表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
プラス的 異世界の過ごし方  作者: kyo
1章 ここがわたしの生きる場所
28/1124

第28話 訓練

本日投稿する1/3話目です。

 翌日、母さまは朝から聖水を浴びに行った。


 帰ってきた父さまと庭で魔法の訓練を開始する。

 兄さまたちは見学するという。

 最初にステータスを確認させられる。

 そして、掌サイズの水の球体を作るように言われた。

 掌サイズを作れた。

 もったいないので手を突っ込んでその水で手を洗った。

 ステータスをチェックするように言われ、見てみると魔力はマイナス1だった。


 次に畑の真ん中で1メートルのぐらいの水を球体を作るように言われた。終わったら畑にビシャっと落とす。

 ステータスをチェックするとマイナス2だった。


 2メートル直径の球体を作るよう言われる。難なく作れた。水をお風呂の浴槽に移すよう言われ、移した。

 ステータスをチェックするとマイナス75だった。


 父さまに言われた。水魔法を使えれば、水を自由に扱える。水を自由に出せるし、自由な形にできるし、それを飛ばしたり攻撃に変えることも可能だと。でもその水を全く別の場所に移動させるのは聞いたことがない、と。


 わたしは思い当たって、言った。生活魔法の属性に6つ目があるのだと。

 父さまが口を開けている。

 それが〝無〟というもので、何か関係しているんだと思うとわたしなりに推察をした。

 父さまたちは、その移動させるのはわたしのギフトに関係があると思ってたみたいだ。


 父さまに抱えあげられる。


「父さま?」


「リディーが自由にのびのび生きられるように尽力するが、お前のその才能が誰かの目に留まり窮屈な思いをすることになるんじゃないかと心配だ」


「だいじょぶ、大それたことしない。わたし、まとも」


 真面目に言ったのに、父さまが吹き出した。気持ちいいぐらいに高らかに笑い続ける。

 え、そこで爆笑って酷くない??


「悪い、悪い。そうだな。リディーはまともないい子だから大丈夫だな」


 父さまはそっとおろしてくれた。


「父さま、光魔法使っていい?」


「誰も怪我してないぞ」


 わたしは皮のむけた手のひらを見せた。


「……よし、やってみなさい。治すだけだぞ、他のことは考えるなよ」


 わたしは神妙に頷いた。手のひらに手のひらを置くようにして母さまが治してくれたときの温かい光を思い浮かべる。痛くなる前のすべすべの手のひらを思い出して、治っていくイメージをする。温かい光がシュワシュワと炭酸が弾けるように踊って違和感が消え、手のひらが元通りになった。


「父さま、できた!」


 父さまに抱きかかえられる。


「よく、やった!」


 父さまにぎゅーっとされ、その足元に兄さまたちがしがみつく。


「ステータスは?」


「マイナス3」


 光魔法を使えた。これで、母さまを!


「もふさま」


 わたしが呼びかけると、もふさまがひと鳴きする。


『その魔力量なら足りるだろうが、明日の朝一番にやろう。朝日と共にな。力が強まる』


 もふさまの言葉を伝えると、みんなが頷いた。



 朝日が昇る前に起きるから、今日は早寝することにする。水浴びしたばかりで母さまも少し元気なので、一緒にお風呂も入った。



 ベッドの中でもふさまに尋ねる。


「呪いは、かけた人に返るんだよね?」


『……そうだ。なんだ、辛いか?』


 わたしは首を横に振る。だって相手は同じことをしようとしたんだ。同じ報いを受けることになっても、それはその覚悟ありきでやったことだと思う。


「かけた人、もちろんだけど、術を作る人、二度と呪術できないようにできないかな?」


『あやめるのか?』


「うーうん。例えば、呪術を作ろうとすると、どっか痒くて、どうしても作れないとか」


 痒みもあれ拷問だから。いてもたってもいられなくなるぐらい痒くて、呪術を作ろうとする時だけそうなる。最初は果敢に挑戦しようとしても、やらなくなっていくんじゃないかと思う。


『それはリディアのギフトを使えばなんとでもなるんじゃないか?』


「え? もふさま、わたし、ギフト、わかるの?」


『魔が通って一緒にいたからな。リディアの魔はダダ漏れだからわかるぞ』


「わたしがわからないのに?」


『何? わからないのか?』


 わたしは頷く。

 文字となってわたしの目の前に現れたけど、全然ピンとこないのだ。


『魔力の使い方はわからなくても、ギフトだけはどういうものかわかるものだと聞いていたが。やはりリディアは面白いな』


「もふさまから見た、わたしのギフト、教えてくれる?」


 もふさまは左右に首を振った。


『ギフトばかりは自分で気づかないと使えないものだ』


 そうなのか……。

 まあ、明日、母さまの安全を確保したら、ギフトを使うべくいろいろやってみよう。

 とりあえず、10個に増やすのに挑戦だ。


 さっきもふさまは、わたしのギフトでなんとでもなるって言ったね。

 それがギフト十という〝10個〟とどう関係するのかも謎だし。

 使い方もどうすればいいのかもわからないけれど、祈っておこう。


 浄化をして道具が壊れたときに、ついでにそれを作った人は、今後呪術を作ろうとすると身体中が痒くなり、いてもたってもいられなくなって、何も手に付かなくなりますように。

 ん? 冷えてきたのか、足の先が冷たくて力が抜けていく。

 その後、神様に感謝と祈りを捧げて、最後に好きなことがあったら教えてくださいと結んでおいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ