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【コミック連載開始!】プラス的 異世界の過ごし方  作者: kyo
19章 レベルアップと北の聖域

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第1177話 神聖化

 公式では第四大陸クリアだけど、騒ぎがあった後に話をしていない。それに一番肝心なこと。あのカザエルのボディーランゲージについて話を聞きたいと思っていて、いずれ非公式に訪れる約束はしてきた。

 スッキリと終えた感には遠い。バッカスがまた絡んだことから、やっぱりわたしにかかわる気満々なことがわかり、気分が晴れない。それだけでも憂鬱なのに、世界議会にウダデ族の人やバッカスのダコブが捕らわれたことから漏れて、新聞にかき立てられ、家の前にも人だかりが。地の祝福と水の祝福をユオブリアにもしたらどうだと声を高らかに主張している。


 アラ兄もロビ兄も学園まで送ってくれると言ったけど、ふたりは就活期間に入っている。その間学園を休むことができるのだけど、もちろん他の場所で学んでいたことを証明しなくてはならない。活動してましたよと最低3つの相手側のサインがいる。同じところで3回サインをもらう人もいれば、幾つもトライする人もいるようだ。

 長兄なのでなんとなく、アラ兄はシュタイン領を引き継ぐと思っていた。けれどふたりとも父さまと卒園してからの進路のことを話し合い、今のところ気になる職業のいくつかへ就活に行くことになった。ふたりとも複数のオファーが来ているからすごい。


 アラ兄は王宮の魔具作りの部署と、王宮の役所、それから職人の聖地の精巧士から声がかかり、ロビ兄は王宮の魔導騎士部隊からの勧誘だ。それからクジャクのおじいさまから正式にクジャク領を継がないかと話があったそうだ。

 ふたりとも前向きに悩んでいて、できるだけ多くのことをやってみて、そこで選びたいと言っている。

 だから今ふたりは学園ではなくそれぞれの職場に見習いとして通っているのだ。

 学園に寄り道させたら遅刻させちゃうもの、断った。


 ちなみに兄さまは王都の家に帰っても、暮らしているのは領地だ。父さまの仕事を手伝わされている。父さま曰く、婚約者のうちは暮らす家は分けるんだって。一時は学園を辞めて兄さまとふたりで領地で暮らせとか言ってたのに。



 馬車での移動、御者のビトだけだと不安なので、執事モードのアダムが一緒に来てくれることになった。


 この頃、アダムはちょっと変だ。いや、わたしに対してだけかな? 本当に微かな違和感だから、一応執事だし、使用人モードと友達の時のブレをわたしがそう感じるだけなのかもしれない。

 ただ、もしかして。……アダムは学園を辞めた。それは何かしたいことがあったのかもしれない。でもそれをさ、王さまとかロサに頼まれて仕方なくここにいるのかもしれないな、とも思う。

 前に学園を辞めてどうするんだと尋ねたら秘密と言われたから、それ以上聞けなくて。

 スーツというか執事服のアダムは間違いなくかっこいい。

 D組のみんなが見たらすっごい騒ぎそうだ。


「お嬢さま、玄関前にまだ人がおります。止まらずに馬車に乗ってください」


 アルノルトから注意を受ける。

 ドアを開けると、うわー、人がいっぱい集まっている。

 前にもこんなことがあったけど、その時と違うのはどちらかというと称賛よりの目で見られているところかな。

 なんか手を組んでキラキラした瞳で見られてる。


「お嬢さま、ウチにも祝福を!」


 どっかの人が言ったのを皮切りに、みんなが騒ぎ出した。

 やめてー。近所迷惑。

 ビトが馬車の扉を開けてくれている。

 階段を降りてあの中を行くの? ごくんと唾を飲み込むと、「失礼します」

とアダムにお姫さま抱っこされた。

 そのままあっという間に馬車の中に。後ろから、もふさまやドラゴンちゃんたちが飛んで入ってくる。

 ビトがドアを閉めた。


 外ではみんななんか言ってる。

 祝福してって何? わたし、神官じゃないんだけど。


「アダム、ありがとう」


「いいえ。仕事ですから」


「……嫌気がさしてる?」


「え?」


「学園辞めてやりたいことあったんだよね? 結局それを引き留めてるから」


 アダムは一瞬驚いて、表情を消し、それから頭を掻いた。


「君はめざといからなー。はっきり言っとく。確かに悩んでいることがある。

 でもそれは自分自身のことで、シュタイン家の執事をやることも使節団のリーダーをかってでたのも僕。終焉関係が終わるまではここにいるつもりだから、変な気は回さないで」


「……わかった。愚痴を聞くとかならできるから、活用してよね、わたしを」


 アダムは呆然として、それから微妙な顔で言った。


「いつか……話すときが来たら話すから、聞いてくれる?」


「うん、もちろん」


 わたしはアダムが強い人だと思っているから、それで安心してしまった。

 誰だって、弱いところも、弱ることだってあるのにさ。

 いつも助けてくれる人だから、アダムをかなり神聖化して見ていたんだと思う。

 まだ成人したての年齢なのに。


 馬車が学園につくと、門のところにまた留学生たちがいた。けれど一緒にヒンデルマン先生もいて、アダムはわたしをエスコートし、ヒンデルマン先生に預けた。

 そういえばアダムの養子先はヒンデルマン先生なんだって。アダムはヒンデルマン先生にかなりキツイことも言っていた気がするけど、昔から知っている仲だったからこそだったんだね。

 それにしても、理事長自らお出迎えしてもらうって……。

 ヒンデルマン先生はわたしの肩に手をかけて、歩くよう促す。そして待ち伏せしていた留学生たちに釘を刺した。


「坊ちゃんがた、くれぐれも問題起こさないように」


 わたしはアダムとビトにお礼と挨拶を肩越しにして、学園に入った。




 教室で椅子に座ると、レニータたちに取り囲まれる。


「第四大陸はどうだったのよ?」


 みんな他大陸に興味津々だ。第四大陸のことを尋ねるってことは、寮生にはまだ知られていないみたい。今日の新聞はさすがに手に入れてないか。


「なんかね……疲れた」


 失礼だけど、それがわたしが第四大陸に思う、ざっくばらんな一番の感想だ。


「疲れた?」


「昼は3分で喉がカラカラに乾くぐらい暑くて、夜はバナーナが凍って釘が打てるぐらい寒くなるの」


「バナーナで釘を打つ? 嘘でしょ?」


 ジョセフィンが変なところで食いついてくる。


「本当だよ。バナーナだってカチンコチンに凍るんだから」


 試してないけど。

 みんながあっけに取られたので少し気分が浮上して、砂漠のことを少し話す。


「それは創世記で聞く、大地が割れた時に聖霊がいなかったから?」


 わたしは静かに頷いた。

 これが上級生になったってことなんだな、と思う。

 1年生だったら、わーすごーい、そんなことあるの?ってただ騒いだだけだろうに。

 今は意味を考え、思考が彷徨いだす。

 あの厳しい大地に地の精霊の祝福が良い作用を生むといいんだけど。その時わたしは呑気に思った。


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― 新着の感想 ―
あれ?リディアが神話に興味がなかっただけでユオブリア人にも精霊の知識があったの? 神殿の影響力が強いから創世記後半の存在は他の大陸より微妙な扱いかなのかと…前半の聖霊もマイナーだったし。 それとも精霊…
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