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ダンジョン

 過去に戻ってから二か月が過ぎた頃。

 森の中で誠也はモンスターと対峙していた。


「グギャギャ!」


 対峙しているのは緑色の肌をした人型モンスター、ゴブリン。

 ゴブリンの手には木の棍棒が装備されている。

 対する誠也は木の盾とコボルドの爪で作った白い短剣を装備していた。

 そして長袖の上にはコボルドの毛皮で作った茶色のコートを羽織っている。

 

 短剣も木の盾や毛皮コートも、誠也が作った物だ。


「グギャアアアアアアァァァァァァァァ!!」


 ゴブリンは誠也に向かって木の棍棒を振るう。

 迫りくる打撃を誠也は木の盾で防ぐ。


「軽い!」


 誠也は棍棒を押し返し、短剣を素早く振るう。

 鋭い斬撃がゴブリンの首を斬り裂く。


 傷口から血が噴き出し、ゴブリンは地面に倒れる。

 血の臭いが誠也の鼻を刺激した。


 スライム以外のモンスターを狩るのも慣れた。

 血を見るのも、血の臭いにも慣れたな。

 もうモンスターを殺すのに抵抗はない。

 まぁモンスターを狩る度に母ちゃんに怒られるのは……慣れないけど。


「ステータスオープン」


 誠也は自分のステータスウィンドウを表示した。


<><><><>


 ステータス

 名前:創造誠也

 年齢:五歳

 種族:人間

 LV:10

 スキル【鍛冶師】〈鍛冶〉武具や防具の製作、修理、強化が可能。製作能力が上昇。


<><><><>


 う~ん。やっぱり上がらないか。

 LV10になってからLVが上がらなくなったな。

 もうそこらへんのモンスターを狩ってもLVは上がらないか。

 そういえば……LV10になってからはLVが上がりにくいってテレビでやってたっけ。

 はぁ……なんでLV10で止まるんだよまったく。


「仕方ない。アレをやるか」


 誠也は近くの木の下に置いといたリュックから大きな瓶を取り出した。

 その(びん)の中には大量の魔石が入っている。


「ダンジョンよ……ここにいでよ」


 誠也がそう言うと、瓶の中に入っていた全ての魔石が砕け散った。

 次の瞬間、地面が大きく揺れ始め、石でできた門が出現。


「これが……ダンジョンの扉か」


 ダンジョン。それは多くのモンスターが生息している迷宮。

 ダンジョンの中にはモンスター以外にも宝石や金貨、特殊なアイテムなどのお宝がある。

 だがダンジョンの中は危険で、ほとんどの人はダンジョンに入らない。


 ダンジョンは本来、自然に発生するもの。

 だが大量の魔石を使うことでダンジョンを人為的に発生させることができる。

 これは未来で分かることだけど、今の時代で知っているのは誠也だけ。


 ああ~……どうしよう。めっちゃ、ダンジョンに行きたくないんだよな~。


「ダンジョンは最もLV上げに適した場所だけど、攻略するまで出られないからな……はぁ~」


 誠也は深いため息を吐いた。


 本当は行きたくない。

 だが行くしかない。

 強くなりたいのなら行くしかないのだ。

 命を懸けて、ダンジョン攻略をするだけで強くなるなら、いくらでも命を懸けてやる。

 運が良ければ()()も手に入るしな。


 家族は……幼馴染は俺が守る。絶対に。


「よし……行くか」


 覚悟を決めた誠也は門をくぐった。


 読んでくれてありがとうございます。

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