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プラス的 異世界の過ごし方  作者: kyo
2章 わたしに何ができるかな?
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第48話 リサーチ

本日投稿する1/2話目です。

 荷馬車に乗ってイダボアへ出陣だ! 幌付きの荷馬車はアンダーさんのところから1日レンタルした。昨日、町から帰るときに借りてきて、今日の買い物が終わったら返して、町からは歩きで帰るつもりでいる。もちろん料金は前払いしてある。

 御者台には父さまと母さまが乗り、後ろの荷台にわたしたちは座っている。布をいっぱい敷いても、やはりお尻が辛いが、米のためだ。お米のためなんだ。

 今日の買い物は、もふさまからいただいたお金で、もふさまにおいしいものを食べてもらうという口実で使わせていただく。


 みんなには、鞄のリサーチ。格好や、何が流行っているかも、とにかくいろいろ目に留めてくれとお願いしてある。それから魔道具も見たい!


 もふさまにイダボアでは探索をかけるように言われた。

 なんで?と尋ねると、わたしみたいにちっちゃいのは、念を入れて気をつけた方がいいんだと言われ、そうかと納得する。ロビ兄がおれもマップを見たいというが、オープンにするとみんなに見えてしまうのは難点だ。家族にだけ見えるのならいいのに。

 ……できたら、いいのに……。

 ? できないもんなのかな?

 ということで、実験。


「ステータス、ロビ兄にだけオープン。マップモード」


「見える! けど、前より地図ショボイ」


 忌憚ない感想をありがとう。わたしもそう思ってた。


「アラ兄、見える?」


「ロビン、本当に見えてるの? オレには見えないよ?」


「兄さまは?」


「私も見えないよ」


「じゃあ、ステータス、ロビ兄と兄さまにマップモードオープン」


『我は見えないぞ』


「見えた!」


「オレ、見えない」


 アラ兄が拗ねた。


「ステータス、もふさまとアラ兄にマップモードオープン」


「見える」


『本当にしょぼいな』


 しょぼい言うな。


「見えなくなった」


 名前を言えば限定できるようだ。高性能!

 家族には見えるようにオープンする。


「でも、なんで、こんなに外枠が大雑把なんだろうね?」


「あれ、今通ってきた道は、ほら!」


 アラ兄が感動したような声をあげる。


「わたしの見た地図、領地以外、近場ざっくりしてた。だからと思う。わたし通る知った道になれば、ちゃんと書き足されてく」


「なるほど!」


 双子が声を揃える。

 地図ではイダボアに到着していて、青い点がいっぱい見える。緑のわたしと白いもふさま。黄色が5点。茶色の1つは馬だろう。動物は茶色なんだね。


「町につくぞ」


 父さまの掛け声で、身を乗り出して御者台から前を覗き込む。

 高い塀がそびえている。門があって、人々はそこに並んでいた。馬車は馬車の列に並ぶ。

 順番がきて、身分証明書みたいなカードを父さまが見せて、シュタインから家族で買い物にきたことを告げる。荷台を軽くチェックされる。乗り込んできた門番さんはわたしともふさまの頭を撫でた。


「買い物に連れてきてもらったのか、逸れるんじゃないぞ」


 もふさまに話しかける。動物好きみたいだ。

 白いきれいな犬だから、盗もうと考える輩がいるかもしれないので気をつけるように言われた。

 犬も盗むのか、こわっ。


 門では犯罪歴などがないかを身分証明書でチェックするようだ。名前とか個人情報がわかるものではなく、犯罪歴だけをチェックする魔道具で見るようだ。ちなみに犯罪歴があると、町にいる間、いつでも居場所がわかる魔具をつけることが義務付けられる。

 町によっては、入るのに通行料を支払うところもあるらしい。

 貴族は〝印〟を持っていてそれを見せる。父さまは今日は普通の買い物だから、商業ギルドのカードで入ったという。


 こういうのを見ると、本当にうちの領は小さくて何もないんだなーと思う。防犯対策何もしてないもんね。あ、魔物避けの結界は張ってあるそうだ。あとは町の人たちの有志で集められた自警団があるだけ。でもそれだけで成り立っていられるのは平和だってことなのかな? シュタイン領はイダボアとモロール方面以外は森と山に囲まれているから、外の人はほぼやってこないみたいだ。


 荷馬車と馬を預かり所に預けて、荷台からおりた。そこで家族にだけマップをオープンにする。

 と、今まで青かった点がいくつかパッと赤に変わった。

 え?

 わたしたちは顔を見合わせる。


「リディー」


 父さまに呼ばれてわたしは抱っこされる。

 兄さまはもふさまを抱っこして、双子は母さまと手を繋ぐ。


「はぐれないようにな。勝手な行動はしない。みんなで回ろうな」


 父さまの言葉に、わたしたちは頷いた。



 目立っているのは白いきれいな子犬がいるからだけではないだろう。

 父さま。明るい茶色の髪に翠の瞳。背は高く、顔が小さい。体のバランスがいいからそうは見えないけど、体はしっかり筋肉がついている。端正な顔立ちをしていて鼻が高い。整っているため冷たく見えもするのだが、ふと目を和ませたり、口元に笑みを携えるとすっごく温かい。またそのギャップもいいと思う。

 母さま。プラチナブロンドの髪は美しく結い上げている。涼やかな青い目は大きく、引き込まれそう。肌は白く、微かに色づいた頬と小さな唇が彩りを添えている。プロポーションも抜群で出ているところは出ているのに、ウエストは細い。普通にしていると〝美女〟だが、微笑むととてもかわいらしく見える。

 兄さま。母さまの遺伝子を受け継いだとしか思えない容姿。プラチナブロンドに青い目。髪がサラサラで真っ直ぐなので、そこが少し違うかも。母さまと双子、そしてわたしの髪は少し波うっている。少年ながら人を惹きつける何かを持っている。動作もどこかきれいで、王子さま役が似合いそうな印象。

 アラ兄。ミルキーブロンドの髪に薄い青い瞳。髪の分け目が右側。

 ロビ兄。キャラメルブロンドの髪に、やっぱり薄い青い瞳。髪の分け目が左側。

 ふたりはかわいらしさ満載の少年だ。ロビ兄の方がちょっとやんちゃ。

 みんな、キラキラしてるよ。輝いている。

 わたしは自分を鏡で見たことがない。だからわかるのは髪の色だけで、母さまよりもう少し金が強いプラチナブロンドだ。肩ぐらいまでの長さがある。フニフニと波うっている。瞳は父さまと同じ翠で、……家族とは似ていないらしい。いいけどねっ。

 貴族の証を見せてなくても、どこか気品がありオーラがあるもの。目立つのは頷ける。




 最初に食料品店に行ってもらった。小麦粉の隣にお米を発見! お約束なのか小麦の半額にも届かない。遠慮なく買わせてもらう。お店の人、ニッコニコだ。お米、ライズは家畜のご飯として主に活躍しているみたいだ。玄米のままだとお腹を壊す子がいるので、精米機もあった。わたしは半分を精米してもらった。精米機を不思議だといって、じっくり見せてもらった。ニヤリ。

 小麦や砂糖、豆も買ってみた。

 お店を離れ、何気なくマップを見て。


「あ」


 わたしが声をあげると、みんながマップを凝視する。赤い点が近づいてきている。母さまに当たろうとした奴がいたが、絶妙なタイミングで双子が母さまを引っ張ったのでことなきを得た。男はそのまま歩いて行った。

 裏道に入って、ダミー袋を持ちながらも、重たいものはバッグに収納。


「調味料、見たい。地図、どこに何屋があるかわかれば便利なのに」


『アップデートしますか?』


 え? ……今、しゃべった。

 それって……もしかして。恐る恐る言ってみる。


「YES」


「いえす??」


 父さまが首を傾げる。


『バージョン1.23。半径5000キロの地形をダウンロードします。なお、ダウンロードには時間がかかることがあり、途中で……。ダウンロード、クリア。コード〝探索2〟にレベルアップしました。探索2の機能が使えるようになりました。探索の範囲を広げます。半径500メートル、スキャニング。クリア』


「ど、どうした、リディー」


 わたしは固まっていたようだ。父さまに焦ったように覗き込まれていた。


「ステータスボードしゃべって、バージョンアップした」


「ばーじょんあっぷ?」


「レベル上がって、できること、増えた」


 父さまは眉根を寄せている。ええと、ステータスボードだから、


「ステータスボードさん、これから、タボさん、呼んでいい?」


『YES、マスター』


 きっと使っているうちにレベルが上がって、できることが増えるんだ。便利になるってことだ!


「タボさん、調味料を売っている店を教えて」


『YES、マスター。半径500メートル以内に〝調・味料〟を売っている店は〝5〟軒あります』


「地図に点滅で教えて」


『YES、マスター』


 地図にオレンジ色の点が点滅した。


「ありがとう」


 タボさんにお礼を言って、みんなに伝える。


「橙色の点滅、調味料を売ってる店」


 わたしたちの集まった点から一番近い点滅に向かって歩き出す。

 後ろで双子が話している。


「オレのもレベル上がるとしゃべるのかな?」


「リーのだけって気がする」


 どうなんだろう? わたしにもわからない。


 最初に行ったお店は安かったけど、あまり状態がよくなかった。塩、砂糖、蜜、それから薬草を売っていた。少量ずつ、全種類を買う。

 それからまた調味料店を目指しながら、野菜やお肉、苗、雑貨なんかもいいと思うものは買っていった。母さまには顔をしかめられたけど、平民の子供が着るズボン型の子供服をいくつも買った。畑の作業する時とか、絶対ズボンの方がいいんだもん。


 肉屋でなんと卵を売っている! ひとつ150ギルもするが、これでメニューの幅が広がると思い迷わず買った。後から買いに来る人たちが困らない範囲でできるだけ欲しいんだと言うと、卵を売っている店は何軒もあるからと言ってくれて、あるだけ50個も買ってしまった! もふさまの獲ってきた魔物をおろしてなかったら、絶対にできない暴挙だ。でも、もふさまにも〝おいしい〟を還元するから!


 もふさまはお肉屋に行くと……いつもいっぱい食べてるし、自分でも獲って来れるのに胸躍ってしまうみたいだ。千切れそうなほど尻尾を振るので、お肉の塊を買った。お店の人が骨も好きだろと言って大きな骨をくれたから、ご満悦だ。咥えて離さない。


 父さま&兄さまたちは武器、防具屋に釘付けだ。何が楽しいんだかと母さまと目を合わせる。兄さまたちは短刀を、わたしは小ぶりのナイフを買ってもらった。


 食堂に入って、お昼ご飯を食べた。もふさまは骨を味わっているから今はいらないという。食堂の裏庭にご主人たちの飼っているアヒルがいるそうで、そこに居させてもらった。もふさまと一緒に裏庭に行ったとき、アヒルたちは遠まきに見ているだけだったのに、迎えにいったときはもふさまはアヒルに寄り添われていた。羨ましい! 食事はパンとサラダとスープとメインのお肉がセットになったものだった。スープが酢豚みたいな感じで大変コッテリしていた。パンはどこでも同じ感じ。スープに浸さないと噛みきれないやつだ。ごちそうさまでした。


 やっと次の調味料店についたけれど似たり寄ったりだ。一応、少量を全種類買った。

 わたしが父さまに抱っこされながら船を漕ぎ始めたので、服屋に行ったようだ。そこで、みんなの真冬の服を買い込んだらしい。コートや帽子なども。父さまの防寒具も買ったようだ。わたしは寝ていたので試し着はしなかったが、服をあてて選んでくれたらしい。

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