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ギルティ†コネクト  作者: 不夜城ノ陽炎
~1章~ 初めてなんです。
8/11

ごめんなさい。1

――ここは……。

今まで長い夢を見ていたようなぼんやりとふわっと浮いているそんな感覚。現実との境をさまよっているような。混濁してる所から解放されるそんな感じ。説明は難しいけど、そこに寂しい物足りなさ、懐古(かいこ)な気持ちで自然と目から溢れおちる水滴が頬をなぞった。

匂いに音、光。徐々に感じる腰に感じる鈍痛に体温を保つためか鼓動、脈拍。

無慈悲に現実を突きつける感覚を嫌でも感じさせてくれる。その感覚は徐々に鮮明になっていった。

生きてる……か。

鳥の鳴き声……ごちゃごちゃ何の音かわからないけど人? 話し声のような……それと、そよ風にのって爽やかないい匂いを感じる。

日差しが眩しい。

僕は周りを確認する。上に広がる木々の新緑の葉色。大樹の根元に座っていたようだ。


*******


「そう言えばエリスは昨日の雷が落ちた時どうしてた? わたしさぁお風呂入ってた時だったからすごく不安で」

「そうだったの!? わたしは……教会で魔技(まぎ)の練習をお母さんにみてもらってたからそっちに集中してたから……で、でも音凄かったよね。サクヤちゃん」

「なんかエリスぜんぜん覚えてなさそう……」

「え!? ……。 うぅぅぅ」

「いや、気にしないで。 私、エリスのそういう慌ててるとこ可愛いと思うから」

――サクヤちゃんたぶんだけどその雷は私の……言えない。

「確かこの辺に落ちたはずなんだけどな」

「ちょっとサクヤちゃん待って……」

コケ……

「エリス大丈夫? なんもない所でコケるのらしいっちゃらしいけど」

「てへへ。 ねぇサクヤちゃんあの木のところ人が……」

「人? どこに、わたしには見えてないけど?」

「うそ? ほら、あの黒っぽいフードの人だよ?」

「え? どこ。ほんといたいた。なんか放浪者っぽいわね……」

「放浪者?」

「放浪者はつまり、ホームレスの事よ」

「???ホームレス? かわいそう」

「あんたね……」


******


――僕はいったい……脳裏に声が聞こえる。囁くように小さくよぎる感じに気色悪い。

『妾の声が届くか少年。なら、お前に妾の能力を授けられるまでになったということだな』

誰の声。

『この世界は魔素にあふれお前の脳を刺激する。想像の創造。所謂、魔法が現存する妾の世界。これは福音。お前を導き支配する王の力』

――王の力? アニメっぽいな。

『この世界における摂理を理解し己の知識として記録しろ』

脳内のその声は語る。

最初に理解しないといけない魔法を使う為の世界常識的なやつらしい。

――世界の空間を構成する魔素が魔法を顕現させる。

――この世界の生物は“ボルン"生まれながらにもった才能に魔素が反応する。よく聞くところのユニークスキルにあたる源である。

――他に“魔技(マギ)”と言われる魔法技術の力。

――“エクスクルーシブ"自分の得意な力を極める事で成長するスキル。

スキルは魔技とは別のものであり、生き物それぞれに与えられた加護(ギフト)である。

この世界の魔法のあり方は全て認識力に比例する。

水が目の前にある。それが水である事は自分以外にも水として認識しているから水である。火が暑いのは自分以外にも火が暑いものだと共有する感覚的認識であるためである。つまり、自分以外にも想像、連想できるものが魔法として形を持つ事、目の前に水がないとしても自分の想像が自分以外にも想像できる事が大事である。それが奇跡の力、魔法。

魔技は、想像させて応用して形を変える。イメージさせる技術であり、見ている相手にイメージさせるかが大事な事。

この世界は魔素が存在する事で人それぞれではあるが、魔法までは容易に出せる。だが、形を変える魔技までは才能と鍛練で備わるものとされている。

と言う事らしいが難しい。つまり、言葉が通じなければ簡単じゃないのだ。

水があってもそれがどうなるか。宙に浮くのか、増えるのか、はたまた技術次第で生物のように動き出すかもしれない。全ては技術を有する認識力なのだと。

『お前は特質でこの世界に適したボルンがあるようだ』

『そのボルン? てやつはどうすればいいんだ?』

――自分の脳内としゃべるのは考えるよりもほんとうに頭を使う……。

『イメージすればできる。そもそもお前のボルンは妾の力に似ている』

――似てる? 

『お前のボルンは“コネクト”接続……想像してみろ今来る人間の身体を相手の目をみろ意識を接続する』

「すみませ-ん。大丈夫ですか? !!」

どこの言葉だ。僕の言葉は通じるのか? 想像……相手の目……意識集中。

「あの? すいま……せん」

『コネクト開始します』

「サクヤちゃん大丈夫? 」

「急に身体が……この人の目が赤くなった気が……して……」

「ちょっと大丈夫なの? そっちの人もなんで突然二人して倒れちゃうの? ちょっと待ってて誰か男の人連れてくるから。えぇほんとどうして……とにかく助けを……」

ーーあれが僕の身体だった事は理解している。でも僕の身体はこれで……。よこになった視線で向かいによこになっている人を見つめた。鏡ではない事も理解している。ほんとに今は見知らぬ女の子の身体から見ているのだろうか。そうだ確認してみよう。服の上からあるものないものを確認。信じがたい現実に服の内側に手を入れ胸の膨らみと下のプニプニ感を確めてみる。……ビクン……気持ち良かった。なんか申し訳なさを感じる。


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