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無色痕


 北の、陽の当たらない島。年中灰色の雲が立ちこめている。起伏の多い地形には雨水が溜まり、土は湿り、わずかに青い芝生が生えるのみ。水は暗く濁り、飛ぶ鳥の声はどこか悲しく聞こえ、重く薄暗い景色は永遠に晴れることはない。


 かつて、ここは戦地だった。

 多くの人間が命を落とした。彼らは未だこの地で眠り続けている。故郷にも帰れずに。


 小高い丘の上にそれはあった。

 たった一ヶ所。小さな石が積み上げられていた。

 墓標。

 二千人もの魂を弔うには、あまりに小さい……。


 傍に花が咲いていた。実に小さな黄色い花だった。

 暖色。なんて似つかわしくない色だろう。

 暗い景色の中で輝くには寂しすぎ、その光はやさしすぎる。


 邦人のいない島。

 その手向け花は誰の手によるものだろう。

「北方にある灰色の島」をイメージして書きました。

実在する島です。(確か…)

多くの方が戦地に赴いてそのまま故郷に帰れず、小さな石で積み上げられた墓標(の代わり)があり、小さな花が咲いていた――というのは事実です。

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