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95 次郎1

 ここはある裏社会の組事務所。

 そこに次郎という名のヤクザがおりました。

 次郎は思い悩んだ末、この日親分に頭を下げ、ヤクザをやめたいと願い出ました。

「オレ、組を抜けてカタギになりたいんです」

「組を抜けるだと?」

「実は子供が生まれて……。それでオレ、これを機にまっとうな親になりたいと思いまして」

「そうなのか。それでオメエ、それなりの覚悟はできているんだろうな」

「はい、この小指でオトシマエを……」

「ヤクザをやめるのに、小指一本ですむと思ってるのか?」

 親分が次郎に詰め寄ります。

「では、どうすれば?」

「完全に手を切るんだ。二度とこの世界にもどってこれんようにな」

「親分……」

 次郎の目に涙が浮かびました。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 親分の優しさが沁みますね。 この親分は人情に厚いので、「ヤクザ」というより「侠客」と呼んだ方が個人的にはしっくり来そうな気がします。
[良い点] keikatoさんの作品、ほんとうに大好きです<(_ _)> おお、ウマい……! 小指の次は手でしたか。 見事な切れ味の作品でした。 [一言] そのまま遡っていくつか読ませていただいて、…
[良い点] 伏線を張ってから、落とす、しかも、180度の反転でハッピーエンド、お見事!
感想一覧
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