴される〈アマス大鐘楼〉が聳え立っている。


「じゃ~その鐘楼にいる鶏を探せば良いんだね」

「ああ、そういう事だ」


 だが資料によると、どうやらその〈アマス大鐘楼〉にも複数の鶏の装飾が施されているらしい。

 親父の伝言からはもうこれ以上の絞り込みは出来そうにないので、後は直接現地に赴いて調べてみるしかないだろう。


「――という訳で、今日中に買出しと準備を終わらせて、明日の早朝にはこの街を出るぞ。目的地はこの街の北側、〈オグマ森林地帯〉にある〈アマス大鐘楼跡地〉だ。気合入れていこーぜ相棒フール!」

「ういッ」


 こうして、俺たちはその日の内に買出しと準備を終わらせ、翌日の早朝にはこの〈トルビオ〉を発つことになる。

 ここ一ヶ月近くの間、本業の発掘業からはすっかり離れていた俺たちだが、漸くその本領を発揮する機会が巡ってきた。


 ――さぁ、いよいよ此処からが本番だ。


よ、ようやくココまできた・・・

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