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彼女たちの記憶を共有した俺の異常な日常  作者: るでコッフェ
第一巻
23/94

第23章 リネアは俺のものだ

[待って、ミスM!] 急に思い出した、あいつこそ、あの恥ずかしい戦闘服を押し付けてきた張本人だ!


 そんな考えが頭をよぎった瞬間、背筋に冷たい感覚が走った。柔らかい二つの膨らみが背骨を押しつけてきて、その直後、ぬめった指先が俺の襟元から潜り込んできた。


 振り返って邪魔の正体を探ると、ミスMがリネアにちょっかいをかけているのを見つけた。


「このお嬢ちゃん、なかなか面白いわね。」

 彼女はリネアの耳元で熱い息を吹きかけながら囁き、手つきはますます卑猥になり、甘ったるい香りがリネアの鼻腔を満たした。リネアの心臓がドクドクと高鳴り始める。


「な、なにしてるのよっ?!」


 リネアは椅子から跳ね起き、ミスMの手を払いのけた。あと少しで胸を触られるところだった。

 女同士のスキンシップはよく見るし、たまに目の保養にもなるが──ナイラやリネアにだけは、絶対に誰にも触れさせたくない。たとえ相手が同性でも。


「そんなに怒らないで、ダーリン。これも任務の一環よ。」

 ミスMはゾッとするような曖昧な笑みを浮かべた。


「一言も信じるわけないでしょ!」

 リネアは腕を胸の前で交差し、ずかずかと迫ってくる手から体を守ろうとした。


「私は第十特務レンジャー部隊の隊長。あなたは私の部下。命令は絶対、逆らえないのよ。」


 吐息がリネアの顔にふわりとかかる。

 すると、下腹部から熱い波が湧き上がり、全身を焼くような感覚が広がった。リネアの意識がぼやけていく──。


[リネア、気をつけろ!]


 ダメだ、今すぐ逃げないと!

 この女、絶対におかしい!

 もしこんなのが第十特務レンジャーの標準なら、警戒レベルを最大に引き上げないとヤバい!


 このままだと、明日の朝にはリネアが裸でミスMに絡みつかれてる姿を見る羽目になるぞ!


 だけど、体が動かない!


[舌を噛め!]

 ナイラが念話で叫んだ。


 咄嗟に舌を噛む。

 口の中に金属の味が広がり、強烈な痛みが走った。だが、その刺激がリネアにも伝わったようだ。

 リネアは呻きながら意識を取り戻しかけた──。


 だが、ミスMのほうが一枚上手だった。

 リネアの体は床に叩きつけられ、長い舌がリネアの口をこじ開けようと伸びてきた。


 リネアの体液を吸い取ろうとしている──!


「こ、こんなところで……!」

 リネアは必死にもがくが、ミスMの握力は鋼鉄のようだった。

 藁にもすがる思いで、リネアはミスMの舌を思い切り噛み切ろうとした。


 ──無駄だった。

 ミスMは微動だにせず、逆にリネアのズボンの中へ手を突っ込んできた。

 いやらしい指が、リネアの聖域を侵し始める。


「この変態野郎! 離れろ!!」

 三人の心が怒りで一つになった。


 昔、積極的なセクシー美女との遭遇を夢見たことはあったが──。

 現実に出会ったら、こんなにも恐ろしく、屈辱的なものだとは思わなかった。


 ましてや、今にもリネアの最後の砦を破ろうとしているとなれば──。


[リネアは俺のものだ! 誰にも触れさせない!]


 もし時間を巻き戻せるなら、絶対にこのイカれ女をリネアに近づけさせなかった。たとえ相手が女でも。


[落ち着きなさいハク。別に私はあんたのものになったわけじゃないし……。それに、私の体はあんたの所有物でもないんだから!]


 リネアは顔を赤らめながらも、ぷいっとそっぽを向きながら心で毒づいた。

 でも俺は心に誓った。──これからは、この大切な宝物リネアを命に代えても守る、と。


[リネア! 体に残っているハジメの力を思い出して! まだ効力があるはず、今すぐ使って!]

 ナイラが必死に呼びかけてきた。


「はなせぇっ!」

 リネアは力いっぱい叫び、腕を振り抜き、ミスMの頬を思いきり打った。


 パシンッ!

 その音が部屋中に響いた。ミスMはよろめき、ひび割れたガラスのような目でこちらを見つめた。


「優しくすれば許してもらえると思った? 二度とこんなふざけた真似をしないで!」

 リネアはスカートを払うような仕草で、プライド高く振る舞った。


 ミスMの頬には赤い手形がくっきりと残った。彼女はそれを撫でながら苦笑いを浮かべた。

 少し罪悪感が湧いたが、すかさずリネアが心の中で傲然と言った。

【同情なんていらないわ。彼女が悪いのよ。あなたは私だけを気にしてればいいの。】


「正しい判断だったわ。これで、最終試験合格よ。」


 ミスMの雰囲気が一変した。

 あのふざけた色気は消え、代わりに現れたのは冷徹な指揮官の威圧感だった。


「試験? 今の…試験だったのか?!」

 リネアと俺は同時に目を見開いた。あれを試験だなんて、信じられなかった。


「そう。組織はチームの誘惑耐性を評価するの。耐性が高いほど、重要な任務を任されることになるわ。」


「三分耐えるだけでもすごい成果よ。普通の隊員なんて…」

 彼女は目を細めた。

「…一分も持たないんだから。」


「お前の……力に?」

 リネアは小声で呟いた。


「ただの誘惑じゃないわ。」

 ミスMは自分の首筋を指でトントンと叩く。

「私の体には、フェロモン、特別な唾液――全部、欲情を促す物質が含まれてる。子供の頃から、この“才能”のせいで……」

 彼女の声はかすかに震えた。


「すまない……嫌な思い出を思い出させたな。」

 リネアは自然と目を伏せた。胸の奥がちくりと痛む。


「でもね……」

 ミスMは急ににやりと笑い、リネアを鋭く見つめた。

「あなた、本当に無敵ね。こっちが自信なくなるくらいよ。」


 その視線はまるで鋭い矢のようだった。


【当然よ。】

 俺たち三人は心の中で乾いた笑みを浮かべた。

 三人で共有している意識のおかげで、一人の欲望が暴走しても、残り二人がすぐに抑え込めるのだ。

 一人でも気を抜けば、即座に修正される。


「それじゃ……」

 リネアはまだ体を震わせながらも立ち上がり、

「もう、行ってもいい?」


「これがミッションの指令書と、特別チームの編成表よ。」

 ミスMは胸の谷間から一枚の書類を取り出した――わざとらしく芝居がかった動作だった。


【……サイズ、絶対おかしいだろ。】

 俺たちは心の中で揃ってため息をついた。


 リネアはその書類を掴み取り、ミスMの追い声を振り切るようにして部屋を飛び出した。


「……解毒剤渡し忘れた。」

 ミスMは肩をすくめ、小瓶をドレスの隙間から取り出した。

「まあ、あの耐性なら深刻な副作用は出ないでしょうけど。」


 ――だが、彼女は知らなかった。


 リネアはすでに限界寸前だったのだ。

 膝が震え、下半身から止めどない熱が溢れ出し、パンツと擦れるたびに痛みが走る。


【ナイラ! 解毒剤を!】

 リネアは心の中で悲鳴を上げた。

 ナイラはリネアの身体で起きた異変を感じ取り、すでに内部で中和剤の生成を開始していた。


 リネアは恥ずかしさで生き埋めになる前に、急いでナイラを見つけねばならなかった。廊下に倒れ込み、顔を赤らめ喘ぐ彼女――この光景が一年分の悪質な噂を生むのは必定だった。


[私の…唇の中…] ナイラの普段とは違う喘ぎ声。


 ミスMのフェロモン効果が彼女のシステムにも波及したらしい。テレパシーの端から荒い息遣いが聞こえ始める。廊下の隅でリネアを見つけるや、ナイラの目は飢えた狼のように輝いた。


「薬はどこ!?」 リネアが足をきつく組みながら詰め寄る。


 ナイラは答えない。代わりにリネアを壁に押し倒し、舌を乱暴に押し込んで彼女の口内を貪り始めた。


[吸え!] ナイラのテレパシー命令。激しい接吻の裏で、リネアは舌に苦い液体が流れ込むのを感じた。


 しかしナイラは止まらない。手はリネアの太腿を撫で、歯は首筋を噛む。「私…我慢できない…」としわがれた声で呻く。


[マジかよ!まだ人がいるんだろ!] 俺はパニック状態で叫んだ。


 十数名の基地職員が美女二人の淫らな姿を呆然と見つめている――物流担当の制服組、フィールド技師、巡回中の警備員まで。20代の男たちが大半だ。恥ずかしそうに俯く者、欲望丸出しで目を細める者。技師の一人のベルトの下で、安全帯が不審に『膨張』し始めた。


「バカ…っ!やめろ…!」 リネアはナイラを押しのけようとするが、自身の体はぐにゃりと力がない。太腿から温かい液体が滲み始める。ナイラは逆に彼女を床に押し倒し、軍用スカートは乳白色の太腿を露わにした。[あんた…わざと…!]


 二人の体から来る二重の刺激が俺の神経システムを洪水させる。リネアは暴走するナイラの下でもがき喘ぐ。麝香のような匂いが廊下に充満し始めた。


 ナイラは彼女の耳元で長いため息をつく。「フェロモンで挑発したのはあなたよ…」 指がリネアの衣服の下に潜り込む。[今さら恥ずかしがっても遅いわ]


 周囲から熱を含んだ囁きが湧き上がる:

「M大尉の次はこいつらか…?」

「特殊部隊って…ほんとに『特殊』だな」

「止めに入るべき…?」


[ストップ!] 俺は二人の意識を揺さぶった。[公共の場だぞ!]


 だがナイラは理性を失っていた。優雅だった彼女は今、リネアの肩を噛みながら自分の胸を揉み上げる。「私の部屋で続けましょう…」と誘惑的に囁く。


 リネアはナイラの頭を叩く。「この…変態!少しは羞恥心持てっ!」 その平手打ちでナイラは一瞬正気を取り戻す。


 残った自尊心で、リネアは呻き続けるナイラを近くのトイレに引きずり込む。ドアがロックされる。リネアは水ホースを取る、そして水を浴びる音と押し殺した喘ぎ声が聞こえ始めた。


 廊下で職員たちは顔を見合わせる。冗談交じりに:

「第十特殊遊撃隊…さすがだ」

「彼女らの『試験』には気をつけよう」

「俺…明日から病欠するわ」


お疲れ様です!第23章、どうでしたか?


今回のミスMの「誘惑試験」シーン、書きながら「これはサービスシーンを通り越して戦闘シーンだ…!」と自分ツッコミ連発でした(笑)。リネアがナイラに押し倒される展開、心に思った「規制レベルやばいですよ⁉」書き直しそうになった「いやいや、これは重要なチーム絆深化イベントです!」と汗かきながら弁明したのは秘密です

(゜∀゜)


読者の皆さんのご意見をぜひお聞かせください!


(現在AM3:15。リネアの喘ぎ声とナイラの狂気笑いが脳内リピートされ、完全に眠れないのでそろそろ脱出します)


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