表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
彼女たちの記憶を共有した俺の異常な日常  作者: るでコッフェ
第一巻
2/87

第2章 我々の記憶

 我々は夢もなく、動きもなく、もちろん不眠症にも悩まされず、深く眠りについていた。俺が目を覚ましたのは、朝日が我々の体を照らした時だった。


 いつからか、俺を縛っていた鎖は自ら解けていた。立ち上がろうとすると、激しい痛みが足に走った。


 前の記憶を必死に掘り起こそうとする。ある影が脳裏に浮かび、続いて予期せぬ記憶の断片が次々と現れた。


 記憶の中には、ナイラとゴシック系の少女――その少女たちの記録があった。


 ゴシック系の少女はリネア。ロシア帝国貴族の血を引く。


 ツァーリの白軍が敗北した後、リネアの祖父は東北へ逃れ、最終的に中国に定住した。ロシアの血を引くが、リネアは中国生まれ。


 幼い頃からノルウェーの貴族学校に送られ、中国語はほぼ話せない代わりに、数々の欧州言語を操る。冷たい性格のため友人が少なく、親族さえも距離を置いたことで、彼女の人格はさらに凍りついた。最近はアニメで描かれるドイツ文化に興味を持っている。


 ナイラはスウェーデン人。祖母がナチスの虐殺が吹き荒れた際にドイツから上海へ逃れ、中国に根を下ろした。要するに、ナイラの家族は商才に長け、瞬く間に中国の富豪の一角となった。ナイラは5歳からイギリスに渡ったため、中国語は話せるものの流暢ではない。


 明るく優雅で柔和な性格で、友人――特に美少女たち――に囲まれ、いくつかの「あってはならない関係」を築いていた。


 〈待て!待てよ、ナイラはレズなのか!日本の用語で言えば、百合好きってことだ!〉


 俺は電流が走ったようにナイラの記憶を探索し続けた。情熱的な記憶の数々が脳を襲い、ブレーキをかける余裕もない。


 ナイラは単なる百合好きではなく、ハーレムの女王だった。ロリ、お姉系、先輩、後輩、ツンデレ、デレデレ、クーデレ――あらゆるタイプの少女がハーレムに属し、彼女に執着していた。


 ナイラと少女たちの様々な姿勢や場所での「記録」が脳裏に溢れ、鼻血が滲んだ。この光景は…あまりに刺激的だ。


 〈リネアも十分変わり者だが、こっちはさらに極端だな〉


 記憶を追いかけていると、二人も同時に目を覚ました。


 明らかに、彼女たちも互いの記憶の異常に気づいている。沈黙が支配し、思考の記録に溺れていく。


 〈待て、もし俺が彼女たちの記憶を持っているなら、俺自身の記憶は?まさか…!〉


 心の中で叫ぶ。「やめろ!」


 生まれてから暗い歴史のない人間がいるのか?風呂場で毎日のようにしていたあの行為さえも…


「なぜ他人の記憶が俺の頭に?」三人の声が同時に重なった。


 〈まさかこんなことになるとは〉


 俺とナイラの表情が変わる。彼女も見知らぬ声――おそらく俺の声――に驚いたようだ。


 〈テレパシー?本当にテレパシー?〉 心の中で「話す」ことを試みる。


 今度はリネアとナイラが奇妙な目で俺を見つめた。


 三人同時に震え、一つの同じ思考が脳裏を駆け抜ける。


 〈記憶の共有!〉


 三人の「思考」が同期した。これはテレパシー以上の異常――記憶の交換だ。脳に蓄えられた短期記憶が完璧に他者へ流れ込み、テレパシーと錯覚させる。


 〈やめ…あんた何してるの!?〉


 リネアの絶望的な声が俺とナイラの思考に漏れる。彼女はパニックになり、俺を叩こうとした。


 〈俺は何もしてない!〉 リネアの叩く手をかわしながら、俺は心で叫んだ。


 〈私の記憶を覗かないで!!〉


 記憶は最もプライベートなものだ。他人に見られるのは、裸で街を走るより恥ずかしい。


 〈誰の記憶にもアクセスするな!〉


 我々はこの秘密を守ることで合意した。だが無駄だった。


 人間のさがとして、他人のプライベートを覗きたがるものだ。結局、記憶の流れは我々の抵抗を押し切り、独り歩きを始めた。


 最も恥ずかしいのは、記憶の交換で互いの深層感情までも共有してしまったことだ。


 記憶の洪水は止まる気配なく、我々を異なる記録で満たされた人形のように凍りつかせた。


 次第に慣れてきた――と思った瞬間、次の記憶断片がすべてをひっくり返した。


 冷たい印象のリネアの記憶に、衝撃的な場面が隠されていた。


 浴室で湯気に包まれるリネア。体が熱を帯び、左手が左胸へ、右手が太ももの間へと滑っていく――その感覚までが俺に伝わってきた。


 〈女性が本当に…あんなことをするのか〉 俺の思考がリネアの意識に侵入する。


 リネアの顔が真っ赤に燃えた。両手で顔を覆う彼女も、これが青春期的に普通だと知りつつ、恥辱に耐えきれない様子だ。


 ナイラも同様に混乱していた。腿をきつく交差させ、俺とリネアに身体反応を監視される恥ずかしさに震える。


 三人の顔は火照り、欲望の波で思考が乱れていく。


(ナイラを除く)互いを落ち着かせようとする努力も虚しく、状況は恥ずかしさの頂点に達した。


 鼻血が三人分、同時に滝のように流れ出た。


 最悪なのは、快感の刺激がリアルタイムで共有されることだ。こちらの反応が相手の神経に伝わり、その反応がまたこちらへフィードバックされる。


 三方向からの生理的反応が共鳴し、狂ったように増幅するフィードバックループが形成された。


 この影響下で、我々の身体反応は臨界点に達しようとしている。このままでは、正気を保てるかどうか――


 〈クソ…!耐えろ…!〉 俺は歯を食いしばり、思考で意志を燃やした。


 〈もう…無理…〉 リネアの心の声が泣きそうに震える。


 突然、リネアの記憶から解放感が流れ込み、俺は現実に引き戻された。呼吸が整いかけたその時、ナイラにとってリネアの記憶は薪に油を注ぐようなものだった。次の瞬間、ナイラの快感の波が俺を襲った。


 説明など不要だ。彼女たちに何が起きているか、肌で感じている。


 〈まだ…制御できる…はあ…俺が最強…は…は…〉


 心の中で無理やり笑顔を作り、危機を脱したと思い込もうとする。


 大間違いだった。


 ナイラとリネアが隙を突いてきた。彼女たちにとって、異性に最も恥ずかしい部分を見られるのは許しがたい屈辱。最も痛いのは――俺だけが最後まで冷静でいることへの嫉妬だった。


 〈ならば…〉


 悪意のささやきが脳髄を這う。ナイラとリネアの目が不気味に光り、同時に自分の敏感部を握りしめた。


 〈やめろ――!〉 魂が喘ぎで締め上げられる。


 雷撃のような快感が神経を貫く。膝が震え、崩れ落ちそうになるのを必死で食い止める。


 だが彼女たちは容赦なく強度を増す。衝動が暴走し、理性が捻じ曲げられていく。


 〈畜生…!証明してやる…はあ…俺こそが――〉 思考が荒い喘ぎで寸断される。唇を噛み血を流し、痛みで快感を相殺しようとする。


 痛みと快楽が矛盾しながら混ざり合う。俺は視界を泳がせ、理性を蹂躙する性のリズムに身を任せた。


 数分が数時間に感じられた。ついに彼女たちの身体が疲労で崩れ落ちた。


 〈見たか…はあ…勝者は俺だ…〉 喉が枯れるような声を上げた瞬間、暗黒が視界を覆った。


 戦いを挑まれてもいない戦いに敗れ、俺の体は無残に地面に倒れ伏した。




やっほー!作者です!今回の章、どうでしたか?

三人の恥ずかしすぎる記憶共有シーン、書いてて自分も顔真っ赤になりました(←隠し事ゼロの脳内公開状態)


実はリネアの「あのシーン」、最初は「ロシア貴族の憂鬱な日常」にする予定だったんですが、

脳内の悪魔が囁きました――「エロティックな自己満足シーンを書け」と。

結果、読者の皆さんに鼻血タオルをお配りする事態に…ごめんなさい、でも面白かったでしょ?


次回予告:

・記憶共有の副作用で三人の身体がさらに危険な方向へ!?

・リネアがついにツンデレモード発動!「…別に気にしてないんだからね!」


PS: 次回から「R-18指定」が必要かも…という冗談です(多分)。

では、応援の★評価&「次回早く!」コメントお待ちしてまーす!



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ