唐揚げ弁当
初めまして。初めて物語を書いてみました。
サラリーマンにとっては、お昼に食べる妻御手製のお弁当が何より重要だ。
その日の午後の仕事へのモチベーションが全然違う。
それが何を意味するかというと、サラリーマンにとって妻のお弁当は、「仕事の効率アップ、会社の業績のアップ、収入の増加、家族の満足度アップ、自身の生活の安泰…に通ずる」人生の最重要アイテムということだ。
しかし、私は昨日妻と喧嘩をしてしまった。
喧嘩の最中は自身の正当性を主張するのに必死だった私だったが、いざ寝に入るときに、ふと
「明日のお弁当はあるのか」
という不安が押し寄せた。
ところが、その不安は杞憂に終わった。
起床した私はリビングへ行くと、いつものところにお弁当が置いてあった。
昨日の不安はどこへやら、私は出社し、午前中の仕事をこなすと、念願のお昼休憩を迎えた。
私は、いつものようにお弁当の中身に期待に胸を膨らませ、箱を開けた。
【唐揚げ弁当】
これでもかというほどの唐揚げ。弁当2段の唐揚げに唐揚げおにぎりが3つ。
先に言っておくと、私は唐揚げが大好物だ。特に妻の作った唐揚げが。
しかし、この量は異常だ。
普段であれば、大喜びの私だが、さすがにこの量は運動部でも胃がもたれるほどだ。
そして私は知っていた。
妻は不機嫌な時に無心で揚げるのだ、鶏肉を。
私は急いで仕事を片付け、定時であがると、まっすぐ帰宅をした。
妻が夕飯の支度をしていた。
私はそんな妻に謝罪の言葉を口にした。
「昨日はごめんなさい。」
なぜ昨夜のうちにこの言葉を口にできていなかったのか。胃もたれが治った気がした。
「私もごめんなさい。」
その日は仲良く2人で大皿に盛られた唐揚げを食べた。
つたない文章で申し訳ございません。
物語の温かい雰囲気が伝わればいいなと思っております。