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91 夕食のおかず
昼食後のこと。
オレはさしてすることもなく、昼寝でもしようかとタタミの上で寝転んでいた。
するとそこへやってきた妻が、オレを見て言う。
「あんた、食べてすぐゴロゴロしてたら牛になってしまうんだから」
「では散歩でもしてくるかな」
「道草くわないで、早いとこ帰ってきてよね。あたし、あとで買い物に行くんだから」
オレのことを、まるで牛のごとくあつかう。
――自分だってブタじゃねえか。
つい声に出そうになって、オレはあやうく思いとどまった。
妻は太っていることをたいそう気にしているのだ。
その妻が聞いてくる。
「帰りに夕食の惣菜を買うんだけど、あなた何か食べたいものある?」
「そうだなあ」
妻の尻が見えた。
「トンカツ!」




