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プラス的 異世界の過ごし方  作者: kyo
6章 楽しい学園生活のハズ
238/1131

第238話 学園レストラン

すみません;

236話「寮の1日目」の後、237話を投稿するところを

237話から246話をすっ飛ばして、247話「家族の時間」を投稿していました;

ですので、正しい続きの237話「学園マップ」〜246話「真夜中の相談」まで一気にアップします。

作業中、247話が最新話として後ろにずれていくと思います;

2023.11.30  0時〜2時間ぐらい作業します。

ごめんなさいm(_ _)m


 お昼の時間になった。ガイダンスは情報過多で頭の中に留まることなく通り過ぎていった。調べたいことがあるので図書室だけは覚えようとしたが……ひとりではたどり着けないだろう。


 寮から教室まではみんなで一緒に来た。帰るときも一緒に帰りたい。教室が本校舎の3階なのは理解したが、本校舎にたどり着くのも一苦労だ。


 階段がよくないと思う。普通階段って、1階から2階にあがったら、折り返しだったり同じ位置か近いところに上へと続く階段があるものでしょう? それが離れているんだよ。だからそれぞれの階で階段に着くまでまた歩くことになるのだ。あれがもうこんがらがる!



 昼食は学園内の食堂でしかとれない。食堂は5つあるそうだ。

 清掃班の子に誘われたが兄たちと約束があると断った。

 兄さまたちからわたしの初となる食堂での食事を、一緒にしようと言われていたからだ。


「リー」


 ロビ兄が教室まで迎えに来てくれた。ありがたい。


「ロビ兄」


 駆け寄れば、ロビ兄はわたしの頭をポンポンと撫でた。

 わたしの手をとり歩きだし、昨日は眠れたかを聞かれた。

 眠れたというとまた頭を撫でられる。

 わたしは一人で眠ったことがないから、淋しくて眠れないんじゃないかと心配してくれたみたいだ。


 言われて気づく。そういえばいつももふもふ軍団と眠っていた。でも昨日も他の子と一緒だったから眠れたのかもといえば、もう泊まるぐらいの友達ができたのかといい笑顔で言われた。

 厳密にはまだ友達と言えないかもしれないけれど、これからなる予定だから否定しなくてもいっか。


 校舎の中央に向かったのはわかったけれど、それ以上はわからない。

 アラ兄と兄さまだ!

 アラ兄に頭を撫でられ、兄さまは両手でわたしのほっぺを押さえた。

 まわりから抑えた悲鳴があがる。


「リディー、ふるっとしてなきゃいけないほっぺが痩せこけているよ。寮のご飯が食べられなかった?」


「リーのほっぺがぷくぷくじゃないなんて」


 アラ兄が愕然とした顔をしているが、わたしはアラ兄の発言に愕然だよ。

 ぷくぷくとか、ふるっととか、わたしのほっぺってそんなに肉付きがいいの?


「おれもやつれていると思って眠れなかったのか聞いたんだ。でも友達と眠ったみたいだから大丈夫かと思ったんだけど……」


 確かに〝無謀なダイエット〟に適していそうな食事だったが、1日ではやつれまい。


「友達と一緒に眠ったの? 友達の名前を教えて」


 周りから、めちゃくちゃ注目を集めていて居心地が悪い。移動しなくては。


「それより、わたし、お腹空いたな」


 3人の兄たちを上目遣いで見上げる。


「ああ、そうだ、ごめんね。いっぱい食べようね」





 中に入り4人がけのテーブルについた。ここは上から2番目に格式高い?食堂らしい。食事も自分で取りにいくのではなく、給仕してくれる人がいる。ポイントに食堂チケットなるものがあり、これは毎月1日1食30日分は確実に、成績やらを加味されてプラスアルファでチケットをもらえるそうだ。新入生は今日と明日はどこの食堂で何回食べても許されるそうだ。

 外には今日のお品書きは3つだったと思うけれど、兄さまはメニューを頼んだ。

 わたしはA定食のお肉とスープとサラダにしようと思っていたんだけど。

 チケットやポイントを使って食事を足し、豪勢にもできるそうだ。

 ポイント、食事にも関係してくるのか?

 でもポイントを使うってことは、使ったらなくなるってことじゃないの?と言えば、兄さまはそうだよと言ってにこりと笑う。


「ダメだよ、大切なポイントなんでしょ?」


「こういうところでしか使えないからいいんだ。あ、リディーの好きなチーズ巻きがあるよ」


「それじゃあ、オレは飲み物をココアにするね」


「おれは食後の果物にしよう」


 えー、みんなしてポイント使う気なの?


「わたし、ポイントない」


「そりゃそうだよ。今日が初日だもの。ポイントについての説明は受けた?」


「ポイントがあるってことだけ」


 食事が来るまでの間、兄さまたちがポイントのことを聞かせてくれた。

 先生の説明と同じで、内申点には2つあり、ひとつは先生からの評価。もうひとつが、努力すればそれだけ成果の出るポイントにあたる申告点。胸につけている校章、まだ見たことはないが学園のシンボルだという〝聖樹〟がデザインされている。これがポイントの加算や減算をする。じゃあ、校章をつけてないところではポイントはついたり減ったりしないかというと、当人と校章が繋がれば、つけていなくて数値を見ることが出来なくても、加算減算はされるそうだ。いい行いをするとポイントが増えたり、悪いことをすれば減るらしい。その見極め誰がしてるんだよって話だが、学園の精がしていると、全く疑問に思っていないように言われた。え? それで納得しているの、みんな……。

 お手伝いなどの報酬としてポイントをもらえることもあり、園内で必要なものと交換することもある。


「どう、学園は?」


 兄さまがにっこり笑った。答えがわかっている顔だ。


「ドキドキした!」


 いろんなことが初めてで、ドキドキした。嫌なハラハラもあったけど。

 兄さまはやっぱり微笑んで、アラ兄とロビ兄は花開くように笑った。満足げだ。

 学園を最初に体験して、わたしたちにいろいろ教えてくれると言った兄さま。

 でも実際は、詳しいことを教えてくれなかった。楽しいとか面白いとは聞いたし、ウキウキしている感じで楽しいのはよくわかったけど、具体的には言わなかった。なんで?と尋ねると兄さまは言った。


「体験して楽しかったから、アランもロビンもリディーも体験して楽しんで欲しくなったんだ。実際、中のことはわかってもらうのが難しいこともあるしね。そうだな、外観ぐらいなら話すけど、あとは体感して欲しいな。初めての学園を」


 アラ兄もロビ兄も、その意思を引き継いだのか、細かいことはあまり話さなかった。おかげで、他の新入生と同じぐらいまっさらな状態での入園となり、全てのことにドキドキ、ハラハラしている。


 でもよく3人とも話さないでいられたな。わたし学園のこと聞かれたら、ペラペラ話しちゃいそう。だって教えたくなるぐらい素敵なところなんだもの。


 ポイントのことも不思議だし、面白い。わたしがポイントが貯まったらまず地図と交換しなくちゃというと、マップを使ってみたかを聞かれた。魔法を使うとそれは学園の知ることになるそうだが、今までステータスボードを使ってもそれについて何かを言われたことはないそうだ。園内の地図を描いてみようとは多くの人が挑戦したが、やはりできなかったことだが、試しにマップを呼び出せるかしてみればと教えてもらった。


 そうか! と心の中でタボさんにマップを出してもらう。

 出た! 学園の道筋がわかる。やーん、素晴らしい! これで図書室に行ける。


 見ていると、いきなり道が消えて、変なところに部屋が出来たりしている。まじで動いてる。恐っ。

 そして青い点がいっぱいの中、ピンクの点が近づいてくる。

 わたしがビクッとしたのが伝わったみたいだ。


「リディー、どうしたの?」

「「リー、どうした?」」


 3人から同時に声がかかる。3人に探索マップを見せようとすると後ろから声がかかった。


「フランツさま、アランさま、ロビンさま、ご機嫌よう」


「ご機嫌よう、カートライト嬢」


「あら、アイリスとお呼びしてくださいといつも申し上げているのに、つれないですわぁ」


 記憶より声が幾分大人びたが……。なぜか怖くて後ろを振り向けない。

 学園で爵位は関係ないといっても、聖女候補には礼を尽くすべきなんじゃなかったっけ? 兄さまたちは立ち上がらなかった。


「そちらは、リディアさまですの?」


 声をかけられてしまった。

 仕方なく立ち上がって、振り返る。

 かわいいに磨きがかかったね。エリンほどではないけれど。


 注目を浴びていた。

 男の子たちはピンクの髪の聖女候補に目が釘付けで、女の子たちは羨望と少しの嫉妬が混じった表情だ。


「お久しぶりです。リディア・シュタインです。聖女候補さま」


「やっとお会いできましたわ。わたくしのことはアイリスとお呼びください。入園、おめでとうございます。歓迎いたしますわ」


「ありがとうございます」


「まぁ、本当にD組なのですね」


 校章を見たのだろう。アイリス嬢がそういうと周りがざわざわした。


「D組がなぜこの食堂に?」


 という声も聞こえる。食堂を使用するのにクラスで規制があるの?


「リディアさま、何かお困りなことがありましたら、あたしにご相談くださいね、姉だと思って」


 え?


「ありがたいお話ですが、結構です。リディーには私たちがついておりますから」


 きつい調子で兄さまが言った。


「あら、フランツさま。女の子には女の子にしか相談しづらいこともございますのよ。同性の頼れる人がいるとありがたいもの……」


「それでしたら、私たちがいるから問題ありませんわ」


 縦ロールの赤髪、キツイ青い目の侯爵令嬢、アイボリー・フリートさまだ。

 その後ろには生徒会の3年生が連なっていて、みんな一斉にロサ殿下に礼を尽くした。

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