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キャラクター弁当

ニュースの特集が生んだ思わぬイベント。

今回も妻のお弁当に一喜一憂。

今日の妻の機嫌はいかに!?

「今日はキャラ弁特集!!!味だけでなく見た目でも楽しめる!今流行りのキャラクター弁当を…深堀りです!!!」


とある日の夕方に流れた20分ほどの長尺特集。この特集が妻をキャラ弁作りへの道へと誘った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌朝、私は、いつもより早く起きる妻の存在に気が付いた。


私も起床し、リビングへ行く。

いつもと変わらない妻。ニュースはスポーツ選手の活躍や昨日の事件を報じている。

私は普段通り、会社へと向かった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そつなく午前の業務をこなした私は、早速妻の弁当を片手に食堂へと向かう。

その日は社内の食堂がとても込み合っており、座ることができた席は6人テーブルの真ん中の席。


「サクッと食べて、自席へ戻ろう。」

そんなことを考えながら、私は弁当の蓋を開けたのだった。


すると、目の前に米の上に海苔を貼り付け、ハムやチーズで細部を表現し、大好物の唐揚げに手を伸ばしている男を模したキャラ弁が現れた。


私はその弁当を認識すると、一瞬のうちに羞恥心を抱いたが、次の瞬間には


ーーーこのキャラクターは何だろう。。ーーー


という疑問がこみ上げていた。


疑念を抱きながらも、やはり周囲の目が気になった私は、箸早に弁当を食した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

帰宅してすぐ弁当の件を聞こうと心に決めていた私は、足早に帰宅した。


帰宅してすぐ妻に、

「今日の弁当は何だったの?」

と、まっすぐに質問した。


妻は、夕飯を作る作業を止め、

「似てたでしょ」

とこっちを向き、満足気に答えた。


私は疑問が絶えなかったので、ひとまず情報整理のために一通りの確認をした。


およそ5分ほどだろうか。

多少の寄り道をしつつ、疑問についていろいろ話をしたが、

ニュースの特集の件を聞いたことで、とりあえず動機についての疑念は解決した。

妻は好奇心旺盛。影響されやすいところがある。


私は、ついに最大の疑問について、妻へ問うた。

「あの弁当は何弁当だったの?申し訳ない。キャラクターがわからなかった。」


妻は、夕飯を作る手を再び止め、再びこちらを振り返り、応える。


「愛情たっぷりあなた弁当。」


どこか、したり顔の妻に私は続ける。


「恥ずかしいからもうやめて。」


キャラ弁を超えるキャラ弁。

私の妻が可愛すぎる。

いつまでも妻が可愛い…。

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