ごめんなさい。4
雫が研究員藤堂夏樹の情報を資料にまとめ配布して周った。
「映像に写っています彼はその資料にある我が研究職員の藤堂夏樹であります」
『フィリア藤堂に繋げてくれ』
『了解です』
フィリアは端末越しに魔力を注ぎ異世界との通信を始める。
(もしもし藤堂さーんフィリアですよ)
映像内で倒れていた彼、藤堂夏樹は端末のコールサインに気づく。
『はい。もしもし、藤堂ですけど?』
『私です。フィリアです。聞こえてますか?』
『えっふぃフィリア様!?』
『はい。今ですね。こちら現世にて重大な会議を行っていまして、映像としてそちらの世界を確認中です』
『……すごいですねフィリア様。声は?』
『ばっちり丸聞こえです』
「では、ここから異世界と会話できているのか? 本とに。では、私の質問に答えられるか」
『ごめんなさい。はじめての事なんでどこまで答えられるか分かりませんが、はい。質問ですね。どうぞ』
「わたしは日本国の役は幹事長の者だが、藤堂夏樹と言ったな。そこが異世界と言う証拠を一つ見せてくれないだろうか」
「幹事長ですか……(すごい会議だほんと)」
藤堂は辺りを確認すると一つの明確な違いを見つけた。
ファンタジーならではのモンスターのお出ましだ。
一般的でモンスターの象徴で知られるスライムが顔を出したのだ。
『藤堂さん聞こえますか? 綺麗な水辺に生息しているスライムは普通のスライムです。いい機会なので倒してみて下さい』
『どうすればいいか教えてくださいフィリア様』
『藤堂さんのスキルは何ですか』
『検証してません』
『……そうですか。まず、スライム相手に斬撃は無駄です。増えるだけなので』
『魔法使って下さい。想像で炎は出せます』
『なるほど、……。できた! でも手のひらの上に浮かんでるだけですけど』
『はじめならそんなものです。魔法になれてないんですから。でも、いやなんでもないです』
……。才能があるのかないのか。自分でこの後、考えて動いてくれないと私がいる世界の魔素量が足らなくなるんですけど。
『スライムに向かって火をあててみてください。あたれば蒸発しますが、モンスターの再生力はすごいので特にスライムは本能的に再生しますから中心の核を壊してやっと討伐になります』
『大変そうだけどやってみるか』
『通信エラーです。藤堂さんあしからず』




