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彼女たちの記憶を共有した俺の異常な日常  作者: るでコッフェ
第二巻
40/94

第38章 リネアの戦闘

 ✦☆ リネア解説コーナー☆✦


 リネアが胸で拳を握る可愛いポーズを取り、ぴょんぴょん跳びながら宣言:

「よっし!リネアちゃんがこの武器たちを解説しちゃうぞ~!よく聞いてねっ!★」


 1. RPKルチノイ・プレミョート・カラシニコワ

 虚構の銃を抱えながらフーフー言うリネア:「うわ~ソ連の軽機関銃だよ!射程1,000m、最大1,500mまで届くんだから!でも…くぅ…重すぎるよこれ!強い人専用だね!♪」


 2. SVD(ドラグノフ狙撃銃)

「こっちは半自動式スナイパーライフル!精度バツグン~!800m先でもピンポイント命中!ただし…バレないようにね!ステルスが命だぞ~!✧(≖ ‿ ≖)✧」 ピュンピュン!と狙撃マネするリネア


 3. バレットM82A1

「きゃあっ!対物ライフルだよ!一発で…ドン!…戦車も破壊しちゃう!射程?1,850m有効で最大6,500m!でも…一人で撃ったら吹っ飛んじゃうから注意してね~!(◕‿◕✿)」 手を銃形にして「バン!」と驚き顔


 4. AK-74

 小走りで銃撃マネしながら:「AK-74!伝説のアサルトライフル!400mまで正確に撃てる~!戦場でダダダッ!って掃射するのに最適!♫ 手入れ楽だし頑丈!初心者にもオススメだよ~!(ノ◕ヮ◕)ノ:・゜✧」


 手を振りながら笑顔で去るリネア:

「わかったよね?まだならリネアちゃん…じゃなくて、あたしが怒っちゃうぞ!えへへ~!♡」


 ◆◇◆現実に戻る◆◇◆


 リネアの内心『なんだか…自尊心がズタズタにされた気分。いいわ、今は敵に集中しなきゃ。』


 迫り来る敵軍を見据え、すぐに弾倉を換装。群衆に紛れた3人のSVDスナイパーを探す。


 敵は歴戦の兵士たち。狙撃手を後方に潜ませ、前衛が注意を引きつけてから奇襲を仕掛けてくる。


 銃撃を躱しながら、敵の前衛が1,200メートルまで接近。10丁のRPKが扇形に広がり、弾幕でこちらの動きを封じる。その隙に歩兵隊が前進。


 歩兵100人ごとに5丁の機関銃が援護。RPK隊は交互に射撃し、火力を持続させる。


 完璧な戦術——攪乱射撃・歩兵圧迫・人間の盾に隠れた狙撃手の三重罠。


 [計画性ある戦略…だが、相手が悪かったわね。]


 75発目を撃ち尽くしたRPKの一挺に目を付け、弾切れの瞬間を狙い撃ち——粉砕。直ちに次のRPKへ照準を移し、再装填の隙を突く。


 二挺の機関銃が同時に爆発。兵士の隊列が乱れ、完璧だった弾幕に隙間が生じた。


 敵が弱点を隠す前に、三発の精密射撃で追撃。残りの機関銃手が同僚の焼死体に動揺し、制御不能な乱射を開始。弾切れで一斉に機能停止した。


 火力が低下した八挺は容易に処理。


 [フン…メンタル弱いくせに重火器扱うんじゃないわよ。]


 バレッタの反動で肩を震わせながら、十挺の残骸を見下ろす。


 [リネア、それ…ちょっと残酷じゃないか?]

 これはハジメがバレットの射撃の威力を直接目にした初めての経験だった。傷口は確かに凄まじい——熱傷で焦げた痕と共に、躯体がきれいに切断されている。彼が茫然となるのも無理はなかった。標的が真っ二つになった光景に、彼の精神が軋んでいる。


 [私が真っ二つになる方が良かった?]

 [そ、そんなことない!]

 [それなら静かに見ていろ。]


 彼の不安は理解できる。新兵は最初の戦場で必ずPTSDの衝撃に直面するものだ。手遅れになって命が危険にさらされるより、今のうちに限定的な影響下で適応した良い。


 弾倉を換装し、歩兵の右膝を狙撃。二発の銃声(バン!バン!)で兵士が崩れ落ち、救出を求める絶叫——仲間を囮にした罠のはずが、誰も近づかない。


 [仲間を見捨てるなんて…]


 これはアフリカ戦線で私が使い込んだ古典戦術——軽傷者を生け贄にし、救助隊を狙う。人道を無視した敵には通用しないが…


 しかし今回は、ハジメは私が共有した記憶を通して、すべての詳細を目撃した。


 [リネア、お前は…]

 彼の声の疼きで照準がぶれ、次の弾が外れる。


 生存のための殺生は許容する彼も、組織的な拷問は拒絶する。今の行為は彼の倫理を侵犯した。


 [非常時なのよ!]言い訳が喉に引っかかる。戦場に倫理は不要だ。なのに——彼にはこの醜い部分を見せたくなかった。


 記憶共有の向こうで、彼が唇を噛み締める。


 クソ…! 何で罪悪感で胸が苦しいの? バカな感情…!


 苛立ちを弾丸に乗せ、呻く兵士の頭部を貫通。苦痛を終わらせてやる。


 [満足? 弾三発も無駄にさせて。]

 舌打ち交じりに再狙撃。


 [ああ、これが俺の知ってるリネアだ。]

 彼の声に秘めた笑みが、こめかみをじんわり熱くする。どこで覚えたんだ? この甘い罠。


「フン!」


「ありがとう、リネア。」


「ハジメ、敵への慈悲は己自身への裏切りだ。そのことを忘れるな。」


 私の声には苦渋がにじんでいた。彼がすぐに適応するとは期待していない——ただ、状況が迫った時に耐えられることを願っているだけだ。


 敵歩兵が600メートルまで接近したため、会話は中断を余儀なくされた。議論に時間を取られたせいで、狙撃兵を片付ける前に近接戦闘を強いられる羽目に。まったく、ハジメは本当に厄介な相手だ。


 バレットの.50 BMG弾は、小麦畑を刈り取る鎌のように命をなぎ倒す。30秒で8体の屍が転がり、それぞれの胸や頭には凄惨な傷口が空いていた。


「クソ!この険しい地形が射線を妨げる!」この地形では500~600メートル先の30cm未満の目標が視認できない。


「狙撃兵、直ちに突撃せよ!」


 甚大な損害に敵指揮官はパニックを起こした。1,500メートル地点から3つの影が走り出し、距離を詰めようとする。だが私のバレッタは既に咆哮していた。


 バン!バン!バン!


 精密な3発。1発は太腿、残り2発は腹部を貫く。即死させない——さらなる判断ミスを誘うための戦術だ。


「ジグザグ移動で私の照準を欺けるとでも?」内心で嘲る。彼らの回避パターンは予測しやすすぎた:1.2秒間隔の左・右・左。旋回点を踏んだ瞬間、3発目を正確に捕捉した。


 敵指揮官は二つの致命的過ちを犯した——私の動作解析能力を過小評価し、彼らの狙撃兵が私の速度に並ぶと勘違いしたことだ。


 残るは恐慌状態の歩兵のみ。遠距離射撃の支援なく、彼らは屠殺場へ向かう羊のように突撃するしかない。


「もし最初から歩兵と狙撃兵で連携攻撃をしていれば……」だが今となっては手遅れだ。弾倉の最後の一発が振動を伝える頃、視界は血の海へと変貌していた。


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