漫才「ヒーローの着替え」
笑ってもらえるとうれしいです。文化祭、学園祭、会社の余興などで使ってもらえたら、なおうれしいです。
登場人物 二人
先輩ヒーロー(50歳、男)ベテラン、体力下降気味で弱気
後輩ヒーロー(25歳、男)若者、元気だが、まだ未熟
〇公園、茂みの中(午後)
ヒーロー二人がやってくる。
先輩「さあ、急いで着替えよう」
後輩「あ、僕のパワースーツがありません」
先輩「なんだって?」
後輩「ここに隠しておいたんですよ」
先輩「風で飛ばされたかなあ?」
後輩「そんな軽いものじゃあないでしょう」
先輩「そうだよな。前から思っていたんだけど、なんであんなに重いんだろうっていうくらい重いよな」
後輩「着るととてつもないパワーを生みだすんですから、いろんな企業秘密が搭載されているんでしょうね。空気中から莫大なエネルギーをなんたらかんたらで、とにかく単なるスーツとは違うんですよ、きっと」
先輩「置いたのは、ここに間違いないのか?」
後輩「ええ。トイレに行くんで隠しておいたんです」
先輩「まあ、トイレに行くのは仕方ないけどな。スーツに着替える前には用を足しておくのが決まりなんだから」
後輩「戦闘中にもよおしても、途中で抜けるわけにいきませんからね」
二人で探す。
先輩「スーツを持ったままでトイレに行きゃあよかったのに」
後輩「遠かったものですから、つい」
先輩「俺みたいに、駅で用を足しておいてから現地入りすることも考えておいた方がいいぞ」
後輩「こんどからそうします」
先輩「まあ、とにかく今は探すしかないよ。スーツの上に葉っぱや枝は乗せておいたのか?」
後輩「いいえ、茂みの中に置いただけです」
先輩「それじゃ不用心だって」
後輩「うかつでした」
先輩「盗難対策ゼロかあ」
後輩「面目ありません」
先輩「外に置くなら、せめてチェーンで木にくくりつけとくとかさ」
後輩「そうでしたね」
二人で探す。
先輩「もうこれ以上は探していられないな」
後輩「怪獣が暴れてますからね」
先輩「とりあえずどうするかだが」
後輩「先輩一人で戦ってください」
先輩「俺だけで?」
後輩「僕は普段着ですよ。頑張ったところでねえ・・・」
先輩「まあどうにもならんわな」
後輩「パワースーツなしじゃ、技をかけても、怪獣には痛くもかゆくもないでしょうから」
斜め上を指をさして、
先輩「怪獣にあのまま好き放題に暴れさせておくわけにもいかないんだけれども・・・」
後輩「先輩、いってらっしゃい」
先輩「何を言うんだよ。今まで二人、力を合わせてやってきたんじゃないか」
後輩「今日は仕方ありませんよ」
先輩「本部が俺とお前にチームを組ませている理由を、お前もよーく知っているはずだろ」
後輩「ええ。一人だと、二人とも勝率六割台でしたからね」
先輩「そうだよ、ほかのヒーローたちはみんな勝率十割だからな。俺たちは、二人で一人前。どっちが欠けてもだめなんだ」
後輩「でも今日の僕は応援に回ります」
先輩「一匹の怪獣に二人がかりで攻撃をしかけるのが、俺たちの勝ちパターンだろ。そうやって地球の平和を守ってきたんじゃないか」
後輩「今日は先輩一人で、よろしくお願いします」
先輩「そうだ、お前にパワースーツの下を貸してやろう」
後輩「はあ?」
先輩「上着は俺が着るからさ」
後輩「パワー半減ですよ」
先輩「はったりで乗り切ろう」
後輩「戦ったらばれますよ。そうだ、家に帰って予備のスーツを取ってきますよ」
先輩「俺を一人にするのかよお」
後輩「じゃあ、本部に言って別のスーツを届けてもらいますか?」
先輩「郵便だと早くても明日着だぞ」
後輩「その間に街は破壊され続けてしまいますね」
先輩「そうだよ、怪獣は待ってくれないからな」
後輩「バイク便ですぐに届けてもらいましょう」
後輩が本部に電話をかける。
後輩「もしもーし。本部ですか?」
先輩「待て!」
先輩が後輩の電話を切る。
先輩「スーツ盗まれたのが隊長にバレたらどうする」
後輩「そうか」
先輩「ビンタかまされるぞ」
後輩「往復ビンタ三発はくらうことになりますね」
先輩「イタいぞー」
後輩「危ないところでした」
先輩「自力でなんとかしよう。通販で、パワースーツを扱ってるとこ、どこかないかな」
後輩「探してみます」
後輩、スマホを操作する。
先輩「どうだ?」
先輩、後輩のスマホを覗く。
後輩「ないですねえ」
先輩「そうかあ」
後輩「あ、オークションにありました。僕のパワースーツですよ、名前が書いてある」
先輩「くっそー、盗まれていたんだ。で、いくらなんだ?」
後輩「すごい額です、見てください」
先輩「めんたまが飛び出るくらいの値段だな」
二人「これじゃあ手が出ないよ、どうしようー」
読んでくださり、ありがとうございます。




