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夢いっぱい  作者: 水戸 夏
2/3

博人編 3部構成 2話目です

僕の名前は橋口博人といいます。


8月11日で14歳になりました。

二子玉川県立中学校の2年生です。


両親はフル・ドリームという、グループで音楽活動をしています(夫婦で)


アルバムも6枚出してまして、自慢の両親です。


「博人君の将来の夢はなんですか?」

中学1年の初めに、担任の先生に訪ねられた事が有りました。

僕は照れながら、

「新しいグループを見つけたら嬉しいです」

と答えると、先生は、

「御両親みたいな?」と即答してきました。

自分の気持ちをみすかれているみたいで、顔が火照ったのを覚えています。

両親が凄すぎて、歌を書くのは照れ臭くて・・・

幼い頃から両親のマネージャー、上田さんに子守りしてもらってて、憧れが少しズレてしまいました。

我儘なお母さんを軽く粗いながら、最高の歌を導く上田さんが、とても眩しく見えたんです。


今年の4月、2年生に進級した時クラス替えが有りました。

実は好きな女の子がいまして、その子と同じクラスになりました。

しかも席が隣でして( *´艸)

声が凄く綺麗、顔は深田恭子に少し似ています。

名前は河田澄子さんです( 〃▽〃)

仲良くなりたくて、何度か話掛ける努力はしましたが、声が出ませんでした。

たまに挨拶するのがやっとでして・・・情けないです。


部活は放送部に入ってまして、昼休みに音楽を流したり、校内行事の報告、部活動の試合結果等、結構忙しく楽しく活動しています。

「博人、今日の選曲はフルドリのHOPEを流すけど問題ある?」

昼休みに校内放送の合間に、曲を流すのである。

両親の歌は照れ臭くて流すのは気が引けていたけど、武富先輩は言い出したら聞かないタイプでして・・・

「出来れば、この新曲は駄目ですか?」

実は両親が7枚目のアルバムに入れる曲を、USBに2曲だけ入れていたのである。

父さんに放送部の活動を相談したら、この2曲なら先行して流しても良いと貰っていたのである。

武富先輩が僕の目の前に飛んで来て、

「良くやった、博人、俺は幸せものだ!」

僕の両手を掴み涙ぐんで喜んでいた。

本当に両親って凄いなと、改めて思いしらされました。


「今日のお昼は凄い物を用意した、ニコタマ中の諸君に最高のプレをお届けします。

曲は、フルドリから新曲2曲をご紹介、最高の昼休みを約束します。

博人に感謝、曲は・・・・何て言うの?」

「あっ・・・・???、聞くの忘れました・・・」

「はい、おバカさん。曲名は後日で、素晴らしい一時をどうぞ(⌒0⌒)/~~」


今日の放送活動は最高に照れ臭い歴史の1頁になりました。

HOPEにしておけばと後悔しましたが、武富先輩は喜んでいたし良いかと自分に言い聞かせ教室に戻ると、数人の級友達が最高だったと喜んでくれました。

そして、奇跡が起きたのです。


「博人君、もし良ければ・・・さっきの2曲・・・貰えないかな?

私、大ファンなの」

なななんと!

澄子さんが話掛けて来たのである(ToT)

放送活動で使用して良いと了解は得ていたが、個人に渡すのは問題がある、うつむいたまま声を絞り出した。

「・・・・渡すのは僕の一存では決められなくて・・・・

もし良ければ僕の家に来ませんか?」

心臓はバクバク、息苦しく、澄子さんの顔もまともに見れてなく、時間が止まった。

返事が来ない・・・失敗した・・・

両親に相談してからで良いですか?

これがまともな答えだったと深く反省した・・・

ゆっくりと澄子さんの方を見てみた。

両手で口を塞ぎ涙目の澄子さんが見えた。

「行って良いの?」

声が震えていた

????

何言ってんの?の聞き間違え?

「えっ」

と口に出てしまった。

「博人君の家に私が行って良いの?」

今度は確実に理解しました。

マジですか!

宙に浮いた!

とたまに、表現しますが、マジ、宙に浮きました。

気持ちがですね。


澄子さんも両親の大ファンだったらしく、僕と同じクラスで、席が隣りになったのを凄く喜んででいたらしく、僕と友達になりたくて話掛けようとしいたが、声が掛けられなかったと。

僕とは全然違うんだけど、違う意味で緊張していたらしく可笑しく思えてしまった。

本当に両親は凄いんだと日に何度も思い知らされたのは初めてでした。


澄子さんには、両親の都合を聞くから少待ってくれる様にと話しをしました。


その日の夜にお父さんに相談すると、気持ち良く了承してくれた。

今日は火曜日、金曜日の学校帰り、16時に合う約束をしてくれた。

その日はお母さんだけ仕事なので、都合が良いとの事でした。


「ただいま」

「お帰り博人」

お婆ちゃんが出迎えてくれた、お母さんを少し太めにした容姿だけど、凄く優しいお婆ちゃんです。

裕太叔父さん夫婦も一緒に住んでいて、一人子の僕だけど賑やかに過ごしています。

お母さんの両親、弟の裕太叔父さん夫婦、

裕太叔父さんの長男(裕司君8歳)、長女(照美ちゃん5歳)

両親と僕の9人で住んでいます。

玄関は一つで長い廊下の先に大きなリビングが有り、リビングの左隅と右隅に扉が有り 

左隅の扉を開けるとお爺ちゃん達と、裕太叔父さん家族の住んでる部屋になっていて、右隅の扉を開けると僕達の部屋になっています。


「お父さんいる?」

にやけた顔でお婆ちゃんが

「居るよ、そちらの可愛いお嬢ちゃんが博人の彼女かい?」

おい!ふざけんな!

まだ彼女でも友達でもなく、大事な級友だよ

そっとしておいてくれないか・・・

「お婆ちゃん、澄子さんに失礼だから・・・

そんな冗談は禁止でお願いしますよ・・・」

高笑いしながら、スリッパを澄子さんに出しながら

「仲良くしてく下さいね、博司さんは仕事部屋に居ますよ」

と伝えるとリビングに澄子さんを案内し始めた。

「お婆ちゃん、僕が案内するから奥に行っててくれないかな」

僕は、お婆ちゃんの行動が照れ臭くて、お婆ちゃんの背中を押しながらリビングに向かいました。

リビングには照美ちゃんが指を咥えなわが此方を見てあどけない顔してこう言った

「ひろにいちゃんのおんな?なの?」

「これこれ、何処でそんな言葉を覚えたの?彼女ですよ彼女」

おおおおおお  おい!

恥ずかしいにも

失礼にも限度が有るだろう・・・

僕の顔が暑くなって、脇が汗ばんでいる内心ヒヤヒヤの僕の隣で、澄子さんが笑い出した。

「博人君のお婆ちゃん面白いです、フフフ」

お婆ちゃんも笑いながら

「ゴメンなさいね、緊張は解けました?何処にでも居る家族ですから、楽しんで行って下さいね。」

なる程ね、僕は自分の事で澄子さんの気持ち迄考えが回らなかったのを、お婆ちゃんは見抜いていてお節介をしてくれていたのである。

別の遣り方無かったの?と思ってしまうけど、気持ちは嬉しかった。


「お父さん、同じクラスの澄子さんです。

お父さんの新曲が気に入ってくれまして、曲を渡して良いですか?」

普段の部屋着ではなくて、お出かけ衣装なのが少し気になったが突っ込む余裕は無かった

「澄子さんだったかな、条件が1つだけ有るんだけど聴いてくれますか?」

おいおい、話が違うよお父さん

別に良いって言ってたじゃん・・・

澄子さんが緊張した声で

「フルドリームの大ファンです、何度も勇気、励まされました。

大事な曲をサイトに流したり、悪用する気も有りません」

お父さんに文句を言うべく体を前に出したが、

「いやいや、博人と良い友達になって下さい。其が条件です。駄目ですか?」

つんのめりになって転けそうになりました。

恥ずかしいからー、勘弁してくれ、でも有難う。


その後はお父さんがギターで生演奏したり、3人で楽しくお話をしました。

お母さんはテレビの仕事で留守にしてたけど、今度は4人で話す約束もしてくれました。


僕も両親に負けない位、人に夢を与え感謝される大人になろうと思いました。


それから澄子さんと仲良くなり、帰宅部所属の澄子さんも放送部に入部してくれて、武富先輩と2人だけの部に花が咲きました。


お母さんの話しをします。

自分の母親ですが尊敬しています。

性格は・・・少し残念な所が在りますが、慣れると可愛いく思えます。怖いけど・・・・

小学生の頃に友達の家でゲームしてて遅くに帰宅して、怒られた事があり門限も約束させられました。


「殺すよ!」

と物騒な口癖持っていて、

ファンに知れたら不味いだろうと子供心に思っていたのを覚えています。

それと、酔ったら僕に抱き付きくすぐってきます。

辞めてほしい・・・・

最近は好きな人が出来てて、お母さんの攻撃は照れ臭く思えてしょうがないです。

嫌いじゃないんだけど、大好きなんだけど、僕の立場を考えて欲しい・・・

お父さんはこう言います。

「博人、忍耐!」

上田さんはこう言います。

「博人君に抱き付きまくると、機嫌が良くなり我儘が減るし、声が良くなるんだよね、お願い」

合唱して頼んでくる上田さん、マジ勘弁してくれよ・・・・

お母さんが酔って、僕に抱き付きながら

「博人、ゴメンね・・・お母さん仕事ばかりで淋しい思いさせて・・・・」

泣きながら言う事がありました。

小さい時は拗ねた時も有りましたが、今ではそんな事、ノミ程も思っていません。

尊敬しています。

感謝しています。

大好きなお母さんです。

仕事しているお母さんを誇りに思う。

ただ、凄い両親を持つと僕のプレッシャーは大きいけど、シンガーには慣れなくても、勉強して両親に恩返しをするのが僕の一番の夢なんです。


現在14歳になりました。

中学2年生です。

好きな女の子も出来ました。

両親も健在で幸せです。

夢も有ります。

両親みたいなシンガーを見つけて、プロデュース出来たら良いなと。

人に夢を、希望を、勇気を与える両親みたいな人生を送れたら良いと思っています。


今日は9月、1週目の金曜日。

体育の授業でバスケットをしています。

僕は体を動かすのは得意ではありません

試合をサイドコートで眺めながら、明日の予定を考えています。

そう明日は澄子さんを家に招待するんです。

お母さんに澄子さんを紹介するのは勇気がいるけど、お父さんが上手くやるから心配するなと言ってくれました。心配だけど(笑)

明日は楽しみだなっと思っていたら、急に目の前が暗くなった・・・・

立ち眩みで倒れたんだと思った。

「おい、博人、博人大丈夫か!」

「せんせい  ひろとくんが   たおれ」



意識が無くなっていった・・・・・・・・

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