つまらない女だからと婚約破棄されたので、面白い女になって帰ってきました。後ろの邪神がどうしましたか?
えっ、後ろの邪神?
何の事ですか?
何を言ってるのか分かりません。
それはともかく、話があるんですけど。
ともかくで流せる事じゃない?
良いじゃないですか、些細な事なんですから。
ともかく、話があるんです。
貴方は、私の事つまらない女だと言いましたよね。
それで、婚約破棄して私を捨てた。
だから私、努力したんですよ?
ほら私ってちょっと、真面目過ぎたりお堅いところがあるじゃないですか。
だから、もうちょっと融通きかせても良いかなって。
そう思って、精一杯面白い女になろうって決めたんです。
だから、背後に邪神をくっつけるようになったのか?
もう、そういう事はもう少し後で話そうとしてるんですから、結論に急がないでください。
俺が前に言った「面白い」は、そういう方向性じゃない?
またまたぁ。
刺激的な女性が好きだってお聞きしましたから、そっちの方面で頑張ったのに。
本当はそういうのが好きなんでしょう?
だって、愛人に囁いていたじゃないですか。
私、扉の隙間からこっそり見てたんですからね。
「君と密会する夜は、いつもドキドキして刺激に満ち溢れているね」って。
ドキドキするのが好きなんでしょう?
だから、思いっきりドキドキしてもらおうって。
あら、どうしたんですか?
そんなに顔を真っ青にして。
金魚みたいに、口をぱくぱくさせたりなんかして。
うふふ、可愛い。
これからたっぶり貴方が求めている「面白い」を提供してさしあげますね。
とってもドキドキするでしょう? ね?
あらあら追いかけっこでもしたいんですか。
そんなに早く走れるなんて知りませんでしたよ。
なら、少し遊んであげましょう。
この邪神もとっても追いかけっこが得意なんですよ?
じゃあ、追いつかれた時のために罰を決めないといけませんね。
邪神に追いつかれたら、体を引き裂かれるというのはどうでしょう?
こんなドキドキする面白い出来事めったに経験できませんよ。
私、貴方のお役に立てたでしょうか?
あらあら、ずいぶんと軽くなってしまって。
これじゃあ、さほど力持ちでない私でも、簡単に持ちあげられますよ。
もう私ばっかり話してるじゃないですか。
ああ、今日は疲れたんですね。
ベッドに連れていってあげるので、ゆっくり眠ってくださいね。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
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すみません。