表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/52

とある転生者の呟き

「もう僕も16歳か……」


 とうとうこちらで過ごした期間が前世の長さを越えてしまった。


 自分のことを「僕」と言うのにもすっかり慣れてしまったなあ。


 でもこの16年間、悪くはなかった。自分なりに充実した日々を送ってこれた気がする。


 前世、私はごく普通の女子高生だった。


 無事に高校受験をこなしたあとは、ごく普通に学校に通い、ごく普通にサッカー部のキャプテンに恋をし、ごく普通に放課後を友達と過ごす。

 何も特別なことはなかったけど、楽しい日々を送っていた。


 でも突然、その日常が終わってしまった。


 最後に覚えている景色は、工事中のビルから落下してくる無数の鉄骨だった。

 私はその下敷きになったのだろう。


 気がつくと目の前に赤いスクリーンがあった。


 どうやら私は死ぬ予定ではなかったらしく、異世界への転生を勧められた。

 はじめは意味わかんなかったんだけど、どうやら別の世界で生まれ変わる、みたいな話だった。

 私は泣いて元の世界に戻してくれと頼んだのだが、それは無理だった。


 だったらと、どうせ生まれ変わるんなら、何かの天才にしてくれと言った。


 その世界で、他に類を見ないくらいの天才。


 意外とその要望はあっさり受け入れられて、私は別の世界で男の子の赤ん坊として産まれた。前世の記憶を残して。


 生まれ変わった私は、確かに天才だった。他の子供、いや大人を含めて簡単にはできないようなことを、次々とこなして見せた。


 勉強もたくさんしたなあ。

 前世ではあんなに嫌いだった勉強。

 でも、高校に入ってから勉強してこなかった事を相当後悔していたので、今回は最初から一生懸命勉強した。

 不思議と知識を得ることは全然苦ではなく、むしろ楽しかった。


 おかげで、あれよあれよと飛び級し、まれに見る若さで出世していくことができたのだ。




「次の仕事は、調査か」


 そう呟きながら、目の前に積まれた書類の一枚を手に取る。

 そこには、「凶暴化した動物の対策と原因究明」と書かれている。

 場所は、フォーレンの森か。

 噂には聞いていたが、どうやら急を要するみたい。


 前世では考えられなかったが、今は自分の力が多くの人の助けになっている。

 それがとても嬉しい。


「よし、がんばりますか!」


 私は、愛用の杖を取り、護衛の騎士とともに森へ向かうのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ