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僕は、交通事故に遭う寸前にテレポーテーションする。

作者: 七瀬






僕が、横断歩道を渡っていると?

猛スピードでトラックが、僕が横断歩道の真ん中ぐらいの時に

突っ込んできた。

僕は、【もうダメだ】と両目を瞑った瞬間

一瞬で、テレポーテーションする。

次に、僕が目を開けると? 僕は横断歩道を渡り切っていた。

トラックは、スピードが出ていた為ブレーキを踏むのが遅くなり

運転手は咄嗟にハンドルを大きく右に切り、大きな木に衝突する。

トランクのフロントガラスにヒビが入った程度で、運転手に怪我は

なかった。

ただ、どうして僕は事故に遭わなかったのか疑問に思う。

確実に、あの時の僕はトランクに轢かれていたはずなのに、、、。

僕は、怪我一つしていない!

しかも、横断歩道の真ん中を歩いていたはずが、信号を渡り切っている。

何しろ、誰も大きな怪我もなく済んで良かった。






・・・でも、僕はこの日から。

時々、テレポーテーションする事が出来るようになる。

行きたい場所に、僕が頭の中で想い浮かぶところに連れててくれる。

僕の想いでの場所。

僕と君との思い出の場所。

1年前に彼女が事故に遭い亡くなってしまう。

僕は彼女を心から愛していたし彼女も少なからず僕を好きだったはずだ。

僕は、まだ漠然としていたがいつか彼女と結婚すると思っていた。

大切な女性ひとと一緒に居る幸せ。

僕はその相手が彼女だと確信していたのに、、、。

スルスルと彼女は僕の手の届かない所に逝ってしまった。

二度と僕と会えない場所に...。

僕がテレポーテーション出来ても、彼女には会えない。

僕が行きたいところは、たった一つだけ君の所だけなんだよ。





それでも、僕は君との思い出の場所を何度もこの能力を使って

何度も行く事があるんだ! 僕と君との思い出の場所。

それでも、君が僕の隣に居ない事が寂しい。

僕は本当に、この能力が必要なのかな?

今の僕には分からないよ。

ただ、君との思い出での場所をテレポーテーションを使って巡るだけ。

そんな時、僕の目の前に君にそっくりな女性ひとを僕は見つけた。

彼女は、今まさに僕の目の前で事故に遭う寸前だった!

僕は、テレポーテーションを使って彼女を間一髪の所で助ける事に

成功する。

彼女は、僕に【ありがとう!】と言ってくれた。

僕は、彼女の顔をじっと見つめた。

彼女は、【私の顔に何かついてますか?】と返す。

僕は、【いえ、無事でよかったですね】と言う。

彼女は、僕にお礼をしたいからと言って僕の携帯番号を教えてほしいと

言ってその場で僕と彼女は分かれた。





・・・数日後。

彼女から連絡があり僕はまた、彼女と会う事になった。

僕の愛する女性ひとと瓜二つの顔を持つ彼女に僕は心を奪われる。

勿論! 彼女は亡くなった彼女ではない。

分かってはいるが、生きている彼女に会いたいという気持ちが止まらない!

やっと僕は彼女と会えるのだから。

彼女はそんな僕の気持ちも知らずに僕に会いに来てくれた。

簡単な挨拶をして、僕と彼女は食事に行く。

彼女が予め僕の為に予約してくれていたレストランに連れててもらう。

僕は、何年ぶりかに心がウキウキ・ドキドキしていた。

初めての彼女とのデートを思い出しながら。



『・・・あ、あの時は、本当にありがとうございました。』

『い、いや? 貴女が無事でよかったです。』

『私も、もうダメかと思いました。』

『・・・そ、そんな、そんな事、言わないでください。』

『スミマセン、気を悪くしましたか?』

『い、いえ、』




最初は、ぎこちない彼女との会話もお酒が少し入ると、、、?

お互いラフに話せた。



『今日は、凄く楽しかったわ~』

『僕もだよ! 今度は僕から君を誘っていいかな?』

『もちろん! 嬉しい!』

『じゃあー家まで送るよ。』

『うん!』




まるで恋人同士のような会話。

亡くなった彼女には申し訳ないと想いつつ、僕は彼女を好きに

なり始めていた。

亡くなった彼女に瓜二つ彼女を、、、。

僕は、彼女と会ってから亡くなった彼女との思い出の場所には

行かないようにしていた。

きっと、亡くなった彼女も僕にそうしてほしかったはずだ。

彼女と会わせてくれたのも、亡くなった彼女の仕業なんじゃない

かと僕はそう思っている。

僕に、前を向いてほしいと、、、。

僕と彼女を会わせてくれたんだとね。





最後までお読みいただきありがとうございます。

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